2018年6月13日水曜更新.3,267記事.5,316,431文字.

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アクトスとメトグルコの違いは?

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アクトスとメトグルコの違いは?

アクトスメトグルコ、どちらも糖尿病の薬ですが、SU剤のような血糖降下薬とは違う作用機序です。

どちらもインスリン抵抗性を改善しますが、メトグルコは主に肝臓に作用、アクトスは主に筋肉に作用します。
脂肪細胞のPPARγを介してインスリン抵抗性を改善します。

そのため、メトグルコをアクトスを併用することも可能です。

血糖を下げるという効果的にはイマイチな印象ですが、その分低血糖を起こしにくく安全に使えるということでもある。

チアゾリジン薬はインスリン抵抗性を改善、ビグアナイド薬はインスリン感受性を改善する。

アクトスとノスカールの違いは?

その昔、ノスカールという糖尿病の薬がありました。
現在はすでに販売中止となっている。

ノスカール(トログリタゾン)は劇症肝炎や肝不全の副作用が原因で2000年に販売中止となりました。

アクトス(ピオグリタゾン)も、ノスカールと同じチアゾリジン系の薬です。

肝臓での薬の代謝に関わるグルタチオン抱合酵素GSTT1とGSTM1の変異が重なると特に副作用の発症率が高い事が示されています。

アクトスの市販後調査で、重篤な肝障害の副作用は1例も報告されませんでした。

インスリン抵抗性

インスリンは血糖値を下げるホルモンです。
糖尿病の人は、このインスリンの分泌量が減っているものと思われていました。
そのため、インスリンの注射をしたり、インスリン分泌を促進する薬を飲んだりします。

しかし、糖尿病の人の中には、インスリン分泌は正常という人もいます。
インスリンは分泌されているのに、効いてない。それがインスリン抵抗性。太っている人に多い。

肥満や栄養過多は、インスリンの働きを妨げ、インスリン抵抗性と呼ばれる状態となり、メタボリックシンドロームや糖尿病、動脈硬化、がんなどの生活習慣病を促進する。
肥満は細胞小器官の一つである小胞体に不良なタンパク質が蓄積して生じる「小胞体ストレス」を引き起こし、肝臓や脂肪組織でインスリンの効きを悪くする。

糖尿病の発症に食生活など生活習慣が関係しているといわれますが、高カロリーの食事がなぜ糖尿病を引き起こすことになるのか。
2型糖尿病の主因にインスリン抵抗性があります。

高カロリー食はインスリン抵抗性を引き起こすのです。
飽食の結果、血液中で増加した脂肪は脂肪細胞に取り込まれ、脂肪細胞は肥大化します。
肥大化した脂肪細胞はレプチンやTNFαを分泌します。

レプチンは視床下部満腹中枢に働き食欲抑制に導く一方、脂肪より生じた遊離脂肪酸を脂肪細胞から血中に放出します。
この遊離脂肪酸とTNFαは筋肉や肝臓で次のような機序でインスリン抵抗性を引き起こします。
遊離脂肪酸は、細胞に取り込まれた後に、いくつかの過程を経てインスリン受容体基質(IRS)をセリン残基のリン酸化により不活化します。

一方、TNFαも細胞膜に存在するTNFα受容体を介して同じくIRSをリン酸化により不活化します。
IRSはインスリンシグナル経路の出発点に位置しますので、両因子による不活化により相乗的にインスリン応答が失われ、インスリン抵抗性が引き起こされるのです。

肥満とインスリン抵抗性

インスリン抵抗性が起きる原因としては、遺伝、肥満、運動不足、高脂肪食、ストレスなどがあるが、中でもインスリン抵抗性を起こす最大の要因は肥満だといわれている。

現在までにその機序として、基礎代謝を上回る栄養が継続的に細胞に取り込まれ、①脂肪細胞内に過剰蓄積した脂肪(肥大化した脂肪細胞)によりインスリンの働きを向上させる液性因子(アディポネクチン)が出なくなり、肝臓や筋肉におけるインスリン抵抗性を起こす液性因子(腫瘍壊死因子αや遊離脂肪酸)を分泌する、②肝臓、筋肉などのインスリン標的臓器の細胞内に蓄積した「細胞内脂肪」がそれぞれの組織でインスリン抵抗性を起こす、などが考えられている。

ブドウ糖など、過剰な(基礎代謝量以上の)栄養が中性脂肪に変換されて、脂肪細胞が膨張する(つまり肥満の状態になる)と、インスリンの働きを向上させる生理活性物質であるアディポネクチンの分泌が低下する。
さらに、インスリンの働きを抑制する生理活性物質(TNF-αや遊離脂肪酸)が分泌される。

これらより、肥満によりインスリン抵抗性が引き起こされると考えられている。

高脂肪食を摂取することにより脂肪細胞の肥大化を促すことがインスリン抵抗性を起こす原因だが、特にハンバーガーなどのいわゆるファストフードに多く含まれる「飽和脂肪酸」がインスリン抵抗性を来しやすいといわれている。
逆に魚の油はインスリン抵抗性を改善する傾向があるといわれている。

インスリン抵抗性の指標

早朝空腹時の血中インスリン値が15μU/mL以上を示す場合は、明らかなインスリン抵抗性の存在が考えられる。

インスリン抵抗性の簡便な指標の1つとして、早朝空腹時の血中インスリン値と血糖値から計算されるHOMA-Rがある。

空腹時血糖値140mg/dL以下の場合は、他の指標より正確な方法で求めたインスリン抵抗性の値とよく相関する。

HOMA-R=空腹時インスリン値(μU/mL)×空腹時血糖値(mg/dL)/405

この値が1.6以下の場合は正常、2.5以上の場合にインスリン抵抗性があると考えられる。

インスリン抵抗性の検査

HOMA-R指数
グルコースクランプ法
Cペプチド

Q:インスリン抵抗性指数HOMA-Rはどのように算出するのか?

A: HOMA-R(Homeostasis Model Assessment Ratio)は早朝の空腹時の血糖値と空腹時インスリン値を下記の計算式に当てはめて算出する。
HOMA-R=空腹時血糖値(mg/dL)×空腹時インスリン値(μU/mL)÷405
数値が高いほどインスリン抵抗性が強く,判定基準は1.6以下が正常,2.5以上はインスリン抵抗性があると考えられる。14~18時間の完全空腹での採血条件で評価の高いデータが得られ,空腹時血糖値が140mg/dL以上の場合は誤差が大きく,注意が必要である。またインスリン治療中の患者では評価できない。質疑応答 2009年9月

参考書籍:薬効力 ―72の分子標的と薬の作用―

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