更新日:2015年12月23日.全記事数:3,169件.

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抗精神病薬が誤嚥の原因?


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ドパミンとサブスタンスP

抗精神病薬を飲んでいると誤嚥性肺炎を起こしやすいです。

そのメカニズムは、ドパミンの低下。
ドパミンの低下によるサブスタンスPの低下。
サブスタンスPとは、上気道での嚥下反射および咳嗽反射を制御する物質の一つです。

気道系のサブスタンスPは迷走神経知覚枝頚部神経節の刺激で分泌されますが、その制御は主に脳内のドーパミン作動神経で行われています。
脳梗塞などで線条体のドーパミン分泌が低下すると、サブスタンスPが低下し、嚥下反射や咳嗽反射が低下します。
脳血管障害(特に大脳基底核の障害)で不顕性の誤嚥が多いのは、ドーパミンの低下によるサブスタンスPの低下が原因と考えられています。

つまり抗精神病薬で線条体のドーパミンを遮断する治療を行えば、サブスタンスP分泌の低下を介して、嚥下反射や咳嗽反射が低下すると推測されます。

セロクエルで肺炎?

セロクエルに限ったことではありませんが、抗精神病薬が誤嚥性肺炎を引き起こすことがある。
認知症の高齢者にセロクエルの少量が用いられることが多いので、代表として挙げてみた。

セロクエルの副作用をみると、
錐体外路症状 1~5%未満:アカシジア、振戦、構音障害、筋強剛、流涎、ブラジキネジア(動作緩慢)、歩行異常、ジスキネジア、嚥下障害

と、錐体外路症状によって嚥下障害が引き起こされるリスクが示されている。
パーキンソン病でも嚥下障害がみられます。
パーキンソン病が進行すると喉の筋肉が弱まったり、こわばったりするため、食べ物や飲み物を口から胃へスムーズに送りにくくなる。

この嚥下障害から、食べ物が気道へ進入し、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があるわけです。
誤嚥性肺炎は死に至る重い病気という認識です。

抗精神病薬は認知症の高齢者の死亡リスクを1.6倍高めるという話がありました。
爽秋会クリニカルサイエンス研究所 – FDAが,定型抗精神病薬でも認知症の高齢者への使用は,死亡リスクを高めると警告

ふらつき、転倒によるものが多いのかなあ、と思っていましたが、この誤嚥性肺炎というのもあるかもです。

ドライマウスと誤嚥性肺炎

ついでに、口渇と誤嚥性肺炎のリスクについて。

基本的に高齢者では唾液分泌量が減って、口が渇くという人が多いですが、疾患や薬によって唾液分泌量がさらに減っている高齢者も多い。

口渇を引き起こす疾患としては、糖尿病。
あと、リウマチ系の疾患。シェーグレン症候群を合併する関節リウマチ。
薬としては、抗コリン薬。
パーキンソン病、COPD、尿漏れなどに使われる。
認知症に使われるアリセプトなどのコリンエステラーゼ阻害薬も口渇を引き起こす。

ざっと挙げただけでも、口渇からの誤嚥、誤嚥からの肺炎というリスクを背負っている高齢患者が多い事が想像できる。

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