更新日:2017年1月5日.全記事数:3,190件.

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テオフィリン服用中に熱が出たらどうする?


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テオフィリンと発熱

発熱時は、テオフィリン血中濃度の上昇や痙攣などの症状が出やすい。

発熱は痙攣のリスクファクターであり、小児、特に乳幼児は成人に比べて痙攣を惹起しやすく、またテオフィリンクリアランスが変動しやすい。

服用中に発熱した場合の対処

1.てんかん及び痙攣既往歴のある小児の場合
→発熱時には服用を中止し、解熱してから服用を開始する。
2.乳幼児(5歳以下)の場合
→発熱時は減量(1回にのむ量を減らす)を指導する。2歳未満の場合には中止を考慮する。また、注意深く観察するように指導し、副作用があらわれた時、いつもと違うなと感じた時には、服用を中止するように指示する。

発熱時テオフィリンはどのくらい減量するか

テオフィリンは肝臓で代謝されますが、そのクリアランスは年齢差、個人差が大きいため、血中濃度を適正な治療濃度域に保つためには、年齢や体重を考慮して投与量を設定する必要があります。

さらに、テオフィリンのクリアランスは発熱、急性ウイルス感染(インフルエンザなど)、併用薬によっても変化します。

テオフィリンは高熱時には、血中濃度が上昇する可能性があります。
このため発熱した際には、血中濃度上昇に伴う副作用発現に注意する必要があります。
発熱時にはテオフィリンのクリアランスが約60%低下したというデータもあり、そのまま使い続けると血中濃度上昇に伴って痙攣が誘発される恐れがあります。

痙攣などの重篤な副作用を防ぐためには、テオフィリンを一時中止したり、減量したりすることも必要になりますから、発熱時の対応をあらかじめ主治医に確認しておきます。

テオフィリン血中濃度測定を実施することが望ましいですが、直ちに測定できない場合には、投与量を1/2に減量することが適当です。
JPGL2008では、投与量をどのくらい減らせばいいか明確には示されていませんが、アメリカ小児科学会の指針を参考に半分に減量されることが多いようです。

また、発熱によるクリアランスの低下は解熱後3日程度で回復することが報告されています。
このため発熱時に投与量を変更した場合には、解熱後は投与量をもとに戻すことも必要です。発熱時に中止したり、投与量を減らした場合には、解熱を確認してから元に戻しましょう。

テオフィリンと痙攣

テオフィリンを服用中に起こる痙攣は、血中濃度が高くなるほど発現頻度が高くなる。

しかし、血中濃度が中毒域に達して生じる痙攣の他にも、血中濃度が治療域にありながら生じる痙攣も報告されている。

中毒域で起こる痙攣では、悪心、嘔吐などの症状が見られるが、血中濃度が治療域内でおこる痙攣では、多くの場合、初期症状がみられない。

こうしたことから、テオフィリンによる痙攣誘発は血中濃度以外にも多くの危険因子が関与していることが示唆される。

痙攣の誘発について正確な機序は不明であるが、アデノシン受容体の遮断作用に由来すると考えられている。

テオフィリン服用中による痙攣の危険因子

幼児、小児はGABAによる抑制系が発達していないため痙攣を起こしやすい。

また、抗H1受容体拮抗薬の催痙攣作用は、脳内ヒスタミン神経系がヒスタミンH1受容体を介して痙攣の抑制系として働いているが、抗H1受容体拮抗薬の抗ヒスタミン作用により抑制系のヒスタミン作用が阻害されて、痙攣を誘発させると考えられている。

特にケトチフェンフマル酸製剤(ザジテンなど)は脳内へ移行しやすく、2011年4月に添付文書が改訂されて、てんかん又は、その既往のある患者で禁忌になった。

また、エノキサシン(フルマーク)、ノルフロキサシン(バクシダール)、シプロフロキサシン(シプロキサン)のような遊離のピペラジニル基を有するニューキノロン系抗菌薬はGABA受容体を介する神経抑制作用が強く、痙攣が誘発されやすいためこれらの製剤の併用には注意が必要である。

テオフィリンの治療域

従来テオフィリンの治療域は10~20μg/mLとされてきたが、現在は5~20μg/mLが一般的である。

小児喘息に対する用量は、日本小児アレルギー学会の2005年ガイドラインで「2~15歳は4~5mg/kg」とされるなど、低用量化が進んでいる。

参考書籍:日本薬剤師会雑誌2012.1

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