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ティーエスワンで涙目?
公開. 投稿者:癌/抗癌剤.この記事は約2分42秒で読めます.
1,839 ビュー. カテゴリ:ティーエスワンで流涙症
ティーエスワンを飲むと涙が出るという患者がいた。
癌になったことがやっぱり悲しいんだな、と思っていたら、ティーエスワンの副作用に流涙というのがありました。
発現率としては結構多いようです。
ティーエスワンにおける流涙は、角膜障害による涙液分泌亢進や涙道障害による涙液排出低下がその原因として疑われます。角膜障害の原因として、フルオロウラシルは細胞分裂の盛んな細胞においてDNA、RNAの合成障害を引き起こすため、涙液中に分泌されたフルオロウラシルが、活発に分裂している角膜上皮細胞や輪部の角膜上皮幹細胞を障害することで発症すると考えられています。また、涙道障害の原因として、フルオロウラシルを含んだ涙液が涙道を通過することで涙道粘膜の炎症、涙道扁平上皮の肥厚と間質の線維化をきたし、その結果涙道狭窄・閉塞が生じると考えられますが、完全には解明されていません。
TS-1|注意すべき自覚的副作用とその対応|流涙
抗癌剤は活発に分裂している細胞、骨髄とか毛根の細胞に影響を与えやすいが、角膜上皮細胞も活発に分裂している細胞の一つらしい。
角膜障害で涙液の分泌が亢進する。
また、ティーエスワンが涙道を刺激して炎症をきたして、涙道が閉塞する、などの原因が考えられる。
ティーエスワンの涙系の副作用としては、
重大な副作用に、「涙道閉塞(頻度不明)があらわれ、外科的処置に至った例が報告されている。流涙等の症状があらわれた場合には、眼科的検査を実施するなど適切な処置を行うこと。」との記載がある。
その他の副作用に、「0.1~5%未満 流涙、結膜炎、角膜炎、角膜びらん、眼痛、視力低下、眼乾燥」とある。
薬の副作用が原因であれば、減量または中止という手段が考えられるが、物が物だけに流涙程度では服用継続させたいと思うかな。
とりあえず眼科を受診させて、角膜障害であれば、ドライアイに準じた治療を行うということになるのかも。
ティーエスワンと角膜障害
抗癌剤の副作用はターンオーバーの早い器官で起こりやすい。
骨髄、毛、皮膚、爪など。
眼の角膜上皮もターンオーバー速い組織であり、約1週間程度で入れ替わるといわれている。
ティーエスワンの角膜障害に対し、ヒアルロン酸点眼液が処方される。
また、涙液中の傷害性物質を洗い流すために、人工涙液点眼液(マイティア)も処方される。
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