更新日:2017年1月22日.全記事数:3,079件

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腹痛にNSAIDsは効かない?


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腹痛と痛みどめ

腹痛、と言っても色々あるわけで。

生理痛による腹痛、胃腸炎による腹痛、筋肉痛による腹痛。

一般的に腹痛といえば、下痢を伴う胃腸炎による腹痛が多いかな。
そういうタイプの腹痛には、ブスコパンなどの鎮痙薬が使われる。

ロキソニンなどのNSAIDsは使われない。

自分は、なんとなくNSAIDsは胃痛や腹痛などの内臓痛に効かないというわけではなく、NSAIDsによる胃腸障害を隠ぺいしてしまうから使われない、というだけだと思っていました。

内臓痛も侵害受容性疼痛なわけで、プロスタグランジンやブラジキニンなどの発痛物質が関与しているのであれば、NSAIDsが効かないわけはないと。
でも、胃腸が痙攣して痛いのであれば、抗コリン薬のほうが効くんだろうなあ、NSAIDsの効果は薄いんだろうなあ、と漠然と思ってみたり。

生理痛による腹痛にはNSAIDsが効きます。
月経困難症の痛みの原因は月経時に子宮内膜で合成されるプロスタグランジン過多による子宮筋の過収縮といわれている。

NSAIDsの特徴は?

非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)とは、ステロイド以外で、抗炎症作用をもつ薬物群を示した名称だが、一般にCOX阻害により抗炎症作用を鎮痛解熱作用を呈する。

COXにはCOX-1とCOX-2というアイソザイムがあり、共に細胞質内に存在するが、COX-2は炎症性サイトカインなどの刺激により、主に核膜付近に発現が誘導される。

選択的COX-2阻害薬は、COX-2にしっかりと結合してアラキドン酸が入るのを阻止するが、COX-1には入り込めないように分子設計したコキシブ系NSAIDsである。

従来のNSAIDsは、COX-1にもCOX-2にも結合する。

一部のNSAIDsにはCOX阻害作用以外にも細胞増殖抑制作用などが知られており、適応が広がる可能性を残している。

アリール酢酸系NSAIDsの特徴は?

フェニル酢酸類(ジクロフェナク等)と、インドール酢酸類(インドメタシン、アセメタシン、スリンダク)とに大別される。

効果の発現は早いが、持続時間は短い傾向がある。

これに対して、アセメタシン、スリンダクはプロドラッグであり、作用持続時間はやや長い。

消化性潰瘍、重篤な肝・腎障害、重篤な血液の異常、心機能不全には禁忌である。

ナブトメン、エトドラクは比較的COX-2選択性が高い。

オキシカム系NSAIDsの特徴は?

ロルノキシカム以外は血中半減期が長く、1日1回投与でよい。

反面腎毒性が強く機能低下例には慎重に投与すべきである。

消化性潰瘍、重篤な肝・腎障害、重篤な血液の異常、心機能不全には禁忌である。

メロキシカムはCOX2選択性が高い。

ピロキシカム、アンピロキシカムとリトナビルの併用は禁忌である。

サリチル酸系NSAIDsの特徴は?

安価である。

少量で抗血小板作用を有する。

抗リウマチ作用は大量投与(3g以上)しないと得られない。

大量投与により、消化管出血、耳鳴り、めまい、難聴などを起こすことがある。

喘息発作が悪化することがある(アスピリン喘息)。

小児における連用はLyell症候群を起こす可能性があり、注意を要する。

COX2阻害薬

重篤な心機能不全やCABG周術期には禁忌である。

プロピオン酸系NSAIDsの特徴は?

消炎・鎮痛・解熱作用を平均して有している。

胃障害・腎障害等の副作用が比較的少ない。

消化性潰瘍、重篤な肝・腎障害、重篤な血液の異常、心機能不全には禁忌である。

アナフィラキシー様症状の出現例あり要注意である。

ニューキノロン系抗菌薬との併用にはシプロフロキサシン、フルルビプロフェンとエノキサシン、ロメフロキサシン、ノルフロキサシンとの併用は禁忌である。

イブプロフェンとジドプシンは併用禁忌である。

イブプロフェンは小児に対する薬用量が設定されている。

ピリミヂン系NSAIDsの特徴は?

尿酸排泄促進作用。

非ステロイド性抗炎症作用もあり。

フェナム酸系NSAIDs

アントラニール酸とも呼ばれ、比較的強い鎮痛作用を有する。

消化性潰瘍、重篤な肝・腎障害、重篤な血液の異常、心機能不全には禁忌である。

選択的ムスカリン受容体拮抗薬の特徴は?

ピレンゼピン(ガストロゼピン)など。

M1受容体に特異的で、M2受容体には作用が少ないため前立腺肥大症、緑内障、心疾患にも使用できるが、口渇の出現を有する。

酸分泌抑制作用は強力であり、ガストリン抑制効果も有し、粘膜増強作用と合わせて優れた抗潰瘍効果をもつ。

酸分泌抑制力はやや弱い。

潰瘍治療に単独で用いられることは少ない。

胃壁細胞、ECL細胞(ヒスタミン分泌細胞)のムスカリン(M)受容体とアセチルコリンの結合を阻害し、胃酸分泌を抑制する。

ピレンゼピンはM1受容体特異的であるため、前立腺肥大症や緑内障、心疾患を有する症例にも使用可能である。

抗コリン薬(非選択的ムスカリン受容体拮抗薬)の特徴は?

酸分泌抑制効果は不十分で、口渇などの副作用があるため、いわゆる鎮痙薬として腹痛に対して用い、潰瘍治療薬として用いられることはほとんどない。

アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合するのを阻害し、副交感神経を抑制する。

抗コリン薬は様々な病気に使われます。

ブスコパンやチアトンは、主に鎮痙剤として腹痛の症状を抑えるために処方されます。

チアトンは抗コリン薬の中でも、選択的ムスカリン受容体拮抗薬に分類され、胃に対する選択性が高いです。

・鎮痙薬には三級アミン合成抗コリン薬と四級アンモニウム塩合成抗コリン薬があるが、前者は平滑筋の鎮痙作用が強い。後者は平滑筋の鎮痙作用は前者に比し弱いが、強い分泌抑制作用をもっている。

・当初抗コリン薬は、胃酸分泌抑制薬としても使用されたが、近年、他のより効果的な胃酸分泌抑制薬の登場により、主に鎮痙薬として使用されている。

・アセチルコリンのムスカリン作用を抑制する。

・抗コリン薬は緑内障、麻痺製イレウス、重篤な心疾患、尿閉には禁忌である。

平滑筋収縮を持続的に抑制する薬剤を総称して鎮痙薬といい、鎮痙薬は抗コリン薬とほぼ同義である。

アセチルコリンは神経伝達物質であり、その受容体は、ニコチン性アセチルコリン受容体とムスカリン性アセチルコリン受容体に大別される。

抗コリン薬はこのムスカリン性アセチルコリン受容体を阻害する作用がある。

自律神経は中枢を出て効果器官に達する間に1回だけニューロンを変える。

その接合部が神経節で、その中枢側が節前線維、末梢側が節後線維となる。

抗コリン薬は節後線維と効果器官の間のシナプスでアセチルコリンと拮抗してアセチルコリンの伝達を遮断する。

胃液分泌抑制作用と消化管運動抑制作用を有し、消化管の運動や分泌を抑制することを目的に使用されるが、標的臓器以外の抑制、膀胱平滑筋の弛緩と括約筋の収縮など多彩な作用をもつ。

また当初抗潰瘍薬として広く使用されたが、現在では他の強力な胃酸分泌抑制薬が使用され、主に鎮痙薬として使用されている。

抗コリン薬は、①三級アミン合成抗コリン薬と、②四級アンモニウム塩合成抗コリン薬、③選択的ムスカリン受容体拮抗薬に分類される。

三級アミン合成抗コリン薬は経口吸収が良好で鎮痙作用は強い。

しかし血液・脳関門を通過し中枢神経への作用を示し、臨床上使用しにくい。

四級アンモニウム塩合成抗コリン薬は鎮痙作用はやや弱いが、中枢への作用が弱く、神経節遮断作用が強く胃酸分泌抑制作用がみられる。

選択的ムスカリン受容体拮抗薬であるチキジウム(チアトン)は、副作用としての排尿障害が少ない。

・適応は、①副交感神経の過緊張、消化管運動や分泌亢進のみられる疾患(食道痙攣、胃炎、胃十二指腸潰瘍、腸炎、痙攣性便秘、機能性下痢、胆石症、胆嚢炎、膵炎)、②消化管X線検査、消化管内視鏡検査の前処置薬として使用。

・内服薬と注射薬がある。静脈内投与では3~5分で効果を発現するが、内服薬では、効果発現に20~30分の時間を要し、腸管での吸収も悪いため、速効性は期待できない。通常は急性の腹症に使用することが多いため、効果発現の速い注射薬が使用される。

・副作用発現時には、薬剤の中止、減量が基本であるが、拮抗薬としてコリンエステラーゼ阻害薬(ネオスチグミン)を用いる。

・感染性腸炎では、抗コリン薬の投与は菌の排出を遅延させる可能性があり注意が必要である。

・小児では、使用される鎮痙薬は限られており、プロパンテリンやブチルスコポラミンが使用される。

・相互作用:三級アミン合成抗コリン薬、四級アンモニウム塩合成抗コリン薬は三環系抗うつ薬、フェノチアジン系薬、MAO阻害薬、抗ヒスタミン薬で作用が増強。またジゴキシンの作用を増強させる。

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