2018年9月18日更新.3,327記事.5,528,363文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

薬物乱用頭痛には何を使えばいい?

スポンサーリンク


薬物乱用頭痛の治療

薬物乱用頭痛の治療の原則は、①乱用薬物の中止②適切な予防薬の投与③反跳性頭痛や重度発作に対するレスキュー薬の処方、である。

薬物乱用頭痛の患者は、連日性の頭痛のためしばしば抑うつ的になっている。
さらに片頭痛とうつ病は合併頻度が高いので、薬物乱用頭痛では共存するうつ状態・うつ病を考慮して、抗うつ薬を併用することが多い。

トリプタノールなどの三環系抗うつ薬は片頭痛および緊張型頭痛の予防効果のエビデンスがあるが、忍容性が劣っている。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は頭痛に対するエビデンスは不十分であるが忍容性が高く、効果発現までの時間が短いことから、三環系抗うつ薬より有利である。
特にSNRIは慢性疼痛や神経障害性疼痛にも効果があるため、好んで使用する医師が多い。

薬物乱用頭痛とは?

薬物乱用頭痛とは、過剰に使用された頭痛治療薬と感受性のある患者(=頭痛になりやすい患者=いわゆる「頭痛持ち」の患者) との間の相互作用で起こる1か月に15日以上起こる片頭痛様頭痛や、1ヵ月に15日以上起こる片頭痛様頭痛と緊張型頭痛様頭痛の混合した頭痛を特徴とする慢性の頭痛である。

かつては、反跳性頭痛、薬物誘発頭痛、薬物誤用頭痛などと呼ばれてきたこともある頭痛である。

薬物乱用頭痛は、頭痛の治療のための薬剤(鎮痛薬、トリプタン製剤,、エルゴタミン製剤など)を1か月問に10~15日以上(日数は薬剤によって異なる。)、3ヵ月を超えて使用することによって起こりうる。

頭痛は、薬剤の乱用前と比較して、重症化していることが多い。
具体的には、いわゆる「頭痛持ち」の患者が、頭痛の治療のために鎮痛薬などの薬剤を1ヵ月間に10 ~15日以上、長期にわたって使用しているうちに頭痛が重症化かつ発現する頻度が増加するため、さらに薬剤の使用量が増え、さらに頭痛の悪化を招くといった悪循環に陥るといったパターンが大半である。

一般にイメージされる「乱用」とはほど遠い用量と頻度であっても、薬物乱用頭痛が起こりうるので注意が必要である。
例えば、「よく頭痛が起こるので、半年ばかりの間、だいたい3日に1回(または、週に2~3回)ぐらいの割合で、市販の鎮痛薬(複合鎮痛薬) を飲んでいました」という程度の薬剤使用であっても、薬物乱用頭痛が起こりうるのである。

薬剤の使用の契機となった頭痛は、片頭痛が多く、緊張型頭痛は少ないとされているが、一般臨床においては片頭痛が緊張型頭痛と誤診されていることも少なくないため、緊張型頭痛であると思っていた症例であっても薬物乱用頭痛には十分に注意すべきであろう。
注意すべき点は、特に女性においては、頭痛以外の疼痛(例えば、月経痛など)の治療にこれらの薬剤を服用したさいにも、摂取日数にカウントされるということである。
さらには、他の医療機関からも鎮痛薬を処方されている場合があるので、それらを全て問診によって明らかにする必要がある。

薬物乱用頭痛の治療

薬物乱用頭痛の予防と治療の原則は、①原因薬物の中止、②薬物中止後に起こる頭痛(反跳頭痛)への対応、③予防薬の投与の3つであるが、確立された治療法はない。
薬物乱用頭痛は、患者が急性治療薬を乱用している間は、予防薬にほとんど反応しない。
日頃から、エルゴタミン製剤、トリプタン製剤、複合鎮痛薬などの使用頻度が、月に10日以上とならないよう管理し、かつ患者教育をすることが必要である。

薬物乱用頭痛の治療の第一歩は、原因薬物の中止である。
原因薬物の中止には、漸減する方法と、すぐに中止する方法の2種類があるが、すぐに中止する方法の方が良好な結果を得るという報告が多い。
乱用薬物の使用中止により、診断基準の上では、2か月以内に頭痛が消失するか、以前のパターンに戻ることとなっている。しかし、経験上は、多くの患者において、原因薬物の中止後1~3週間程度で、頭痛が消失するか、以前のパターンに戻っているようである。

中止する際には、①現在の頭痛は鎮痛薬の乱用によって起こっていること。②月に10日(または15日)以上の鎮痛薬の使用が現在の状態を生み出していること、③現在の頭痛を軽減する方法は鎮痛薬の中止以外にはないことを、治療者・患者双方の共通認識として持っておく必要がある。
薬物乱用頭痛は、原因薬物の服用中止により、1~6か月間は70%ほどの症例で改善が得られるという報告が多いが、長期予後では約40%が再び薬物乱用を起こしてしまうとされている。

市販薬じゃなくて、医師が処方している場合でも、頭痛で鎮痛剤が連用されていると、ちょっと不安になります。
患者さん自身も不安に思っている場合があるけど、「あまり飲まないほうがいい」とはなかなか言えない。
1か月に10日以上痛みどめを飲んでいる場合には、薬物乱用頭痛の可能性もある。
薬が原因で悪循環に陥っている場合もあるので、ちょっと使うのを控えてもらったほうがいい。
休めるときは休んでもらったほうがいい。頭痛はストレスのシグナルでもある。

トリプタンでも薬物乱用頭痛になる?

NSAIDsとかエルゴタミンとかカフェインとかの乱用で、痛みどめが効かなくなって、逆に頭痛がひどくなる、みたいな薬物乱用頭痛
トリプタン系では起こりにくいのかな、とか思っていましたが。

乱用の原因となる薬物は、NSAIDs等の鎮痛薬、エルゴタミン製剤、トリプタン製剤などが挙げられます。最も多いのは市販の鎮痛薬を乱用しているケースですが、近年はトリプタン製剤の処方が増えていることに伴い、トリプタンによるMOHの発症も報告されています。

MOHに至る平均投与回数、時間
トリプタン18回/月 1.7年
エルゴタミン製剤37回/月 2.7年
鎮痛剤114回/月 4.8年

製剤別にみると、トリプタン製剤はエルゴタミン製剤や鎮痛薬に比べて、より少ない服薬回数でMOHになる傾向があるとの報告があります。

また一方で、起因薬物を中止した後に2~10日間続くとされる反跳頭痛は、他剤に比べトリプタンによるMOHで早く消失する傾向にあると言われています。

いずれにしても、急性期治療薬の服薬回数が頻回にならないよう(10回以内/月)、適切にコントロールし、薬物乱用頭痛に陥らないようにすることが重要です。薬物乱用頭痛患者への対応|片頭痛の治療|頭痛の基礎知識|片頭痛治療剤マクサルト| 製品情報 エーザイの医療関係者向けサイト

トリプタンのほうが逆に少ない回数で薬物乱用頭痛に陥る可能性があるらしい。
ただ、中止すれば、トリプタンのほうが早く治る。

片頭痛の予防薬

エビデンス・レベルが高い片頭痛の予防薬としては、バルプロ酸(デパケン)、プロプラノロール(インデラル)、アミトリプチリンの3つが知られている。
そのほかの片頭痛の予防薬としては、トピラマート(トピナ)、ガバペンチン(ガバペン)、ロメリジン(テラナス、ミグシス)などがある。
経験的には、アミトリプチリン以外の三環系抗うつ薬なども有効である。
カルバマゼピン(テグレトール)やクロナゼパム(ランドセン、リボトリール)は、片頭痛の予防薬としては無効とされる。
以上の薬剤による予防治療を開始する目安は諸説ある(月に2回程度の片頭痛発作の発現であっても、予防治療をすべきであるという意見もある)。

頭痛の原因は薬?

薬に誘発される頭痛もあります。
健康食品のビタミンEは、一緒に含まれているニコチネートに血管拡張作用があり、それにより頭痛が起こります。
また、脳梗塞の再発予防薬に使われているシロスタゾール(抗血小板薬)にも、血管拡張作用があって頭痛を誘発するといわれています。

参考書籍:日経DI2012.3、日本薬剤師会雑誌 平成26年9月

スポンサーリンク

コメントを書く

カテゴリ

プロフィール

IMG_0670
名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
好きな言葉:三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう
follow us in feedly

最新の記事

人気の記事

最近のコメント

検索

スポンサーリンク

リンク

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

タグ

検査値 調剤関連資料