2019年3月22日更新.3,398記事.5,982,483文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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なぜ前立腺は肥大するのか?

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肥大した前立腺は戻らない?

なぜ、前立腺は肥大するのか。
前立腺の細胞では、中高年になると細胞増殖と細胞死(アポトーシス)のバランスが崩れ、細胞増殖が優位になることで前立腺肥大が起こる。
この細胞増殖と細胞死の不均衡は、ジヒドロテストステロンがアンドロゲン受容体に結合することで促進される。

ジヒドロテストステロンはテストステロンから5’α-リダクターゼの作用で生じ、テストステロンの約10倍の前立腺肥大作用を示す。
したがって、5’α-リダクターゼを抑制してジヒドロテストステロンの生成を阻害することで、前立腺細胞の増殖を抑え、肥大を抑制することが可能と考えられる。

前立腺肥大症を治す薬

デュタステリドは汎用されているα1遮断薬と比較して作用発現に時間がかかるが、肥大した前立腺自体を退縮させ機械的閉塞を緩和する薬剤である。

PSA値を低下させる点は抗アンドロゲン薬と同様であり性欲減退の副作用もあるものの、抗アンドロゲン薬よりテストステロンの阻害に関連した副作用が軽減されている可能性に期待が寄せられている。
前立腺を縮小し、尿道の閉塞をとる方法として、薬物療法では抗アンドロゲン薬に加え、最近では、5α還元酵素阻害薬も使えるようになりました。

5α還元酵素阻害薬は効果発現に6カ月程度必要ですが、前立腺を20~30%縮小させることが期待できます。
抗アンドロゲン薬には性機能障害、肝機能障害、女性化乳房などの副作用が現れることがあり、科学的根拠も乏しいため、今後は、5α還元酵素阻害薬に移行していくと思われます。

テストステロンとデヒドロテストステロン

テストステロンを活性体DHTに変換する酵素が、ステロイド5αレダクターゼ(5αR)です。
これは、細胞内の小胞体膜上に存在する膜タンパク質です。

正常なヒトの血液中のテストステロンとDHTの濃度比は11:1と圧倒的にテストステロンが過剰に存在しますが、前立腺内では5αRが働くことにより、その比は
1:5と逆転します。
DHTは男性ホルモン受容体(AR)に結合して前立腺の増殖などの機能にかかわる遺伝子群の発現を誘導しています。

一方、テストステロンもまったく不活性ということではなく、同じくARに結合して遺伝子の発現を誘導しますが、結合力はDHTと比べて低く、前立腺の増殖促進作用は半減します。
前立腺肥大症および前立腺がんの発症原因としてDHTの過剰産生が認められています。

参考書籍:薬効力 ―72の分子標的と薬の作用―

前立腺の役割は?

前立腺肥大症という病名は有名ですが、前立腺の役割についてはあまり知らない。

前立腺がんなどで前立腺を切除したらどのような影響が出るのか?

前立腺 – Wikipedia

前立腺の役割については、まだ解明されていない部分が多く、主な働きとしては前立腺液の分泌。精嚢から分泌された精嚢液を精巣で作られた精子と混合し精液を作り、射精における収縮や尿の排泄なども担っている。

射精への影響、ED、排尿障害、尿失禁などは考えられる。

女性には無い部分なので、無くても生きられるといえば生きられる。

前立腺は男性のみに存在する生殖器官で、膀胱の出口のところに尿道を取り巻くように存在しています。
成人では約15g(上下径約2〜3cm、左右径約4cm、前後径約2cm)で、ちょうど栗の実ぐらいの大きさで、形も栗の実に似ています。

組織学的には、尿道の周囲に存在する内腺とその外側にある外腺に2分され、内腺の上皮(腺細胞)と間質細胞が肥大・増殖して結節性腫瘤ができた状態が前立腺肥大(BPH)で(LUTSを伴わない良性の肥大は、前立腺腫大「BPE」と呼ばれる)、前立腺がんは主に外腺から発生します。

前立腺の上皮から分泌される前立腺液は乳白色の液体で、クエン酸やさまざまな加水分解酵素、亜鉛などを含み精嚢の分泌物とともに精液をつくっています。
前立腺液は精液の約15〜30%を構成し、栗の花のような特有の匂いをもっています。
前立腺液に含まれる加水分解酵素の1つであるプロテアーゼは、射精後の精液を液化する作用を有し、前立腺特異抗原(PSA)として前立腺がんの腫瘍マーカーに利用されています。

このように、前立腺は精液の生成に重要な役割を果たしている臓器であるとともに排尿にも関与しているともいわれ、その機能についてはまだはっきりとはわかっていないことが多い、謎の臓器なのです。

参考書籍;クレデンシャル2012.8

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MDRP感染患者にAgsを使用 正しい採血指示は?

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薬剤師

多剤耐性緑膿菌(Multiple drug resistant Pseudomonas aeruginosa;MDRP)の感染患者に対してアミノ配糖体系抗菌薬(AGs)を使用したい。有効性確保と副作用防止のため血中濃度モニタリングを行う際の採血指示で正しいのは以下のうちどれか?
A. 投与直前(トラフ値)
B. 投与終了直後(ピーク値)
C. 投与開始1時間後(ピーク値)
D. 投与直前と投与終了直後
E. 投与直前と投与開始1時間後

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