更新日:2016年11月20日.全記事数:3,136件.

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妊婦にステロイドを使っちゃダメ?


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妊婦とステロイド外用薬

強いランクのステロイドは、動物実験で奇形の報告があるものもあるので、妊婦に使用注意となっていますが、禁忌ではありません。

ステロイド外用剤の催奇形性についての詳細はまだわかっていませんが、ヒトでのステロイド外用剤の使用により奇形児を出産したとの報告はありません。
しかし、動物実験で大量投与した場合に、口蓋裂などの奇形が発生したとの報告があります。
ステロイド外用剤を使用しなくてはならない場合は、できるだけ弱いランクの薬剤を必要最低限使うことが重要です。

ステロイド薬の経皮吸収は妊婦では必ずしも明確ではないが、通常量の外用であれば全身的影響はないと考えてよい。
大量に外用、あるいは広範囲に長期に外用する場合は、全身性の副作用に注意する必要がある。

なお、ストロンゲストやベリーストロングクラスのステロイド薬ではできるだけ限局性、かつ短期間の使用にとどめるのが原則である。

妊婦と経口ステロイド

かゆみ対策というより、原疾患の治療で使用されることがほとんどである。

当然ながら妊娠初期よりも後期のほうが安全性は高まる。

胎盤移行率の低い薬剤(プレドニゾロン<デキサメタゾン、ベタメタゾン)が胎児への影響が少ない。

ステロイド内用剤では、妊娠初期に大量投与された女性から口蓋裂の子供が生まれたケースや、妊娠前に長期間ステロイドを投与されていた妊婦から副腎機能が低下した新生児が生まれたケースが報告されている。

このためステロイド内用剤では、胎盤透過性の低いプレドニゾロンを使用し、妊娠初期ではプレドニゾロン15mg以下、妊娠中期以降は60mg以下がよいと考えれられている。
妊娠中のステロイドの使用に関しては、臨床上、プレドニゾロン換算で30mg/日以下であれば、催奇形性や胎児発育不全などの安全性に問題はないのではないか、と推察されている。

妊婦にはデカドロンよりプレドニン

ステロイドは、胎盤にある11βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11βHSD)で代謝されて不活性型となるが、その程度は薬剤によって異なる。
例えば、プレドニゾロンは11βHSDでほとんどが不活性化されるため、胎児への移行率はおおよそ10%である。
これに対し、11βHSDによる不活性化を受けにくいメチルプレドニゾロン(メドロール)やベタメタゾン(リンデロン)の胎児への移行率は30~50%、デキサメタゾン(デカドロン)は70~100%とされる。

従って、母体の治療目的でステロイドを使用する場合には、胎児移行率の低いプレドニゾロンが第一選択薬として用いられる。
なお、胎児肺成熟の促進など胎児の治療目的の場合は、あえてベタメタゾンやデキサメタゾンを使用することもある。

内用と外用ステロイドの比較

これらのプレドニゾロン内用量は、ステロイド外用剤からは容易に吸収される量ではない。

副腎皮質機能の抑制度を指標としてステロイド外用剤と内用剤を比較した研究では、ストロングクラスの吉草酸ベタメタゾン軟膏を1日10~20g単純塗布した場合にプレドニゾロン5~10mg、あるいはベタメタゾン0.5mgの内服に相当するとの報告がある。

軟膏の全身塗布に必要な量が15~20gであるが、この量を1日に使用することは少ない。

内用剤に比べてステロイド外用剤は胎児への影響がかなり少ないといえよう。

妊婦は痒い?

妊娠性掻痒症は、妊娠に伴って特にはっきりした皮疹がないのにかゆみの生ずる状態である。
全身性の掻痒症と局所性の掻痒症に分けられる。

前者は妊娠により肝内胆汁うっ滞が生じ、これによりかゆみが生ずると考えられている。
後者の多くはカンジダやトリコモナスによる外陰部掻痒症である。

全身性掻痒症はしばしば妊娠後期に、ときに妊娠前期に出現し、妊婦の17%にも及ぶといわれるが、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎などの湿疹・皮膚炎が潜在してかゆみが出ていることもあり、純粋な全身性妊娠性掻痒症はそれほど多くない。
本症のかゆみは分娩後すみやかに消退するが、再度妊娠したときには再発しやすい。
限局性の掻痒症は妊娠と関連せずに出現することも多く、特異的な症状ではないが、原病をきちんと治療しておく必要がある。

授乳中にステロイドを使っちゃダメ?

授乳婦への使用に関しては、動物実験で乳汁中に移行が認められた薬剤で「授乳を避けさせることが望ましい」と添付文書に記載されている。

ステロイド外用剤を使用する場合は授乳していることを医師にあらかじめ伝え、相談する必要がある。

なお、ステロイド内用剤では、プレドニゾロン1日5mgの内服で0.07〜0.23%が母乳中に移行するとの報告があり、プレドニゾロン1日30mgまでであれば授乳による乳幼児への影響は少ないと考えられている。

参考書籍:日経DI2008.2、調剤と情報2011.4

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