更新日:2016年8月18日.全記事数:3,087件

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血圧を下げすぎてはいけない?


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血圧と死亡率

血圧を下げすぎると死亡率が上がるという話がある。
降圧によるめまい、ふらつきが転倒などの事故を引き起こし、死亡率を上昇させているという見方もある。

慢性腎臓病患者では、降圧による腎血流量の低下が死亡率を高めることも考えられるため、血圧コントロールが重要視される。

研究グループは、腎臓の悪い人、およそ7万8000人を対象として、上の血圧を120未満まで下げる治療をするときと、140未満までの120〜139の間に比較的緩やかに下げる場合とを比較した。最も長く治療効果を見た人と短く治療効果を見た人を並べたときに、真ん中の人の調査期間、つまり中央値で 6.0年の治療効果を見たとき、上の血圧を120未満にしたグループでは、1年当たり1000人中80.9人が亡くなる計算となり、140未満の緩やかな治療のグループは1年当たり1000人中41.8人が亡くなった計算となった。結果として、強い血圧を下げた方が、死亡の危険度が1.7倍高まったと考えられた。腎臓悪い人は血圧を下げ過ぎるな、120未満でかえって死亡率が1.7倍に|welq [ウェルク]

透析と高血圧

CKD(慢性腎臓病)における高血圧はCVD(心血管疾患)の強力な危険因子であり、降圧の意義は、①CKD の進行を抑制し、ESKD(末期腎不全)への進展を防止・遅延させる、②心腎連関によるCVDの発症・進展を抑制し,死亡リスクを軽減することにある。

CKD患者の治療目標は、診察室血圧130/80mmHg以下、蛋白尿がlg/day以上の場合は125/75mmHg未満とする。
ただし高齢者では、蛋白尿にかかわらず140/90mmHgを目標に降圧し、腎機能悪化や臓器の虚血症状がみられないことを確認し、最終降圧目標を130/80mmHg以下として慎重に降圧する。

過度の降圧は腎血流量低下により腎機能を悪化させる可能性があるので、特に65歳以上の高齢者では、診察室血圧で収縮期血圧llOmmHg未満への降圧は避ける。
また高齢者のCKD患者では,5~22%が動脈硬化性腎動脈狭窄症を合併すると報告され,急激な降圧は腎機能を悪化させる危険があるので,2~3ヵ月かけて目標値に達成するように緩徐な降圧治療を行う。

夜間高血圧や早朝高血圧などの血圧日内変動の異常は,CKDを悪化させる危険因子であり,特にCKD患者では夜間高血圧が多くみられる。
就寝前の降圧薬服用はCVD発症を約70%抑制するという報告があり、これには夜間血圧低下による血圧日内変動の改善と,尿蛋白減少の関与が考えられるとされている。
治療としてはRAS阻害薬(ACE阻害薬、ARB) を第一選択薬とし、降圧目標が達成できない場合は,第二選択薬として長時間作用系型Ca拮抗薬、サイアザイド系利尿薬(CKDステージG1~G3), 長時間作用型ループ利尿薬(CKDステージG4~G5) を使用する。
RAS阻害薬は降圧作用に加えて腎保護作用や心保護作用を有している。
他のクラスの降圧薬と比較して,尿蛋白減少効果に優れており,その腎保護効果は糸球体高血圧の程度が強いほど,つまり尿蛋白・アルブミン排泄量が多いほど期待できる。
RAS阻害薬はアンジオテンシンⅡの作用を阻害して,腎糸球体における輸出細動脈を拡張させ,糸球体内圧を低下させることで蛋白抑制効果を現す。
すでに腎機能が中等度以上低下している場合には,高K血症などの副作用防止のため、低用量から慎重に開始する。

参考書籍:調剤と情報2016.5

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