更新日:2016年11月20日.全記事数:3,169件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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軟膏とクリームはどう使い分ける?


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塗り薬の使い分け

塗り薬には、クリームや軟膏、ローションやジェルと色々あります。

どのように使い分けるのでしょうか?

まずクリームはサラっとしていて、軟膏はベタつくので、夏場はクリームが好まれます。
軟膏は顔に塗るとテカテカするのでイヤですね。クリームが好まれます。

水で洗い流すときも軟膏よりもクリームのほうがいいですね。
クリームは界面活性剤や防腐剤が入っていて、傷口などに塗るとしみます。

ジュクジュクした部位には軟膏のほうがいいです。
クリームのほうが使用感がいいので、患者に任せるとクリームの希望のほうが多そうです。

しかし、水分の入っているクリームは水分を吸収してしまうので、乾燥している肌に使うと、さらに乾燥してしまいます。
保湿効果を求めるなら軟膏のほうが適しています。

基剤の選択

患部の状態に合わせて適切な基剤を選択することが重要です。

滲出液が出てジュクジュクしていたり、びらんがあるとき、乾燥が強い場合はワセリンを用いた油脂性基剤の軟膏が適しています。

クリームは使用感はいいですが、乳化剤や防腐剤が配合されているため、皮膚への刺激がある場合があります。

毛髪のある部位はローション剤を選択します。

①軟膏:刺激性が少なく、患部を保護する作用があります。乾燥(カサカサ)した患部、びらん・潰瘍など湿潤した患部の両方に使用できます。べたつき感があります。

②クリーム:使用感がよく、主に乾燥した患部に適しています。若干の刺激性があります。

③ローション:軟膏やクリームが塗りにくい頭髪部などへの使用に適しています。若干の刺激性があります。

④スプレー:軟膏やクリームが塗りにくい頭髪部などへの使用に適しています。手を汚さずに広範囲に使用できますが、使用量がわかりにくいし、正常な皮膚にも散布する危険性があります。

⑤ジェル:炎症部位がかさついている場合や脂漏性皮膚炎に適しています。湿潤した患部には適しません。若干の刺激性があります。

水溶性基剤

水分を吸収する基剤であることから、主に湿潤面へ適応する基剤であり、水疱、膿疱、びらんおよび潰瘍面には最適ですが、乾燥しすぎることがあるので注意が必要です。

この基剤は水分を吸収すると溶けるため、病巣からの水分は基剤であるマクロゴールを通してガーゼに吸着されます。

そのため、ガーゼの交換および量には注意しなくてはなりません。

水溶性基剤の欠点として皮膚刺激があります。

この皮膚刺激は長時間持続するので十分な観察を行うことが大切です。

軟膏とクリームの違いは?

軟膏とクリームは明確には区別されておらず、クリームはすべて軟膏に含まれています。
しかし一般的には、基剤が油脂性(アブラ)なら軟膏、乳剤性(水とアブラ)ならクリームと呼びます。
しかし、乳剤性の基剤でも、薬品名は○○軟膏という名前がつけられているものもあります。

ザーネ軟膏、ユベラ軟膏、ケラチナミン軟膏、パスタロンソフト軟膏、ヒルドイドソフト軟膏、オクソラレン軟膏、ソルコセリル軟膏などは本当はクリームという名称のほうが正しいかも。

最近は名前が変ってきているものもあります。
オイラックス軟膏→オイラックスクリーム、レスタミンコーワ軟膏→レスタミンコーワクリームなど。
名前に騙されないように。

我が国ではクリームは局方の製剤総則の「軟膏剤」に含まれるため、「~軟膏」でも乳剤性基剤の場合があります。

一般に乳剤性基剤は油脂性基剤に比べ透過性が優れていますが、添加物が多く、刺激や接触皮膚炎に注意を要します。
水が外相で中に油を含む水中油型(O/W型)と逆の油中水型(W/O型)に分類されます。
市販外用薬では使用感が良く、水で簡単に洗い流せるO/W型が大部分を占めています。
その特徴は塗擦すると簡単に白さが消えるため、「vanish=消える」から「バニシングクリーム」と呼ばれます。

吸水軟膏などW/O型は冷却作用があることから「コールドクリーム」と呼ばれますが、実際には基剤中の水分が気化する時に気化熱を奪うため、いずれの乳剤性基剤も冷却作用があります。

軟膏剤は、広義には「適当な稠度の全質均等な半固形状に製した、皮府に塗布する外用剤」(日本薬局方)と定義され、油脂性軟膏、乳剤性軟膏、水溶性軟膏の3種類に分けられる。
しかし一般には、このうちの油脂性軟膏を軟膏剤、乳剤性軟膏をクリーム剤と呼ぶ場合が多く、各製剤もこの一般的な区分けに従って、商品名に「軟膏」や「クリーム」という名称を付記している。

外用ステロイドの場合、商品名に「軟膏」が付く製剤は、ほとんどが白色ワセリンを基剤としている。
適応は広く、湿潤した病変にも、乾燥した病変にも使用可能である。
皮膚への刺激が最も少なく、病変部を保護する効果も期待できる。
ただし、油性基剤によるべた付き感があり、顔面などの露出部に塗ると塗布部だけが光って見えるなど、使用感が悪いという欠点がある。

一方のクリーム剤は、水成分と油成分を界面活性剤で混合させた製剤である。
物理化学的な性状から、⑴水成分の中に油成分が細かい粒子として浮遊するO /W タイプ(水中油型)、⑵油成分の中に水成分が細かい粒子として浮遊するW /O タイプ(油中水型)の2 種類に分類される。
とはいえ、外用ステロイドを含め、「クリーム」という商品名で販売されている外用薬は、大半がO/W タイプである。O /W タイプは、べた付き感が少なく、塗布時の伸びがよいなど使用感に優れる。
ただし、水疱、膿疱、びらん、潰瘍などの湿潤した皮膚病変にクリーム剤を使用すると、乳化に必要な界面活性剤や、防腐剤などの添加物が病変部を刺激する場合がある。
さらに、クリーム剤を湿潤病変に使用すると、基剤に一度吸収された浸出液が再び病変部へ移行し、病状が悪化することがある。

また、乾燥病変にクリーム剤を塗布すると、冬季には皮膚の過乾燥を招くことがある。
一般に「クリーム」は保湿剤としてのイメージが強いが、皮膚を乾燥から守る目的で使用する場合には、クリーム剤よりも軟膏剤が適していることを知っておきたい。

軟膏よりクリームのほうが効く?

一般に軟膏に比べクリームは皮膚透過性に優れている。
この一因として、クリームは乳化をしていること、および基剤中に主薬がより高い濃度で溶けていることが考えられる。

一方、臨床効果では軟膏とクリームは大きな差はなく、軟膏の方がクリームよりも効果が高いと評価されている製剤もある。
この透過量と効果の乖離の原因は明らかではないが、クリームは軟膏に比べ衣服で取れ易いとの意見もある。
また、クリームやローションは添加物が多いことから接触皮膚炎を起こし易く、水疱、びらん、および潰瘍には適していない。

湿潤面にクリームはダメ?

従来はクリームに代表される乳剤性基剤は滲出液がある湿潤面に使用すると、一度クリームに吸収された滲出液が再度皮膚から吸収されることにより、症状が悪化することから使用しない方がよいと考えられてきました。

また、乳剤性基剤の乳化剤である界面活性剤による刺激も問題となっていました。

しかし、最近では刺激性も随分と軽減され、乳剤性基剤を湿潤面に使用してもいいという意見もあります。

ただし、あまり滲出液が多い場合では乳剤性基剤は水をあまり吸収しないために適応しづらい場合もあります。

一般的には滲出液が多い場合には水溶性基剤を使用します。

クリームと軟膏の吸収

一般に、基剤からの薬物の吸収は
クリーム剤>FAPGゲル>軟膏剤・ヒドロゲル>液剤
の順である。

軟膏もクリームも同じ値段?

~軟膏、~クリーム、~ローションは全て同じ薬価です。
これらはすべて同じ剤形区分とされているためです。

外用薬
外-1 軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、液剤、散布剤、ゼリー、パウダー剤
外-2 噴霧剤、吸入剤、カプセル剤
外-3 眼科用剤(点眼剤、眼軟膏)
外-4 耳鼻科用剤(点鼻液、耳科用液、耳鼻科用吸入剤・噴霧剤)
外-5 パップ剤、貼付剤、硬膏剤
外-6 坐剤、膣剤
外-7 注腸剤
外-8 口嗽剤、トローチ剤(口腔内に適用するものを含む。)
外-9 外-1から外-8までのそれぞれの区分のキット製品

(注)ただし、上記で同一の剤形区分とされる薬剤であっても、組成及び規格が同一であって、製剤の工夫により効能、効果、用法又は用量が明らかに異なる場合は、別の剤形区分とみなす。

基剤を誤解しやすい商品名

ザーネ軟膏は軟膏じゃありません。

塗り薬の中には「~軟膏」や「~クリーム」という商品名であっても、剤形がクリームやゲルであることがよくあります。
これは現在の日本薬局方の製剤総則では「軟膏」と「クリーム」を明確に区別せずに、すべて軟膏剤としていることに起因しています。

ザーネ軟膏は実際はo/w型乳剤性基剤です。

軟膏なのにクリーム

基剤がクリームやゲルであるのに、名称に「軟膏」とついているなど、一見して正しい基剤が分からない薬剤もある。

これは、日本薬局方の製剤総則に書かれていた剤型が原因。

第15局まではクリームやゲル、パスタも「軟膏剤」の項目にまとめられていたためだ。

2011年に改正された第16局では「軟膏剤」「クリーム剤」「ゲル剤」に分類された。

今後発売される商品は名称から基剤が特定できるようになり、従来品も是正されるとみられる。

わかりにくいネーミング

アクアチム軟膏 w/o型乳剤性基剤
オクソラレン軟膏 w/o型乳剤性基剤
ケラチナミンコーワ軟膏 o/w型乳剤性基剤
ザーネ軟膏 o/w型乳剤性基剤
ユベラ軟膏 o/w型乳剤性基剤
レスタミンクリーム o/w型乳剤性基剤
インテバン軟膏 ゲル基剤
トプシムクリーム ゲル基剤
ウレパールクリーム o/w型乳剤性基剤
オイラックスクリーム o/w型乳剤性基剤
パスタロンソフト軟膏 w/o型乳剤性基剤
ヒルドイドソフト軟膏 w/o型乳剤性基剤
フロリードDクリーム o/w型乳剤性基剤
フルコートF軟膏 油脂性基剤
ソルコセリル軟膏 w/o型乳剤性基剤
5-FU軟膏 o/w型乳剤性基剤

軟膏がクリームに名称変更?

ベギン軟膏がベギンクリームに名称変更するそうな。

ケラチナミンコーワ軟膏はケラチナミンコーワクリームに。
アセチロール軟膏はアセチロールクリームに。

なんで軟膏がクリームになるんだ?
軟膏は軟膏、クリームはクリームだろう。
という患者様のご意見ごもっとも。

メーカーからの案内をみると、
「第十六改正日本薬局方の製剤総則において独立した剤形としてクリーム剤が定義されたことにより、販売名を変更いたします」
となっており、今までは軟膏もクリームも、油中水型でも水中油型でも、ぜーんぶ軟膏というひとくくりの分類だったのです。

それが新しくクリーム剤が定義されたので、軟膏は軟膏、クリームはクリームという正しい名称に変わるわけです。
ベギン軟膏は今までもクリーム状だったのに軟膏という名称を使っていたに過ぎず。

薬剤師りくの勉強三昧 ケラチナミンコーワクリーム

となると、ケラチナミンだけではなく、同じ水中油型のザーネやユベラはもちろん、油中水型のヒルドイドソフトやパスタロンソフトもすべてクリーム剤という分類になるのかなぁ?

確かに。
名称変更前に、冷蔵庫に眠るユベラ軟膏を転送しないとな。
レスタミンコーワ軟膏→クリームは先を見越して早めの名称変更を行ったのかな。

ソフト軟膏

軟膏→クリームの問題はまず良しとして、次はソフト軟膏問題。

このたび、ヒルドイドソフト軟膏のジェネリックとしてビーソフテン油性クリームが発売された。
ソフト軟膏という名称よりも油性クリームという名称のほうがわかりやすい。

ベギン軟膏は現在、パスタロンソフト軟膏のジェネリックとして薬価本に載っている。
それがこのたびの名称変更によって、ベギンクリームになると、パスタロンソフト軟膏のジェネリックではなく、パスタロンクリームのジェネリックになるわけだ。

なんじゃそりゃ。

今までパスタロンソフト軟膏をベギン軟膏に変更して調剤していた薬局はどうなる?
自己責任と言われるのか?
実は同じ薬じゃありませんでした。
パスタロンソフト軟膏にジェネリックはありませんでした。てへぺろ。で済まされるのか。

このような状態では、皮膚科医のジェネリックに対する信用はいつまで経っても得られないのだろうな。

ローションで皮膚が乾燥?

塗り薬には、軟膏やクリーム、ローションなど色々な剤形があります。

皮膚がカサカサしたときには、基本的には油分を補うといいので、軟膏が用いられます。

しかし、ベトつきが気になります。

皮膚内部の水分も不足しているので、使用感の良いクリームやローションを使う、ということもあります。

しかし、ローションやクリームは皮膚につけて、その水分が蒸発する際に、一緒に皮膚の水分を奪ってしまい、逆効果の場合もあります。

参考書籍:日経DI2008.3、日経DI2012.12

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名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
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