2015年10月22日(木)更新.3,233記事.4,963,441文字.

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子供は大人のミニチュアではない?

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スキャモンの臓器発育曲線

子供は大人のミニチュアではない、とよく言われます。
スキャモンの臓器発育曲線というのがあります。

成人の身長・体重あるいは各臓器重量を100としたときに小児期の各年齢でどの程度発達しているかを示したものです。
わかりやすい部分でいうと、頭の大きさは体の大きさほど、大人と子供で差がありませんね。

薬の用量でも、大人の体重を50kgとして、体重10kgなら単純に1/5というわけにはいきません。

小児は成人のミニチュアではない

小児は成人のミニチュアではなく、さらにその生理機能は成長段階にあるため、薬物動態や薬剤感受性は年齢に伴って大きく変化します。
例えば、体水分量比率は新生児が最も高く、年齢を経るにしたがって徐々に減少し、思春期になると成人とほぼ一緒になります。

一方、体脂肪率は新生児・乳児で最も低く、その後徐々に高くなって、月齢6~8ヶ月ぐらいでピークを迎え、その後再び低くなり、男女差が大きくなっていきます。

つまり、新生児や乳児は、体水分量比率が高く体脂肪率は低いため、水溶性薬物の有効血中濃度を得るには、成人より体重あたりの投与量を増やす必要が生じます。

水分量と脂肪量

ヒトは、体重の約60%を水分が占めるといわれますが、これは成人の場合です。
体水分量は、新生児では約80%に及び、3ヶ月児で約70%となり、その後も徐々に低下して、思春期頃に成人とほぼ同じ値になります。

さらに新生児から乳幼児期までは、薬物の分泌に関与する、細胞外に存在する水分の比率も高くなっていきます。
この結果、小児では水溶性薬物の分布容積が大きくなり、体重当たりの投与量が年長児や成人よりも多く必要とされる場合があるのです。

一方、脂溶性薬物の分布容積に影響する体脂肪量をみますと、新生児では体重の12~15%であったのが、6~8ヶ月児では25%にまで上昇し、学童期には10~20%となって、その後は男女差が大きくなります。

このため、特に新生児では脂溶性薬物の分布容積が小さくなり、体重当たりの投与量を少なくする必要があります。

個人差

薬物の約80%は、肝臓の薬物代謝酵素チトクロームP450(P450)により代謝されます。
P450には数多くの分子種が存在し、薬物ごとに、どの分子種によって代謝されるのかが異なります。
P450の活性は、新生児では成人の25~50%と低く、3~6ヶ月児でほぼ成人に近くなります。

このため、新生児から乳児期においては薬物の代謝が遅延し、効果が強く現れたり、副作用が発現したりする可能性があります。

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