2015年10月22日木曜更新.3,287記事.5,101,555文字.

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ワクチンを同時接種してもいい?

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ワクチンの同時接種はダメ?

同時接種は、複数の異なるワクチンを同時に接種する医療行為であり、諸外国においては、標準的に行われている医療行為である。
複数のワクチンの同時接種では、それぞれのワクチンに対する有効性について、お互いのワクチンによる干渉はないこと、それぞれのワクチンの有害事象、副反応の頻度が上がることはないこと、同時接種において、接種できるワクチンの本数に原則制限はないことが知られている。
また、その利点として、子供たちがワクチンで予防される疾患から早期に守られること、保護者の経済的、時間的負担が軽減すること、各ワクチンの接種率が向上すること、そして、医療者の時間的負担が軽減することがあげられる。

安全性については、国内のデータに限りはあるが、諸外国のデータを見れば明らかである。
このような背景を受けて、日本小児科学会は、ワクチンの同時接種は、日本の子供たちをVPD(ワクチンで予防できる疾患)から守るために必要な医療行為であるという考え方を発表した。
一方で、日本においては、同時接種は、医師が特に必要と認めた場合に行うことができると予防接種ガイドラインに記載されており、依然そのハードルが高い。
これを象徴する事実の一つが2011年3月にヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン接種後に死亡した7例の報告を受けて、両ワクチンの一時接種の見合わせが行われたことでる。
そして、その際、同時接種の安全性への議論に発展した。
最終的に同時接種と死亡事例との直接の因果関係はないと結論付けられたが、同時接種への不安が高まったのは事実であり、また、添付文書には「単回接種も考慮する」という文言が加わり、そのハードルは、未だ高いままである。

同時接種を行い、万が一、接種後の有害事象、副反応が出た際にどのワクチンによるものかが不明になるというような不安の声もあるが、現在の接種されるべきワクチンを1本ずつ、有害事象、副反応の有無を確認しながら接種すると、保護者、医療者の負担は極めて大きくなる。
また、接種が遅れることにより、それらの疾患に感染する可能性も高くなる。

同時接種は、国際的標準の接種方法であり、国内において、今後より普及されるべき医療行為であると考える。

参考書籍:日本薬剤師会雑誌 平成24年2月

ワクチンの同時接種推奨

 日本小児科学会は19日、一人の子に複数の種類のワクチンを同じ機会に接種する「同時接種」を推奨する見解を発表した。国内では従来、1回1種類が原則だったが、ワクチン接種への公費助成が広がる中、子どもを医療機関に連れて行く親の負担などを減らし接種率を上げるには同時接種の普及が必要と判断した。
 同時接種は、厚生労働省の予防接種実施要領で、医師が特に必要と認めた場合にだけ行えるとされており、慎重な小児科医が少なくなかった。
 同学会は、海外では同時接種が一般的で、有効性や副反応の頻度に基本的に影響ないと科学的にわかっており、国内でも一般的な医療行為として広げる必要があると結論づけた。同時接種では注射の位置を2.5センチ以上空ける。注射液を医師の判断で混ぜてはいけないとしている。
 国内では今年度からインフルエンザ菌b型(ヒブ)や肺炎球菌などのワクチンへの公費助成が始まるなど、原則無料で接種が受けられる種類が増えつつある。乳児期に3回以上接種する種類もあり、個別の接種では子どもを医療機関に連れて行く親の負担が大きい。接種を受け終わるのに時間がかかり、その間に感染する危険性もあると指摘されていた。asahi.com(朝日新聞社):小児ワクチン「同時接種を」 学会「1回1種類」改める – アピタル(医療・健康)

日本で予防接種は単独接種が原則であり、生ワクチン接種後次のワクチンまでは4週間以上の間隔、不活化ワクチン、トキソイド接種後次のワクチンまでは1週間以上の間隔が定められています。
これは生ワクチン同士による干渉作用や、副反応が生じたときの原因追求をより分かりやすくするなどが主な理由です。
しかし、風邪を引きやすい子供の場合や、共働きの世帯など予防接種のスケジュールどおりに接種できないケースも多く、最近では同時接種が推奨されてきています。世界的には同時接種は当たり前です。

新型インフルエンザワクチンと季節性インフルエンザワクチンの同時接種については添付文書上も「医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる」と公に記載になりました。
ただし、他のワクチンとの接種間隔については「通常、生ワクチンの接種後27日以上、不活化ワクチン接種後6日以上の間隔を置いて接種すること」と記載されています。

ワクチンの接種間隔

ワクチンの添付文書で、他のワクチン製剤との接種間隔をみると、
生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。ただし、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる。

と書いてあります。
27日以上、6日以上、という書き方に違和感を感じます。
なぜ4週間以上、1週間以上ではないのか。
1日短いのか。

従来、ワクチンの接種期間は週単位で表現されていました。
つまり、1週間以上=7日以上という意味になるので月曜日に接種した場合、翌週の火曜日でないと接種できないことになります。
しかし、多くの予防接種外来は曜日を決めていることと、1日間隔が短くなることで医学的・免疫学的な問題が発生することはないとの判断から「6日以上、27日以上」と変更され、同じ曜日に接種できるようになりました。

生ワクチンと不活化ワクチン

予防接種に用いられるワクチンは生ワクチンと不活化ワクチンに大別される。

生ワクチンは生きた細菌やウイルスの毒性や発病力を弱めてつくったもので、これを接種することでその病気にかかったときと同じような免疫が獲得できる。

生ワクチンを接種すると体内で細菌やウイルスが増殖するので、接種後しばらくしてから発疹や発熱など、その病気の症状が軽く出てくることはあるが、免疫獲得力は強く、通常1〜2回の接種でよいことが多い。

ただし、次に別のワクチンを接種するときは27日以上の間隔をあける必要がある。

日本で使われている生ワクチンには、ポリオワクチン、BCGワクチン、麻疹・風疹混合ワクチン、水疱瘡ワクチン、おたふくかぜワクチンなどがある。

不活化ワクチンは細菌やウイルスを殺して毒性をなくし、免疫をつくるために必要な成分だけを取り出したもの。

不活化ワクチンは生ワクチンのように細菌やウイルスが体内で増殖しないので、1回接種しただけでは必要な免疫を獲得・維持できない。

そのため、複数回の接種が必要なとなる。

日本でよく使用される不活化ワクチンには、ジフテリア・百日咳・破傷風三種混合ワクチン、日本脳炎ワクチン、インフルエンザHAワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチンなどがある。

参考書籍:クレデンシャル2012.7


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