2018年4月5日木曜更新.3,287記事.5,101,555文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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サランラップで褥瘡が治る?

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ラップ療法

創傷を保護するために巻いたり覆ったりするものを総じてドレッシング材と呼びますが、1980年代頃からは、湿潤療法を実践するための、さまざまなドレッシング材が製品化され、医療の現場で使用されるようになっています。

また現在は、それらを応用した絆創膏型などの一般向け製品も発売され、日常的なケガにおいても簡便に湿潤療法に基づいた治療ができるようになっています。
ただ、そうした製品は一般的にそれまでのガーゼや絆創膏などに比較して高価です。

このため、より身近で安価な物品で代用して湿潤療法を行うべく考えられたのが、食品用ラップなどの非医療用材料を被覆材として使用する、いわゆる「ラップ療法」です。

ラップ療法が誕生した背景には、保険適用を含めた経済的な問題があったといいます。

医療用ドレッシング材の保険適用には制限があるため、在宅や高齢者施設などでは高価なドレッシング材を思うように使用できない状況があったのです。

この問題を解決すべく考案され、普及していったラップ療法ですが、その後、褥瘡の治療において医療用ドレッシング材と遜色のない治療効果を示すことも報告されています。

深い褥瘡にドレッシング材を使っちゃダメ?

「外用薬は効かないから、簡単なドレッシング材で処置をしよう」と考えられがちですが、ドレッシング材は深い褥瘡に対しては効果を期待できません。

なぜなら、ドレッシング材はあくまでも湿潤環境を保持するという機能しかないからです。

肉芽は創の修復に不可欠な組織ですが、湿潤環境を保持することで二次的に肉芽形成促進の効果を得ることはできません。

ドレッシング材による褥瘡ケアではなく、外用薬による褥瘡治療が行われるべきなのです。

傷口にガーゼを当ててはダメ?

傷口に乾いたガーゼや包帯を直接巻くと、傷口が乾燥して治癒が遅れてしまいます。
そのため創傷面の湿潤環境を保つために創面を密閉するドレッシング材が開発されました。
これにより傷面を保護し、苦痛を与えずに傷を早く治すことができます。

ドレッシング材には、ハイドロコロイドやポリウレタンフィルム、ハイドロジェルなどがあります。
ハイドロコロイドとポリウレタンフィルムはモイストヒーリング(湿潤療法)に用いられます。
例えば、ハイドロコロイドは、傷口の滲出液を吸ってゲル状になり、創傷面の湿潤環境を維持し、治癒を促進します。

キズパワーパッド」はこのハイドロコロイドドレッシングを応用した製品です。
医療用のハイドロコロイドドレッシングとしては「デュオアクティブ」という商品があります。
市販のキズパワーパッドをデュオアクティブの代用として使用することも可能です。

傷に直接防水フィルム?

傷口は乾燥させずに治すという浸潤療法はかなり普及してきました。
バンドエイドキズパワーパッドといった商品も売れてます。

患者さんで、医療機関からもらった褥瘡に使うドレッシング材が売っていないか、薬局に求めてくることがあります。
しかし、褥瘡に使うドレッシング材みたいなものは市販ではあまり取り扱っていない。

外観では防水フィルムも似たような感じなので、購入する人もいる。
市販のキズパワーパッドや防水フィルムでは医療用のドレッシング材の代用にはならないのか。

軽度のものであれば使用できなくはないが、専門医でなければ逆に状態を悪化させる可能性もあるので、どのような商品が適しているのかは薬局で判断するのは難しい。はがすときに傷口を開いたり、水疱を破ってしまうこともある。
「傷口に使用しないでください」となっている防水フィルムは、粘着剤の安全性に不安があるかも知れない。
皮膚科医の判断を仰いでもらうのが最善と思われる。

やけどにラップ療法は危険?

やけどを食品用ラップなどで覆って治す「ラップ療法」で、傷口が腐って足を切断したり、重い感染症を起こしたりする例が相次いでいることが、日本熱傷学会の調査でわかった。やけどの治療に不慣れな医師が用いて悪化させている例もある。

ラップ療法は、傷口からの体液で湿らせて、傷を早く治す「湿潤療法」の一つ。
この療法で使う医療用シートが認可されている。
傷口の細菌感染による化膿には注意が必要だが、1990年代後半から、床ずれの治療に食品用ラップなどが使われ始めた。
その後、やけどや傷にも効くと、ネットなどで広まった。

生兵法は大怪我のもとです。

感染症を起こしている傷には基本的に使わない。
傷口やまわりの皮膚がふやけたり、乾いたりし過ぎないよう、適度な湿り気を保つ医療用シートが望ましい。
傷の痛み、膿が出たり、赤くなったりするなどの兆候があれば、他の治療法を考える。
などの注意が必要。

参考書籍:調剤と情報2013.1、クレデンシャル2013.4


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