2018年9月18日更新.3,327記事.5,528,363文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ステロイドを目の周りに塗っちゃダメ?

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ステロイドと眼疾患

ステロイドの全身投与やステロイド点眼剤による白内障や緑内障の誘発はよく知られている。

白内障は局所投与よりも全身投与によって、逆に緑内障は全身投与よりも局所投与によって高頻度に誘発される。

アトピー性皮膚炎では白内障がしばしば合併し、ステロイド外用薬の副作用であると容易に診断されることがある。

しかしアトピー性皮膚炎のおよそ10%に若年性の白内障が併発することが明らかにされたのは1936年のことであり、ステロイド外用剤がはじめて臨床応用されたのはその14年後の1952年であることを考慮しても、アトピー白内障は確固とした独立疾患として対処せねばならない。

一方、眼瞼へステロイドを外用している場合には緑内障の発生には十分に留意する必要がある。

ステロイド外用薬で白内障?

ステロイドを目の周りに塗るのはいけない、とよく言われます。
薬情にも目の中に塗ってはいけませんとか、目の周りの使用に対する注意書きが書かれています。

しかし、顔や目の周りに湿疹ができることもあり、使わざるを得ないケースもあります。
医師が目の周りに使っていい、ということであれば、薬剤師もそれに従いますが、「基本的には目の周りは避けて」という指導になるでしょう。

ステロイド白内障の原因はステロイドではなく、かゆみで目の周りをこすったり、叩いたりすること、でアトピー性白内障とも言われています。
だとしたら、ステロイドでかゆみを抑えたほうが良いという風にも言えます。

小児にステロイドの目薬が結膜炎で処方されることもあるので、闇雲にステロイドだから、と避ける必要は無いかと思いますが、ステロイド忌避の患者さんには要注意です。

経口、吸入ステロイドと白内障

副腎皮質ステロイドは、水晶体のたんぱく質を変性させ、白内障を来す。
水晶体の混濁は不可逆的で、進行すると視力が低下する。
局所投与や吸入でも起こる。
目安として、プレドニゾロンの換算量で10~15mg/日(成人)、1~3mg/kg(小児)、投与6か月後に発生頻度が増加するとされている。

吸入ステロイド薬では、成人でベクロメタゾンの総使用量が2gを超えると有意に白内障の発症が増加するという報告もある。
小児では、白内障の発症は少ないが、過去にステロイドの経口薬を服用している場合は注意が必要であるとされている。
また、眼軟膏などの局所投与との併用では、もっと早期に発症することもある。

白内障の原因はステロイドではない?

ステロイド外用剤が誕生した1950年代以前からアトピー性皮膚炎の患者の10%前後に白内障が合併することが知られていましたが、ステロイド外用剤発売以後もその割合は変わっていません。

また網膜剥離についても、アトピー性皮膚炎の患者さんを対象とした研究結果からステロイド外用剤が原因ではないと考えられています。

現在では、アトピー性皮膚炎の患者さんで白内障や網膜剥離が生じる原因は、かゆみを紛らわすために目の周囲をこすったりたたいたりすることによると考えられています。

ステロイドで緑内障?

ステロイドの服用により眼圧上昇の副作用がある。
塗り薬も同様に、吸収されれば眼圧上昇、緑内障のリスクがある。

Q: 副腎皮質ステロイド軟膏を目の周りに塗って,緑内障にならないか?

A: 副腎皮質ステロイドの眼瞼への塗布により眼圧上昇,緑内障が起こることがある。眼圧上昇作用は用量依存性で,投与量や投与期間に相関する。抗炎症作用が強いベタメタゾンやデキサメタゾン,プレドニゾロンで起こりやすく,トリアムシノロンやフルオロメトロンでは起こりにくい。投与中止により眼圧は正常化するが,眼圧上昇が持続すると不可逆性の視細胞や視神経の変化が起こる。自覚症状に乏しく眼圧上昇があっても異常を訴えないことが多いので,眼瞼を避けるように塗布し,定期的な眼圧管理を行う。
質疑応答 2009年12月

白内障だけでなく、緑内障にも注意が必要だ。

塗り薬を使ったら手を洗う?

ステロイドによる目の副作用については、ステロイド点眼液や眼軟膏、あるいは目の周りにステロイド外用薬を塗るような場合だけでなく、使用部位に関わらず注意する必要がある。
それは、塗り薬を使うときにほとんどの患者は「手で塗る」からである。

「塗り薬を使った後は手を洗ってください。」
例えば子供にステロイドの塗り薬を使った後、そのままの手で生活して、目がかゆいからと目を掻いたとすると、眼疾患の副作用が危惧される。
なんてことは実際にはあまり考えられないのかも知れませんが、念のため手は洗った方が良い。

手に塗ってる人はどうすればいいかと聞かれたら、「顔には極力触れないようにしてください」と言うしかないかな。

デルモベートスカルプローションは直接頭に付ける?

デルモベートスカルプローションの使い方について。

デルモベートスカルプローションに添付してある説明書を見ると、頭皮に容器を直接当てて使っています。

この使い方を実践すると、押し具合によっては頭から垂れてきます。
で、垂れてきた液が眼の中に入ります。
そして、緑内障になります。
という最悪の結果にならないように、投薬時に使用法の説明について、「説明書を読んでください」というおざなりの説明で済まさないようにしたほうがよろしい。

デルモベートスカルプローションを実際に出してみたことが無いのでわかりませんが、性状については「無色澄明の粘稠な液」と書いてあるので、ある程度粘り気があって液だれしないようになっているのかも知れません。

液だれが心配であれば、とりあえず1滴指に垂らして、頭皮に刷り込むという方法のほうが良さそう。

直接容器からつけることが出来るというのは、指を汚さないというメリットもあるので、直接使う場合には、液だれしないように注意しながら、軽く力を入れて押し出すように注意が必要。

普通のヘアースタイルの人であれば液だれを髪でブロックできるかも知れませんが、デルモベートスカルプローションを使っている人だと、液だれしやすい毛の量である可能性も高い。
投薬時に患部を直視するのもはばかれるかも知れないが、きちんと説明しよ。

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