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ハイドロコロイドとポリウレタンフォームの違いは?
公開. 更新. 投稿者:褥瘡.この記事は約2分12秒で読めます.
5,214 ビュー. カテゴリ:ドレッシング材の特徴
モイストヒーリング(湿潤療法)の絆創膏といえば、昔はキズパワーパッド一択でしたが、最近はいろいろな商品があるようなので調べてみる。
市販の絆創膏のドレッシング材には、主にハイドロコロイドとポリウレタンフォームがあります。
ハイドロコロイドを使っている商品
・バンドエイドキズパワーパッド
・ケアリーヴ 治す力
・デルガードクイックパッド
・リーダー ハイドロ救急パッド
ポリウレタンフォームを使っている商品
・ケアリーヴ バイオパッド
・メディケア ハイドロウェット
・メディケア アルゲキュア
昔の治療は乾燥療法、傷を乾かしたほうがいいという考えでしたが、傷口が乾燥していると上皮細胞皮膚の再生を遅らせ、治癒機関が遅くなる。
湿潤療法では、皮膚の再生細胞が速やかに移動でき、治癒が促進されます。また、皮膚の収縮が起きやすく、コラーゲン合成、皮膚細胞増殖、血管再生も増進します。
ただ、潤えば良いというわけではなく、浸出液が多すぎると、皮膚がふやけてしまい、細胞が死んでしまいます。
滲出液には、白血球やマクロファージなどの免疫細胞が含まれており、病原体を殺す、また滲出液が患部を覆い、線維芽細胞や表皮細胞などの細胞の増殖を促すというメリットがあります。
しかし、滲出液が多すぎると、傷がふやける以外に、菌が増殖しやすい環境になってしまうので注意が必要です。
そのため、乾かさず、ふやけさせず、という水分量のコントロールが必要ということで、「湿潤コントロール療法」というニュアンスに変わってきています。
ハイドロコロイドの特徴
・吸収した体液を保持し、湿潤環境を作る。
・体液を吸収すると、溶ける。溶けたときに独特の臭気を発することもある。貼り替えたときに傷口に溶け出したゲルを都度拭きとる必要がある。
・閉鎖性が高いため、使用すると周囲皮膚がふやける恐れがある。体液の多い傷に貼り続けない、水分が溜まったら取り換える。
・粘着力が強い為、貼り替えた時に痛みを生じる。一般的な傷当て材の約3倍の粘着力がある。すでに乾いた傷口には使えない。
・感染創や血液循環障害のある場合には使用できない。閉鎖性が高く嫌気性感染を悪化させる可能性があるため、感染創や血液循環障害のある場合には禁忌です。
ポリウレタンフォームの特徴
・体液に触れても溶け出さない。傷口に溶解物が残らず、貼り替え時にふき取る手間がいらない。
・吸収した体液を傷口に戻さない。傷口の治癒に最適な湿潤環境を作る。
・「メディケア ハイドロウェット」は粘着剤不使用で肌に優しい(パッド部分)。素材の持つ自着性を活かし、粘着剤は不使用。粘着力は通常の傷当て材の約1/10で貼り替え時の痛みが少ない。
・高い伸縮性と薄さ。可動域の大きい場所にも最適。
・感染した傷、感染を起こす可能性のある傷には使用できない。
キズパワーパッドみたいな粘着力の強いドレッシング材は、貼り替えが難しい。
簡単に貼り替えできるメディケア ハイドロウェットみたいな商品のほうが好き。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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