更新日:2017年1月21日.全記事数:3,136件.

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免疫抑制剤は一生続ける?


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臓器移植と免疫抑制剤

臓器移植の際の拒絶反応には、サイトカインのインターロイキン2が関与しています。
そして、この産生にはカルシニューリンと呼ばれる脱リン酸化酵素が関与します。
免疫抑制薬は、カルシニューリンを活性化させないための薬です。

細胞内にあるイムノフィリンと総称される受容体に免疫抑制薬が結合すると、カルシニューリンが不活性型のまま維持されて、臓器移植などによる拒絶反応が起こらなくなるのです。

移植時などの拒絶反応では、抗原によりサイトカインであるインターロイキン2の分泌が刺激されることが重要なステップです。
インターロイキン2の分泌は、NFAT(NuclearFactorofActivatedT-cellsの略)と呼ばれる転写因子の脱リン酸化が重要なステップです。
この反応は「カルシニューリン」と呼ばれるカルシウム依存性タンパク質の活性が制御しています。

活性化は細胞内のカルシウムイオン濃度に依存して起こるものですが、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇は、抗原提示細胞がT細胞上のT
細胞受容体に結合することによるので、これがメカニズムを動かす引き金ということになります。
この機序は、免疫抑制薬がみつかったことで初めて解明されたものです。

現在用いられている免疫抑制薬は、拒絶反応に関連して活性化されるカルシニューリンを不活性型のまま維持する作用をもっています。
このことで、インターロイキン2が発現せずに拒絶反応が起こらないようにできるのです。

カルシニューリンを不活性型のままにするためには、NFATとの結合を阻害することが一つのターゲットです。
細胞内にあるイムノフィリンは免疫抑制薬に対する受容体の役割をして、そのリガンドがあるときのみカルシニューリンと結合・活性化を阻害します。
イムノフィリンには、免疫抑制薬のタクロリムスに対するFK結合蛋白質(タクロリムスは「FK506」とも呼ばれることに由来します)やシクロスポリンに対するシクロスフィリンがあります。
このように免疫抑制薬の作用機序が明らかにされたこともあり、その使途が拡大してきました。
いまでは、タクロリムスは臓器移植に限らずアトピー性皮膚炎や関節リウマチのような免疫関連疾患でも用いられています。

ところで、シクロスポリンの副作用には腎障害が知られています。
この副作用は単独でも生じうるものなのですが、解熱鎮痛薬のNSAIDsとの併用で発現頻度が上がったり重症化したりします。
NSAIDsは抗炎症作用ももつことから、併用のケースでは、腎障害が生じないように事前に腎機能検査を行うなどの配慮も必要になってきます。

参考書籍:薬効力 ―72の分子標的と薬の作用―

免疫抑制薬

低分子免疫抑制薬においていくつかの適応証拡大の試みが進んでいる。

生物学的製剤ではT細胞を標的としたアバダセプトが関節リウマチを適応症として承認され、他疾患への適応も試みられている。

免疫抑制薬は臓器移植における拒絶反応という適応に関しては一次治療薬となるが、免疫疾患に対しては、副作用の問題などから二次的治療薬の位置づけである。

しかし、最近ではステロイドで効果不十分な膠原病諸疾患などには、積極的に使用されるようになった。

カルシニューリン阻害薬

シクロスポリンとタクロリムス。

両剤は、その効果や副作用、及び相互作用等はほとんど共通しているが、副作用ではタクロリムスは耐糖能異常や消化器症状が起きやすく、シクロスポリンでは多毛や歯肉肥厚が特徴的である。

ステロイド薬

近年は、免疫抑制薬の発展により、免疫抑制薬の中で最も副作用が問題となるステロイドの離脱が行われている。

2週間、2~3か月、あるいは半年~1年など、その離脱時期は施設により様々であるが、ステロイドを再開しなければならない患者も多いのが現状である。

代謝拮抗薬

セルセプト:プリン代謝拮抗作用以外に接着因子発現の抑制作用などもある。
消化器症状(主に下痢や腹痛)の発生やCMV感染症は、他の代謝拮抗薬と比べ高い。

ブレディニン:副作用が少ない分、効果も弱いとされていたが高用量(6~10mg/kg/日)での拒絶反応抑制効果が再び注目されている。
高尿酸血症を起こしやすい。

イムラン:アロプリノール(ザイロリック)により代謝(分解)が抑制され、骨髄抑制の危険性が高いので併用は避ける。
添付文書の1/3~1/4の用量でも危険であるので、もし併用された場合は必ず疑義照会を行う。

mTOR阻害薬

サーティカン:シクロスポリンはエベロリムスのバイオアベイラビリティを増加させるため、シクロスポリンの血中濃度が大幅に低下すると、エベロリムスの血中濃度が低下するため、シクロスポリンの用量変更時はエベロリムスの用量変更が必要になる。

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