更新日:2015年11月17日.全記事数:3,190件.

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ホクナリンテープの体重別使用量


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ホクナリンテープと体重

ホクナリンテープには2mg、1mg、0.5mgという規格があり、体重ではなく年齢によって使用量が定められている。

通常、成人にはツロブテロールとして2mg、小児にはツロブテロールとして0.5~3歳未満には0.5mg、3~9歳未満には1mg、9歳以上には2mgを1日1回、胸部、背部又は上腕部のいずれかに貼付する。

保険請求上はいくら体格がよくても8歳児に2mgテープは使えない。
しかし、医師によっては使用して来るパターンもあり得る。

インタビューフォームには以下のように書かれている。

至適用量は約50μg/kgと推察され、小児の各年齢における平均体重を目安に、体重15kg未満(0.5~3歳未満)には0.5mg、15~30kg未満(3~9歳未満)には1mg、30kg以上(9歳以上)には2mgで臨床効果が期待できるものと考えられた。

例えば2歳で15kgあれば1mgテープを、8歳で30kgあれば2mgテープを使った方が効果は期待できるということだ。
いずれにせよ、保険請求上は疑義照会が必要ですが、兄弟間での処方間違いもあるし、使用量の判断が緩すぎる医師もいるので、その際の参考にする。

アトピー患者にはホクナリンテープがいい?

健康な皮膚の角層はバリア機能が正常に保たれていますが、アトピー性皮膚炎や老人性乾皮症などの患者さんではバリア機能が低下しているため、薬物が短時間で経皮吸収されてしまう可能性があります。

しかし、ホクナリンテープは結晶レジボアシステムによって、皮膚状態の影響を受けにくい製剤にすることができました。

ラットを用いた検討ではバリア機能が低下した損傷皮膚においても、健康皮膚に貼付したときと同様の吸収移行性を示しました。

また、ホクナリンテープは薬物の体内への吸収移行性、貼付を確実にする固定性に優れています。

さらに、かぶれにくく、剥がすときに角層を剥離しにくい膏体(粘着層)や柔軟性の高い支持体(膏体をのせているシート)が使用されているため、皮膚に与える傷害が少ないと考えられます。

参考書籍:日経DI2012.2

ホクナリンテープが剥がれたら新しい物を貼り直して良い?

ホクナリンテープは製品の患者向け説明書に「テープは一度剥がしたら、再び貼り直すことができません」と記載されている。
一度剥がれると、角質などの付着により粘着力が低下するためである。
剥がれた場合の対処法としては、新しいものを貼り直すか、貼らずにそのまま翌日の投与タイミングまで待つなどが考えられる。

対応を決める要素として重要なのは、剥がれたタイミングである。
貼付してから12時間後に剥がれた場合は、通常、再び貼り直す必要はないと考えられる。
その理由は、ツロブテロールの薬物動態を見れば分かる。

12時間たったらはがして良い?

ホクナリンテープを貼付した12時間後には、約74%の薬物が皮膚へ移行していることが報告されている。
健常成人に24時間貼付した場合の薬物の皮膚移行率が82~90%であることからすれば、貼付12時間後の皮膚移行は24時間貼付時の約85%に相当すると考えられる。
つまり、12時間経過していれば、ほとんどの薬剤が既に皮膚に移行しているため、新たな投与は必要ないということである。

では、3時間後、6時間後などに剥がれた場合はどうか。
本剤は6時間後に血中濃度が半減することが示されている。
このため、貼り直さなければ有効血中濃度以下になった場合に喘息発作を生じる可能性が高まる。

一方、貼り直すことによる血中濃度の過剰な上昇にも気を配らなければならない。
ホクナリンテープ2mgを、貼付してから3、6、9、12時間後に新しい物を再貼付した場合の血中濃度シミュレーション結果(成人)では、再貼付後の越中濃度はいずれの場合も、最高でも再貼付しない場合の1.3倍以下で、ホクナリン錠を経口投与した場合の最高血中濃度の2/3以下にとどまった。
また、小児にホクナリンドライシロップの0.02mg/kgを単回経口投与した場合の最高血中濃度は4.5ng/mLであるのに対し、ホクナリンテープ1mgを貼付した場合の最高血中濃度は1.3ng/mLである。
これらのことからすれば、仮に3,6,9時間後に貼り直しても、血中濃度が顕著に増加するとは考えにくい。
再度貼り直しても差し支えないと指導するのが適切であろう。

ホクナリンテープの患者向け説明書には、少し剥がれたら絆創膏で補強してよい旨が記載されているので、そうした工夫も説明しておく。
また、テープが剥がれにくい貼り方として、貼る部位の水分を取り除き、テープ接着面は指で触らず、貼った後はしっかりと押さえるよう指導する。

参考書籍:日経DI2015.2

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