更新日:2016年9月3日.全記事数:3,124件.

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がん患者の死因は高カルシウム血症?


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悪性腫瘍と高カルシウム血症

がん患者は高カルシウム血症になることが多いそうです。
高カルシウム血症は終末期の15%に合併し、口渇・便秘・せん妄など、オピオイドの副作用に似た症状を呈する。

悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症は機序の面から二つに分類される。
1.humoral hypercalcemia of malignancy(HHM)と呼ばれ、悪性腫瘍が産生する液性因子によって発症する。このHHM惹起因子は1980年代に、副甲状腺ホルモンと同様に骨吸収を促進し、また、腎臓でのカルシウムの再吸収を促進することによって高カルシウム血症をきたす副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)であることが証明された。
PTHrPによるHHMは悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症の8割以上を占めているといわれている。
2.もうひとつは、骨局所での骨吸収の亢進に基づく高カルシウム血症で、local Osteolytic Hypercalcemia(LOH)と呼ばれ、多発性骨髄腫や乳がんの骨転移で見られるもので、骨に浸潤した腫瘍細胞が局所因子を産生して骨吸収を亢進させることにより起こる。IL-1,IL-6,TGF-β,TNF-βなどが関与する。

高Ca血症の臨床症状は,食欲不振,嘔気,口渇,多尿,便秘など。
麻薬の副作用もそうだけど、抗癌剤の副作用、がん患者ではなくてもよくみられる症状。

症状から高カルシウム血症というのはピンとこない。
血液検査でモニタリングしたい。

カルシウム不足で血中カルシウム上昇?

 カルシウム摂取が不足すると血管等の軟部組織にカルシウムが逆に増え、動脈硬化、糖尿病、高血圧など様々な疾病が起こる現象をカルシウム・パラドックスと呼ぶもの。カルシウム摂取不足により血中カルシウム濃度が低下すると、副甲状腺ホルモンの働きにより骨からカルシウムが溶出し血液中に流入する。このカルシウムが血管へ沈着(動脈石灰化)し動脈硬化を引き起こすと考えられる。骨粗鬆症患者では動脈石灰化症による冠状動脈疾患・心臓病が多くみられることはよく知られており、calcification paradox(石灰化パラドックス)とも呼ばれる。カルシウム・パラドックス – Wikipedia

うちは整形外科の患者さんが多く、「肩が石灰化している」と言われた患者さんが多い。

この石灰は、リン酸カルシウムのことです。

カルシウムをあまり摂らないほうが良いのでは、と勘違いされる患者さんもいます。

むしろカルシウム不足が石灰化を引き起こした可能性があるわけで。

それがカルシウム・パラドックス。

カルシウムは積極的に摂取しましょう。

カルシウムの副作用

カルシウム補給剤は副作用の割に効果に乏しいため、カルシウム摂取不足の著しい症例以外なるべく用いない。

ビタミンDとの併用により全骨折が減少するが、多量の投与が必要で効果はわずかである。
安全と思われがちであるが、実際には高Ca血症、腎結石、重篤な腎不全は禁忌であり、副作用には高Ca尿症、高Ca血症、腎機能低下、腎結石、便秘、悪心などがある。
投与中は血中および尿中Caと腎機能をモニターする。
心筋梗塞や前立腺癌の発症増加が報告されており、心血管系疾患や前立腺癌のリスクが高い症例でも要注意である。

参考書籍:ファーマトリビューン2011.1

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