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ザガーロとプロペシア、どっちが効く?
公開. 更新. 投稿者:皮膚外用薬/皮膚病.この記事は約2分49秒で読めます.
2,528 ビュー. カテゴリ:ザガーロとプロペシア
男性型脱毛症(AGA)治療薬として有名な「プロペシア」と、後発の「ザガーロ」。
どちらもDHT(ジヒドロテストステロン)という“脱毛ホルモン”の生成を抑える5α還元酵素阻害薬ですが、作用や効果には明確な違いがあります。
ザガーロの成分はデュタステリド。前立腺肥大症治療薬「アボルブ」と同じです。脱毛症への使用は適応外だったアボルブに対し、ザガーロは正式にAGAの適応を取得。0.1mgと0.5mgの2規格で販売されています。
同一成分ながら保険適用外のため、薬価は未収載。実際の価格は30日分でおよそ12,000〜13,000円程度で、プロペシアよりやや高めです。
プロペシア(フィナステリド)は5α還元酵素のうち、Ⅱ型のみを阻害します。一方ザガーロ(デュタステリド)はⅠ型・Ⅱ型の両方を阻害し、Ⅱ型に対してはフィナステリドの約3倍の阻害力を持つとされています。
実際、AGA患者を対象にした比較試験では、デュタステリド0.5mgはフィナステリド1mgよりも発毛効果が高く、毛の太さも改善されたという報告があります。
副作用としては両薬剤とも性機能関連(勃起不全、射精障害など)が挙げられますが、その発現頻度はザガーロでも大きく変わるわけではありません。
また、デュタステリドではわずかに前立腺がんの発現率上昇が報告されたことや、カプセルを噛まずに服用するよう指導が必要といった注意点もあります。
アボルブをAGAに使ってもいいのか?

アボルブとザガーロの成分は同じですが、AGAに対して保険適用があるのはザガーロのみです。アボルブは前立腺肥大症治療薬であり、AGAに使うと保険外使用になります。
一見コストダウンになりそうでも、適応外使用によるトラブルを避けるため、原則としてAGA治療にはザガーロを選ぶべきです。
リアップとの違いと併用効果
リアップ(ミノキシジル)は発毛促進、ザガーロやプロペシアは抜け毛予防。作用機序が異なるため、併用により相乗効果が期待できます。
ザガーロ(デュタステリド)はプロペシア(フィナステリド)より広範にDHTを抑制
発毛効果もザガーロのほうが高いとするデータあり
副作用頻度は同程度。長期使用によるPSA検査値への影響に注意
AGAにはザガーロを、前立腺肥大症にはアボルブを使い分ける
ミノキシジル外用薬との併用でより高い効果が期待される
AGA治療をより効果的に進めるには、それぞれの薬剤の特徴を正しく理解して使い分けることが大切です。


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