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褥瘡の原因はギャッチアップ?
公開. 更新. 投稿者:褥瘡.この記事は約2分49秒で読めます.
2,862 ビュー. カテゴリ:経管栄養者と褥瘡
経管栄養者には褥瘡が多いです。
これはマヒなどで自力での体位変換が難しい方が多いことのほか、経管栄養特有の要因が知られています。
流動食の注入の際にはギャッチアップといわれる、流動食が胃内から食道に逆流しないように上半身を挙上させる姿勢をとります。
角度が大きくなればなるほど流動食の逆流を生じにくくなり、気管内に流れ込んで生じる嚥下性肺炎の危険を減らすことができます。
しかし、臀部や仙骨部にかかる荷重も大きくなります。
この姿勢が、好発部位である臀部や仙骨部褥瘡の発症および難治化の要因となります。
そのため、ギャッチアップ時間を短縮することが、経管栄養者の褥瘡予防に必要です。
流動食1mL当たりのエネルギー量は通常1kcalですが、1.5および2kcalを含有する高エネルギー流動食を利用すると、設定されたエネルギー量の流動食を短時間で注入することができます。
褥瘡予防だけでなく、胃の過剰拡張を招かないため、流動食の食道への逆流も減じることができます。
また、液体の流動食では注入後にしばらくギャッチアップ姿勢を持続する必要がありますが、半固形の流動食であればギャッチアップ時間を短縮することができます。
高エネルギー食でギャッチアップ時間短縮
汎用されている流動食では1mL当たりのエネルギー量は1kcalに調整されていますが、高エネルギー流動食では1mL当たりのエネルギー量を1.5および2kcalに増してあります。
そういった製品は、胃食道逆流症や仙骨部などに褥瘡がある方へのギャッチアップ時間の短縮目的などで利用されます。
タンパク質含有量
タンパク質および炭水化物の有するエネルギーは1g当たり4kcalですが、脂質は9kcalであり、同じ量でエネルギーを得るためには流動食中の脂質の割合を増やさざるを得ません。
このためタンパク質の含有量は減じられがちになります。
流動食100kcal当たりのタンパク質含有量を調べてみると、少ないものでは3gの製品もあり、PFC比は12%と低くなります。
固形・半固形流動食でギャッチアップ時間短縮
固形・半固形流動食は数分程度で注入できます。
流動食を注入する際は上半身を挙上したギャッチアップといわれる姿勢をとりますが、長い時間をかけて液体の流動食を注入する身体的負担は小さくありません。
特に臀部や仙骨部に褥瘡がある場合のギャッチアップ姿勢は創への悪影響が避けられず、注入時間の短縮は管理上有利となります。
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