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腹痛にNSAIDsは効かない?
公開. 更新. 投稿者:痛み/鎮痛薬.この記事は約2分29秒で読めます.
2,332 ビュー. カテゴリ:腹痛と痛みどめ
腹痛、と言っても色々あるわけで。
生理痛による腹痛、胃腸炎による腹痛、筋肉痛による腹痛。
一般的に腹痛といえば、下痢を伴う胃腸炎による腹痛が多いかな。
そういうタイプの腹痛には、ブスコパンなどの鎮痙薬が使われる。
ロキソニンなどのNSAIDsは使われない。
自分は、なんとなくNSAIDsは胃痛や腹痛などの内臓痛に効かないというわけではなく、NSAIDsによる胃腸障害を隠ぺいしてしまうから使われない、というだけだと思っていました。
内臓痛も侵害受容性疼痛なわけで、プロスタグランジンやブラジキニンなどの発痛物質が関与しているのであれば、NSAIDsが効かないわけはないと。
でも、胃腸が痙攣して痛いのであれば、抗コリン薬のほうが効くんだろうなあ、NSAIDsの効果は薄いんだろうなあ、と漠然と思ってみたり。
生理痛による腹痛にはNSAIDsが効きます。
月経困難症の痛みの原因は月経時に子宮内膜で合成されるプロスタグランジン過多による子宮筋の過収縮といわれている。
腹痛
腹痛とは、腹部に感じる痛みとして自覚される症状である。
腹痛は主に「内臓性腹痛」、「体性痛」、「関連痛」、「心因性腹痛」などに分けられる。
腹痛を発生させる要因も様々なものがあり、体内で発生した何らかの異常を知らせる情報がまず痛みとして自覚される。
またこれらの痛みは、異常に対する一種の防御反応とも言えるものである。
腹痛の原因は?
心窩部・・・胃、十二指腸
右上腹部・・・肝臓、胆道
左上腹部・・・膵臓
へそ部・・・腸
右側腹部・・・腎臓
左側腹部・・・腎臓
右下腹部・・・大腸、卵巣、尿管、盲腸
左下腹部・・・大腸、卵巣、尿管
下腹部・・・膀胱、子宮、前立腺
怖い腹痛ビッグ5というと、まずは腹部大動脈瘤の破裂です。
これは血圧が下がって死にそうになります。
次に腹膜炎で、これはジャンプできないような人です。
3つ目はイレウス(腸閉塞)で、お腹の痛みが波のようで、上からはどんどん吐いて、下からは便もおならも一切出ません。
腸閉塞は問診で診断がつきます。
「お腹の手術をしたことありますか」と聞いて、10年前でも5年前でも手術をしたことがあると言ったら「それは腸閉塞だよ。薬を飲んで散らしてはだめだよ」と話します。
手術の既往がないと、診断がちょっと難しいことがありますが。
残りの2つは急性壊死性出血性膵炎と、それから化膿性胆管炎です。
いま挙げた5つはかなり痛いので「医者に行った方がいいよ」と言えると思います。
しかし、実は一番難しいのは虫垂炎と子宮外妊娠で、この2つはERの医者が最も頭を悩ませています。
虫垂炎は最初は「胃が痛い」と言ってきて、それから右下腹部をいくら押しても全然痛くありません。
とにかく胃が痛い。
若い人で胃が痛くて、胃潰瘍の既往もなければ、実は虫垂炎の可能性があるのです。
救急室で、胃が痛いという人、診断が不明瞭な人は、だいたい10時間もすれば多くの虫垂炎は診断できるといわれています。
ということは、胃が痛いと言ってきた人に「半日〜1日の間に右下腹部が痛くなったら盲腸(虫垂炎)かもしれないから、ちゃんと医者に行ってね」と、その一言が言えるかどうかです。
これが土曜日の夕方に来たお客さんだったら、日曜日に破れてしまうので「月曜日に行ってね」というのは間違いです。
破れるまで発症から平均17時間というスタディーもあります。
参考書籍:調剤と情報2009.11
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