更新日:2016年12月21日.全記事数:3,169件.

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鉄剤は空腹時に飲んだ方がいい?


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鉄と胃酸

鉄は胃酸によって、3価鉄が2価鉄になって、腸管から吸収される。

同じ鉄分でも、鉄は水溶液中では二価の鉄イオン(Fe2+)と三価の鉄イオン(Fe3+)とがあります。

鉄分を食品から摂取する場合、動物性の食品に多く(60%ほど)含まれるヘム鉄(鉄単体ではなく、二価の鉄原子とタンパク質からなる分子)、植物性の食品に含まれる非ヘム鉄(ヘム鉄以外)とが有ります。動物性の鉄分はヘム鉄と言う形でそのまま吸収できます。非ヘム鉄は三価鉄でそのままでは吸収できず、ビタミンCや消化酵素によって二価鉄に還元されて吸収されます。愛知県栄養士会 おすすめコンテンツ ちょっと気になる食の情報

胃の中に食事が入っている状態よりも、胃の中が空っぽなほうが胃酸の影響を受けやすいので、鉄剤は空腹時に飲んだ方がいいとも言われる。

鉄剤の中でフェロミアはクエン酸第一鉄(2価鉄)で胃酸の影響を受けにくいので、食後服用となっている。
フェルム(フマル酸第一鉄)も2価鉄。

インクレミン(溶性ピロリン酸第二鉄)は3価鉄。
Fe2+(2価鉄)の状態じゃなければ吸収されないので、Fe3+(3価鉄)は胃酸で還元される必要性がある。

フェルムは1日1回。
フェログラデュメットは、「1~2回に分けて,空腹時に,または副作用が強い場合には食事直後に,経口投与する.」となっている。

フェルムもフェロ・グラデュメットも徐放錠なので影響は少ないのではないかと。
鉄欠乏性貧血の患者は鉄吸収が亢進状態にあるので、食後でも問題ないという話も。

フェルムの添付文書には、併用注意のところに、

制酸剤 同時に服用することを避ける。 制酸剤が消化管のpHを上昇させ,また,不溶性の塩を形成することにより本剤の吸収を阻害する。

と書いてある。
フェログラデュメットにも制酸剤との併用注意が書かれている

フェロミア以外の鉄剤とPPIとかH2ブロッカーが併用されていた場合、間隔を空けて使うように指導しますが、そんな必要もないのかな。

経口鉄剤

鉄欠乏性貧血の治療には原則として経口鉄剤を用いる。
鉄剤投与後1週間程度で網赤血球の増加がみられ、2か月以内に貧血の改善がみられる。

貯蔵鉄を補充するためにはヘモグロビン(Hb)、血清鉄、血清フェリチンなどの検査データが正常化しても(フェリチン≧12ng/mL)、3~6ヶ月は投与を継続した方が良い。
鉄の投与量は、1日100~200mgが適当である。
胃腸症状がある場合は1日50mgでもよい。

テトラサイクリン系薬、制酸剤は鉄吸収を抑制するのでなるべく避けるが、胃腸症状がある場合は制酸剤を併用してもよい。
ビタミンCは鉄吸収を促進し副作用を減らす場合もあるので、併用薬剤としてはよい。
緑茶や紅茶などを禁止する必要はない。

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