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ユナシンとビクシリンは同じ?
公開. 更新. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約3分57秒で読めます.
4,008 ビュー. カテゴリ:ユナシンはアンピシリン
ユナシン錠の成分は、トシル酸スルタミシリンです。
このトシル酸スルタミシリンは体内で、スルバクタムとアンピシリンに分解されるプロドラッグです。
スルバクタムはβ-ラクタマーゼ阻害剤なので、βラクタマーゼを産生する耐性菌にも効果を発揮します。
ちなみに、ユナシンには、内服のユナシンと注射のユナシンSがある。
注射のユナシンSはトシル酸スルタミシリンではなく、スルバクタムとアンピシリンの合剤です。
ユナシン錠も合剤だったら、ユナシン配合錠になるのですが。
体内で分解されてアンピシリンになるということは、ビクシリンでの副作用、アレルギー歴のある患者に対しては注意を要するということです。
そもそも同じ系統(ペニシリン系)で副作用歴があれば、その処方には注意を要すべきですが。
ユナシンの特徴
ユナシン(トシル酸スルタミシリン)は、米国ファイザー社で開発されたβ-ラクタマーゼ阻害剤のスルバクタムとアンピシリンをエステル結合させた化合物(mutual prodrug)で、酸に安定で脂溶性が高く、経口投与により効率よく腸管から吸収され、生体内ではアンピシリン及びスルバクタムとして作用する。
いずれも単独投与時より高い血中・尿中組織内濃度を示す。
ユナシン錠は、スルバクタムのβ-ラクタマーゼ阻害作用によりアンピシリン本来の抗菌力を発揮させ、アンピシリン耐性菌による感染症に対しても優れた臨床効果を示す。
1.経口投与により腸管から効率よく吸収される。
酸性条件下において安定で、経口投与によりアンピシリン及びスルバクタムを単独投与した時よりも腸管から効率よく吸収される。
2.吸収後遊離するアンピシリンとスルバクタムは相互に協力作用を発揮する。
・遊離したスルバクタムは、アンピシリン耐性菌の産生するβ-ラクタマーゼを不可逆的に阻害するために、アンピシリン耐性菌に対しても抗菌力を発揮する。
・混合(複数菌)感染においてもアンピシリン以上の感染防御効果が得られる。
3.組織移行性に優れる。
アンピシリン、スルバクタムいずれも良好な組織移行性を示し、ほぼ同様に組織内に、特に感染病巣に分布する。
4.高い尿中濃度が得られる。
アンピシリン、スルバクタムいずれも活性体として尿中に排泄され、両剤の尿中有効濃度は長時間維持される。
トシル酸スルタミシリンは、既存のバカンピシリンやタランピシリンなどのようなアンピシリンの経口吸収性を改善することを目的とした単なるprodrugとは異なり、抗生物質のアンピシリンとβ-ラクタマーゼ阻害剤のスルバクタムがエステル結合したもので、アンピシリンとスルバクタム両者の経口吸収性を改善すると同時に、生体内ではそれぞれの成分が遊離し相互に薬効上協力作用を発揮するという特長をもっている。このようにトシル酸スルタミシリンは1つの分子の中で2つの成分が相互にprodrugとして作用するという意味で、mutual prodrug と呼ぶことができる。
以上のように、トシル酸スルタミシリンは mutual prodrug としての特徴をもち、アンピシリン感受性菌はもとより耐性菌に対しても優れた抗菌力を発揮する経口ペニシリン製剤である。
βラクタマーゼ阻害薬
βラクタム環を持ちそれ自身は効果を示さないものの、βラクタマーゼにより認識されやすい構造を持つ薬物がβラクタマーゼ阻害薬です。
βラクタマーゼ阻害薬を配合することで、βラクタマーゼを産生する菌に対しても効果を期待できるようになったのです。
具体的には、アンピシリンにスルバクタムを配合することで、黄色ブドウ球菌や大腸菌、嫌気性連鎖球菌などえの効果を拡大させました(ユナシン)。また、アモキシシリンにクラブラン酸を配合することで、上気道感染で重要なモラクセラ・カタラーシス、一部のインフルエンザ菌に対する効果を得ました(オーグメンチン)。ほかに、ピペラシリンにタゾバクタムを配合することでエンテロバクターなどへの効果が安定し、バクテロイデス(嫌気性菌)にも効果を示すようになったことで、敗血性ショックのような病態でも経験的治療として使用可能になりました(ゾシン)。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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