更新日:2015年10月22日.全記事数:3,089件

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イソジンシュガーで血糖値が上がるか?


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シュガーパスタと血糖値

糖尿病性皮膚潰瘍に白糖を塗っていると血糖に影響が及ぶか否かについては、臨床的には問題ないとの結論が出ている。
白糖・ポピドンヨード配合剤を外用した際の白糖成分活性をラット経皮投与で測定した研究によれば、白糖はスクロースの形で一過性に吸収され、スクロースは未変化体のまま、ほぼ4時間後に排泄された。
スクロース活性は、小腸以外の組織では認められなかった。
ヒトにおいても、経皮吸収されたスクロースは代謝を受けず、血糖値やHbA1c値に対しても影響を及ぼさないと考えられる。

糖と褥瘡

糖尿病の三大合併症の1つに末梢神経障害がある。
これは神経細胞が高濃度のブドウ糖にさらされた結果、変性してくることによるものである。
初期症状は足のしびれなどの感覚異常だが、進行すると足先の感覚が鈍くなり、多少の傷が生じても痛みを感じなくなる。
そこに血流障害や細菌感染などが合併すると、いったんできた傷は治りにくく、皮膚潰瘍・褥瘡に発展しやすい。
さらに治療しないでいると、壊疽に至り、足の切断を余儀なくされることがある。

白糖・ポピドンヨード配合剤(イソジンシュガーパスタ)は、白糖(スクロース)の高浸透圧による滲出液の吸収作用とポピドンヨードによる殺菌作用を持つ特徴から、皮膚潰瘍や褥瘡治療に頻用された。
しかしその後、創傷治癒のメカニズムの解明が進み、滲出液中に分泌される細胞成長因子や好中球、線維芽細胞などが肉芽組織や上皮の形成に重要な役割を果たすことが分かってきた。
そして、白糖の吸収性やポピドンヨードによる細胞毒性が、滲出液中にある創傷治癒に必要なこれらの様々な因子の働きをかえって妨げてしまうことも明らかになっている。

現在の皮膚潰瘍・褥瘡治療においては、創傷治癒の各段階に応じて種々の外用剤を使い分けるべきだと考えられている。
すなわち、創傷初期の黒色期(皮膚が壊死に陥り黒色となった時期)から黄色期(潰瘍底に黄色壊死組織が残存し滲出液が増加してくる時期)にかけて、特に多量の滲出液や局所感染を伴う場合、蛋白分解酵素剤や白糖・ポピドンヨード配合剤などを使用する。

赤色期(肉芽組織が増生する時期)から白色期(創周辺から上皮形成が起こり始める時期)には、肉芽形成と上皮化促進作用のあるトレチノイントコフェリル(オルセノン)、ブクラデシンナトリウム(アクトシン)、アルプロスタジルアルファデクス(プロスタンディン)、トラフェルミン(フィブラスト)などを用いる。

参考書籍:日経DIクイズベストセレクションBASIC篇

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