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患者が使い残した麻薬はどう処分する?
公開. 更新. 投稿者:がん疼痛/麻薬. タグ:麻薬. 閲覧数:9948回
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目次
麻薬の廃棄方法
期限が切れた麻薬、患者が使い残した麻薬、麻薬を廃棄しなければならないシーンはたびたび訪れる。
第29条 麻薬を廃棄しようとする者は、麻薬の品名及び数量並びに廃棄の方法について都道府県知事に届け出て、当該職員の立会いの下に行わなければならない。ただし、麻薬小売業者又は麻薬診療施設の開設者が、厚生労働省令で定めるところにより、麻薬処方せんにより調剤された麻薬を廃棄する場合は、この限りでない。医療用麻薬廃棄方法 東京都福祉保健局
麻薬の廃棄はめんどくさい。
デッドストックになって期限切れとかなったら、県職員を呼ばなきゃならない。
「麻薬処方せんにより調剤された麻薬を廃棄する場合は、この限りでない。」
となっているので、患者から回収した麻薬については、特に届け出の必要無い。というわけではなく、事後報告、廃棄届が必要です。
デュロテップパッチやフェントステープは、使用済みのものでも薬局で回収する必要があるようです。
使用済みのテープでも成分残ってるからね。
家族が興味本位で使って麻薬中毒になる、なんてこともあるのかな。
調剤済み麻薬の破棄方法(佐久市保健所より)
塩酸モルヒネ末:水とともに下水に放流
塩酸モルヒネ錠:粉砕して水とともに放流
オプソ内服液:水とともに下水に放流
アンペック坐剤:[目安] アンペック坐剤1個+温水量100ml以上+家庭用液体台所洗剤1ml/温水100
[実例] アンペック座剤20mg 5個を50~60℃の温水約500mlに入れ、これに家庭用液体台所洗剤約3mlを加えて、十分かき混ぜると座剤は乳化状態になり、流しに廃棄する。
MSコンチン錠:熱水中に錠剤を入れ30秒間放置した後、棒状のもので錠剤を潰し拡販する。次いで、この中に水を入れて冷却し、錠剤の溶解、崩壊を確認したのち、下水に放流する。
デュロテップMTパッチ:[未使用製剤の廃棄](貼付直後、うまく貼付できずに剥がれた場合やライナーから剥がすのに失敗した場合などを含む) パッチは焼却処理するが、焼却できない場合はゴム手袋を必ず着用し、ライナーを剥がし、粘着面を内側に2つ折りにした後、ハサミなどを用いて細断し、通常の医薬品と同様に廃棄する
[使用済み製剤の廃棄](使用途中で剥離した場合や途中で施用を中止した場合も含む)パッチの粘着面を内側にして貼り合わせた後、通常の医薬品と同様に廃棄する。シュレッダーを用いて廃棄することは厳禁。
オキシコンチン錠:熱水中に錠剤を入れ30秒間放置した後、棒状のもので錠剤を潰し撹拌する。次いで、この中に水を入れて冷却し、錠剤の溶解、崩壊を確認したのち、下水に放流する。
錠剤とか粉薬、液剤などは粉砕したりして、下水に流せばいい。
一番気になったのはデュロテップだけれども、ハサミでジョキジョキと切ればいいのだね。
なぜシュレッダーではダメなのかわからないけど、シュレッダーに絡まりそうな気はする。
調剤済み麻薬の廃棄方法
Q.麻薬を廃棄する場合、都道府県職員の立ち会いが必要ですが、患家から預かった調剤済みの麻薬についてはどうすればよいのでしょうか。
A.適切に廃棄したうえで、都道府県知事あてに廃棄届を提出してください。
麻薬の廃棄については、麻薬及び向精神薬取締法において、「麻薬の品名及び数量並びに廃棄の方法について都道府県知事に届け出て、当該職員の立会いの下に行わなければならない」とされています(第29条)。
ただし、調剤済みの麻薬を廃棄する場合については、必ずしも都道府県職員の立ち会いは必要とされておらず、廃棄した日から30日以内に都道府県知事あてに廃棄届を提出することとされています(第35条)。患家から調剤済みの麻薬を譲り渡された場合には、適切に処理する必要があります。
麻薬の廃棄方法は?
実際にみたことがないのですが、麻薬の廃棄方法の話。
錠剤はミキサーで粉砕して水道に流すらしい。ゴミ箱じゃダメなのね、やっぱり。
麻薬を廃棄するときは「麻薬廃棄届」。
患者から返された麻薬の廃棄は「調剤済麻薬廃棄届」。
麻薬を紛失してしまったら「麻薬事故届」。
Q調剤ミスや期限切れの麻薬は、どのように廃棄すればよいですか。
A古くなったり変質などにより使用しない麻薬、また、調剤ミスにより使用できなくなった麻薬を廃棄する際は、あらかじめ「麻薬廃棄届」を都道府県知事に提出した後に、麻薬取締員などの立ち合いのもとに行ってください。
Q患者が亡くなったために遺族から調剤済みの麻薬を引き取った場合などは、どのように廃棄すればよいですか。
A麻薬処方せんにより調剤された麻薬を、患者が死亡したとの理由により遺族から譲り受けたなどの場合には、①麻薬小売業者(薬局開設者)自ら、②または管理薬剤師が、他の薬剤師または職員の立ち合いのもとに廃棄してください。
廃棄にあたっては、焼却、放流、酸・アルカリによる分解、希釈、他の薬剤との混合など、麻薬の回収が困難で適切な方法により行ってください。
そして、廃棄後30日以内に「調剤済麻薬廃棄届」を都道府県知事に提出するとともに、麻薬帳簿にその旨を記載するか、廃棄用の補助簿を作成・記録する必要があります。
患者からの申し出があれば、そりゃ適切に廃棄せねばなるまい。
しかし、実際は患者宅で燃やせるゴミといっしょに捨てるケースが多いのではないかと思います。
調剤した薬局じゃなくても廃棄できる?
患者が持参した麻薬を廃棄できるのは、調剤した医療機関に限らないという。
実際にその麻薬を処方・調剤した医療機関でなければ不要になった麻薬を受け取ることはできないということはありません。
その際は麻薬帳簿への記載も忘れずに行ってください。
不要となった調剤済麻薬、調剤した薬局以外でも廃棄可能? 日経DI掲載クイズ QUIZ 薬剤師さんなら簡単? ちょいむず?
基本的には、調剤した薬局に持っていくよう促します。面倒なので。
デュロテップパッチをゴミ箱に捨てちゃダメ?
最近MRI検査時にデュロテップパッチを剥がして安易に廃棄することが問題となっています。
デュロテップパッチは途中で剥がしても施用済みとして処置できますが、麻薬管理者がすべて回収し適切に廃棄する必要があるので注意して下さい。
使用済みデュロテップパッチを食べる?
使用済みのデュロテップパッチの中には、最大含量の84.4%が残っていることが報告されています。
海外では、麻薬中毒患者がパッチの中身を食べて死亡する例もあります。
廃棄には十分な注意が必要です。
デュロテップパッチは施設内で施用された場合は麻薬管理者がすべて回収こととされていますが、使用済みのパッチは法の上では麻薬と見なされていないため、回収の記録は不要であり、紛失したことが明らかとなった場合には帳簿の備考欄などに記録を残せばよいとされています。
回収したパッチの廃棄には十分な注意が必要です。
添付文書には「使用済み製剤は粘着面を内側にして張り合わせた後、安全に処分するように指導すること。」と記載されています。
母親が子供のパッチを廃棄する際に意識を喪失した例もあることから、手袋などを利用することが望ましいとされています。
手などに内容物が付いた場合、洗い流す際に石鹸、アルコール、ローションなどを使用しない理由はそれらによりフェンタニルの吸収が促進されるためで、実際に使用したことにより問題が生じたわけではありません。
デュロテップパッチはリザーバー型の経皮吸収製剤であり、72時間にわたって一定速度で放出されるように設計されています。
含量が2.5mgの製剤では放出速度は25μg/hrであり、1日あたりの投与量は0.6mgとなります。
しかし、実際には吸収に個人差が大きく、72時間貼付後のパッチ内の残存量を測定した結果、含量の28~84.4%が残存していることが明らかとなっています。
参考書籍:調剤と情報2013.8、保険調剤Q&A平成22年版
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