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本人に無断で嫌酒薬を飲ませてもいい?
公開. 更新. 投稿者:癌性疼痛/麻薬/薬物依存.この記事は約2分45秒で読めます.
2,637 ビュー. カテゴリ:治療意思
アルコール依存症の患者さんの家族からの相談で、嫌酒薬が医師から処方されることがあります。
患者さん本人に無断で。
本人が嫌酒薬を飲んでいることを知らずに、お酒を飲んでしまったら、急性アルコール中毒になる危険性があります。
しかし、アルコール依存症で困るのは本人より家族です。本人はお酒を飲みたいので、よっぽど意志が強くなければ服薬を続けることは困難です。
抗酒薬を隠して飲ませちゃダメ
抗酒薬にはわが国ではシアナマイドやノックビンが使用されている。
これらはアルデヒド脱水素酵素の阻害剤作用により、飲酒すると高アセトアルデヒド血症となり、その結果、顔面紅潮や動悸などの不快なフラッシング反応を生じるため、飲酒欲求が抑制される薬である。
ノックビンは作用時間が長く、効果は数日間継続するが、シアナマイドでは1日で効果が消失する。
そのため、シアナマイドでは休薬当日から飲酒できるが、ノックビンではしばらく反応が残るため飲酒にブレーキがかかる。
投薬前に患者本人に断酒と治療意欲を確認し、薬の作用を十分に理解させて服用させる。
もし隠して飲ませた場合、知らずに患者が飲酒することによりショック状態となり死亡する場合もあるので、絶対に隠して飲ませたりしてはならない。
また、フラッシング反応が重大な事態を招く可能性のある心疾患、脳卒中の既往者や肝硬変などの重篤な肝障害患者にも投与すべきではない。
抗酒薬の服用時の注意点としては、アルコール含有食品(ドリンク剤、みりん、他)の摂取は控えるように指導する。
反応の程度は個人差が大きいが、アルコール含有食品は飲酒欲求の誘因にもなるため、原則として禁止する。
添付文書上の記載
シアナマイドやノックビンの添付文書には、
本剤による治療に先立ち,本剤服用中に飲酒した場合の反応を説明して,患者及びその家族等の了解を得ること.また,飲酒試験が終了するまでは,入院させることが望ましい.
と書かれている。
「患者及びその家族等の了解」
ってことは、家族の了解だけでもOKってことか?
新しく発売されたレグテクトには、
断酒の意志がある患者にのみ使用すること。
セリンクロには、
飲酒量低減治療の意思のある患者にのみ使用すること。
って書いてあるので、黙って飲ませるってことは基本的に無い、のかな。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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