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やけどにステロイドはダメ?
公開. 更新. 投稿者:アトピー性皮膚炎/ステロイド外用薬.この記事は約7分35秒で読めます.
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やけどにステロイドはNG?
軽いやけどにリンデロンVG軟膏はよく見る処方です。
個人的にあまり好きではありませんが。
深いやけどにステロイドを使ってはいけないと言われる。
リンデロンVGや他のステロイド外用剤の添付文書には、禁忌の項目に、
潰瘍(ベーチェット病は除く),第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され,治癒が遅延するおそれがある。]
という記載がある。
第2度熱傷ってどのくらいだ?と思いグーグルで画像検索するとグロいのでお気を付けください。
これは病院行かなきゃダメだな、ってレベルです。
ステロイドで皮膚の再生が抑制される。
そもそも炎症という反応が、生体防御反応で、血行を促進し皮膚の再生を促しているわけです。
その炎症を抑えるということは、皮膚の再生が抑制される、皮膚が薄くなるなどの副作用を起こすことを意味します。
アトピーの患者などでは、皮膚の薄い顔などに強いステロイドを使い続けると、血管が浮き出たようになってきます。
また、ステロイドによる免疫抑制作用で、傷口から感染しやすくなるということも、深いやけどにステロイドを使うべきではないという理由に挙げられます。
第1度熱傷にはステロイドも使われるので、痛みを訴える患者には、医師が処方することもあります。
しかし、塗り薬を使えば治る、と思ってせっせこステロイド外用薬を塗り続けるのは止めましょう。
治すための処方ではなく、症状を抑えるための処方ですから。
軽いやけどにはリンデロンVG軟膏?
抗生物質含有ステロイド外用剤は、ステロイド単独外用剤にくらべ、中等症以上の湿潤性湿疹・皮膚炎群に対して、その初期の効果においてのみ有意差があったとされていますが、軽症例や長期の外用効果については有意差がないといわれています。一方、当初から抗生物質含有の有無によっても差は無かったという報告もあります。
抗生物質に対する菌の耐性化、さらには経皮感作性の問題などを考えれば、今日、抗生物質含有ステロイド外用剤を第一選択とするべき皮膚病変はないと思われます。
抗生物質に対する菌の耐性化
皮膚に抗菌薬を外用した場合、比較的容易に耐性菌を誘導ないし選択することが知られており、頻用されることにより耐性菌は必ず増加します。
欧米ではフシジン酸ナトリウム含有製剤の使用頻度が高く、近年その耐性菌の増加が問題となっています。
耐性菌を最も生じやすいのはアミノグリコシド系薬で、高度の耐性菌が突然発生しますが、硫酸ポリミキシンBでは、耐性化は少ないとされています。
ポピドンヨードなどの消毒薬は、抗菌薬のような微生物に対する選択毒性がなく、耐性の問題はないとされていましたが、近年耐性菌の問題が指摘されるようになりました。
経皮感作性の問題
抗菌薬による接触感作が成立し、アレルギー性接触皮膚炎が生じることは少なくなりません。
接触皮膚炎の既往のある患者さんに、同一抗菌薬、あるいは交差感作性のある抗菌薬を経口的、あるいは注射薬として全身投与した場合、湿疹型薬疹を生じることが知られています。
アミノグリコシド系薬は経皮感作能が高く、ストレプトマイシン硫酸塩とカナマイシン硫酸塩がとくに高いとされており、今日では外用薬としてはほとんど使用されていません。
フラジオマイシン硫酸塩の感作性も比較的高いとされています。
抗菌外用薬は、感染防御の観点から皮膚バリア機能が障害された皮膚に使われることが多いことから、その感作性は一層高まることが推定され、特に注意が必要です。
消毒薬による接触皮膚炎もよく知られており、クロルヘキシジングルコン酸塩によるアナフィラキシーショックは有名です。
やけどにオロナイン塗っちゃダメ?
「火傷したんですけど、何か良い薬はありますか?」
と聞かれ、いつも悩む。
買い求めに来た人が火傷をした当人であれば、状態を見て何かしら販売することも可能ですが、代理で来た人だったりすると下手に薬も売れない。
Ⅰ度熱傷なら、オロナインでもつけても良さそうですが、Ⅱ度以上なら医療機関の受診を勧める。Ⅱ度以上とは水ぶくれ以上。
分類 | 深さ | 治癒期間の目安 |
---|---|---|
Ⅰ度熱傷 | 表皮 | 1~2週間 |
浅達性Ⅱ度熱傷(SDB) | 表皮から真皮(浅い) | 1~2週間 |
深達性Ⅱ度熱傷(DDB) | 表皮から真皮(深い) | 1~2ヶ月 |
Ⅲ度熱傷 | 表皮から皮下組織 | 2ヶ月以上 |
医療機関に行くのであれば、下手に何か塗って悪化させるよりも、ただ水で冷やすという応急処置で十分。
オロナインH軟膏の効能効果は、
にきび、吹出物、はたけ、やけど(かるいもの)、ひび、しもやけ、あかぎれ、きず、水虫(じゅくじゅくしていないもの)、たむし、いんきん、しらくも
かるいやけどであれば使っていいよ、となっている。
オロナインの成分は、「クロルヘキシジングルコン酸塩液」消毒薬です。
傷は消毒しない方が良いという、最近のモイストヒーリング的な考え方からすると、邪道ということになる。
しかし、オロナインの成分のメインはこの消毒薬というよりも、添加物の、
●ラウロマクロゴール ●ポリソルベート80 ●硫酸Al/K ●マクロゴール ●グリセリン ●オリブ油 ●ステアリルアルコール ●サラシミツロウ ●ワセリン ●自己乳化型ステアリン酸グリセリル ●香料 ●精製水
油類なんじゃないかと思う。
傷口保護するのに使っても良いんじゃないかと、私は思う。軽いものであれば。
アロエとかワセリンとか紫雲膏なんかも、使っても良い。使わなくても良い。どうでもいい。軽いやけどならほっときゃ治る。
しかし、低温やけどとか、初めは軽いと思っていたものが徐々に悪化してくるケースもあるので、その場合は何も塗らないほうがいい。
やけどに「オロナインH軟膏なんか使っちゃダメだ」というお医者様もいらっしゃいます。
そんなお医者様はやけどにリンデロンVG軟膏を処方したりします。それはそれでどうなんだろう。
オロナインを虫刺されに使っちゃダメ?
昔の人にはいまだに人気の万能皮膚外用薬、オロナイン。
いまいち何に効くのかがわかりませんが、万能薬というイメージ。
添付文書で成分をみると、クロルヘキシジングルコン酸塩液。
殺菌消毒薬ですね。
他に、止血薬のラウロマクロゴール、乳化剤のポリソルベート80、止血剤の硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)が添加されている。
効能効果は、「にきび,吹出物,はたけ,火傷(かるいもの),ひび,しもやけ,あかぎれ,きず,水虫(じゅくじゅくしていないもの),たむし,いんきん,しらくも」となっている。
にきびや水虫をオロナインで治そうとしている患者さんがいたら、他の薬を勧めますけど。
オロナインH軟膏の「次の部位には使用しないでください。」として、
(1)湿疹(ただれ,かぶれ)(2)化粧下(3)虫さされ、とある。
なぜだろう?なんで、オロナインを湿疹や虫刺されに使ってはいけないのだろう?
クロルヘキシジングルコン酸塩を虫刺されや湿疹に使ってはいけないという理由はわからない。
添加物がダメなのか?そんなことはないだろう。
他の商品のクロルヘキシジングルコン酸塩についての説明をみると、
「細菌の感染を防ぎ,しっしんやかぶれの悪化を防ぐ」と説明されているものもある。
やっぱり何に効くのかわからないオロナインH軟膏。
ソフラチュールは時代遅れ?
ソフラチュールという貼り薬があります。成分はアミノグリコシド系抗菌薬のフラジオマイシン硫酸塩です。
最近めっきり処方を見ません。医師の間では評判が悪いようです。
粗いメッシュで抗生剤がしみ込んでおり、キズにくっついてしまい、はがす時の痛みと出血が大変で逆に治癒が遅れるという。
低温やけどは普通のやけどより重症?
不況の影響からか、電気を使わずに暖まることのできる湯たんぽが人気だそうです。
その湯たんぽによる低温やけどが増えています。
低温やけどと聞くと、高温よりも症状は軽いんじゃないの?と思いがちですが、そうではありません。
高温なら触れた瞬間に「アチッ!」となりますが、低温だとなかなか気づかない。
しかも眠っているときに使用するものなので、気づいたときには皮膚がえぐれるほど深いやけどになっていることも稀ではありません。
やけどの応急手当
やけどの応急手当としてはすぐに冷やす(やけどした部位を冷却する)ことが最も大切です。
熱湯や油のやけどでも水道水でかまいませんので衣服の上から冷やすことがとても大切です。
体の部位、年齢により一概には言えませんが15-30分間冷却すると良いと思います。
指先や脚のやけどのような場合は1時間くらい冷却することが症状を軽くします。
冷やすことでやけどの進行を止め、痛みも押さえることができます。
あわてて衣服を脱がせると熱の作用が持続してより深いやけどになったり、水疱が破れて、痛みが強くなったり、治るのに時間がかかってしまいます。
特に幼児の場合は衣服の外のやけどに目をとられて、衣服の下のもっと広いやけどを見逃してしまいがちですので注意が必要です。
また、やけどの部位がはれてきますので指輪などの装身具は早めにとって下さい。
創部を冷やしながら出来るだけ早く皮膚科医の診察を受けることが早くやけどを治して傷跡を最低限にすることにつながります。
自分の判断で油薬などをつけてしまうとその後の治療に差し障りがでてしまうこともあるので、やけどをした部位には医師の診察治療を受けるまで自分の判断で軟膏や油など一切つけないようにして下さい。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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