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がん細胞は増殖が速い?
公開. 更新. 投稿者:癌/抗癌剤.この記事は約4分42秒で読めます.
2,642 ビュー. カテゴリ:がん細胞の細胞分裂
がん治療と免疫 がん細胞は一般に正常細胞より増殖が遅い – livedoor Blog(ブログ)
つまり、一個一個の細胞が分裂する速度で見れば、意外と、がん細胞は分裂速度が早くないのですが、増え続けるがゆえに、組織としては、早い速度で増殖する、そう見えるのです。
間違った認識をしていました。
これじゃあ細胞分裂を阻害する抗癌剤だと、効果はあまり見られず、副作用ばかりが目立つ結果になりますね。
白血病とかにはよく効くのだろうけど。
細胞分裂と化学療法
化学療法剤のがん細胞への効果のポイントは、正常細胞に比べ、細胞分裂周期が速い性質を利用した点です。
細胞の分裂周期は、G0(休止)期、G1(DNA合成準備)期、S(DNA合成)期、G2(分裂前静止)期、M(分裂)期に分けられ、G0期以外の増殖期は20時間前後です。
化学療法剤は、細胞周期の特定の時期に作用する「細胞周期特異性」薬剤と、すべての時期に働く、代謝拮抗剤のメトトレキサート、フルオロウラシル、植物アルカロイドのイリノテカン、M期に対する薬剤として、植物アルカロイドのドセタキセル、パクリタキセルなどが固形がんに対して汎用されます。
シクロホスファミドに代表されるアルキル化剤、アントラサイクリン系薬剤、白金製剤は、細胞周期非特異性薬剤に分類され、どの時期においても一定以上の薬物濃度を維持できれば作用が期待されるため濃度依存性の薬剤です。
ドセタキセル、パクリタキセルのタキサン系薬剤は、細胞分裂のときに重要な働きをするチュブリン(微小管)の機能を障害することでがん細胞の分裂を止め、アポトーシス(細胞死)を誘導します。
DNAに障害が起きたときにそれを修復する働きをするのが、トポイソメラーゼという酵素ですが、イリノテカンにはトポイソメラーゼⅠ阻害作用、アントラサイクリン系のドキソルビシンやエピルビシンはトポイソメラーゼⅡ阻害作用を有します。
化学療法剤は、細胞周期の短い細胞を攻撃しますから、正常細胞の中でも、細胞回転の速い白血球や血小板、爪や毛髪細胞、消化管細胞などが比較的攻撃を受けやすいことからも、頻度の高い副作用が理解できます。
がん細胞は死なない?
正常な細胞は分裂を繰り返すたびに、染色体の両端にあるテロメアと呼ばれる遺伝子の繰り返し配列部分が徐々に短くなり、一定より短くなると分裂をしなくなり死にます。
しかしテロメアを修復するテロメラーゼという特殊な酵素を何らかの理由で持つと、がん細胞として何度でも分裂・増殖するようになります。
副作用の無い抗癌剤は無い?
抗癌剤は癌細胞の分裂を抑制する。
癌細胞だけでなく、正常な細胞の分裂も抑制する。
そのため、副作用が出やすい。
というのが従来の抗癌剤。
最近の抗癌剤、「分子標的薬」は、特定の分子に効く抗癌剤なので、正常な細胞へのダメージを抑えることができます。
抗癌剤が効いていないから癌細胞が小さくならない?
抗癌剤治療を受けていても、癌細胞が小さくならない場合があります。
癌細胞が小さくなっていないということは、抗癌剤が効いていないということでしょうか。
抗癌剤が効いているからこそ、癌細胞がそれほど大きくなっていない、と捉えることもできます。
代謝拮抗薬
代謝拮抗薬は、核酸の材料となる物質と科学的構造が似ている物質で、DNAの合成を妨げ、がん細胞の代謝を阻害して増殖を抑制します。
核酸や蛋白合成過程の代謝物と類似構造をもつ化合物で、核酸合成を阻害するなど細胞を傷害する。
代謝拮抗薬には葉酸代謝拮抗薬(メトトレキサート)、プリン代謝拮抗薬(ロイケリン・イムラン・チオイノシン)、ピリミジン代謝拮抗薬(5-FUの系統)、DNAポリメラーゼ拮抗薬(シタラビン等)がある。
細胞の機能に必要な代謝物質に類似しているので、細胞内酵素に拮抗して作用する。
細胞周期のS期にて特異的に効果を認めるため、投与スケジュールがその効果に影響を与える。
一般に代謝拮抗剤は中等度までの肝障害患者には通常投与量での治療は可能である。
サードスペースの体液へ移行するため、副作用の遷延に注意すべきである。
大量メトトレキサート(1g/m2以上)の投与で脳脊髄中で治療有効な薬物濃度が得られる。
カペシタビンはフルオロウラシルのプロドラッグである。
ピリミジン代謝拮抗薬
フッ化ピリミジン類やシトシンアラビノシド系薬がある。
フッ化ピリミジンには、5-FUやテガフールなどがあり、消化器癌や乳癌などに広く用いられる。
テガフールやドキシフルリジン、カペシタビンは生体内で代謝されて5-FUになる。
テガフールの配合剤にUFT、TS-1などがある。
シトシンアラビノシド系薬には、シタラビン(Ara-C)、エノシタビンなどが急性白血病を中心に用いられ、ゲムシタビンが非小細胞肺癌や膵癌、胆道癌、尿路上皮癌に用いられる。
キロサイドNはAra-C大量療法に用いられる。
シタビノクホスファートはAra-Cのプロドラッグで、経口投与後肝臓でAra-Cに徐々に代謝されて血中に放出される。
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