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口内炎にテラ・コートリル軟膏?
公開. 更新. 投稿者:栄養/口腔ケア.この記事は約1分4秒で読めます.
5,058 ビュー. カテゴリ:口内炎の薬
なにげに添付文書を見ていたら、テラ・コートリル軟膏に口腔内の用法が書かれていて、ちょっと驚いた。
テラ・コートリル軟膏の用法は、
通常、1日1~数回直接患部に塗布又は塗擦するか、あるいは無菌ガーゼ等にのばして貼付する。
口腔内疾患には毎日又は隔日に少量宛患部に注入又は塗擦する。
なお、症状により適宜増減する。
テラ・コートリル軟膏を口腔内に処方するのを見たことがない。私だけ?
口内炎の適応を持つ薬でよく処方される薬といえば、
アフタゾロン口腔用軟膏(デキサメタゾン)
アフタッチ口腔用貼付剤(トリアムシノロンアセトニド)
ケナログ口腔用軟膏(トリアムシノロンアセトニド)→2018年6月で販売中止、2019年3月末まで経過措置予定
デキサルチン口腔用軟膏(デキサメタゾン)
デスパコーワ口腔用クリーム(クロルヘキシジン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ベンザルコニウム塩化物)
このあたりの薬が多い。
主にステロイド含有薬である。
抗炎症作用によって、口内炎を改善させる。
ステロイドで炎症を抑えたとしても、免疫抑制作用により口腔内に細菌が増殖しやすい環境を作ってしまう要因にもなり得るので、抗菌剤も含有していたほうが良いという考えもある。
そういう考えに適した口内炎用薬がテラ・コートリル軟膏。
しかし、市販のテラ・コートリル軟膏には口内炎の適応は無いので、使わないように。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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2 件のコメント
10数年前に歯医者に行ってる時に、噛んだところが口内炎になっていた(口唇をよく噛んで口内炎を作っていたので)。その時歯医者さんがテラ・コートリル軟膏を処方してくれて、いつまでも痛い思いをしないで済んだ。
先ほど、その時貰った軟膏がたまたま出てきたので、同じものを薬局で買えないかと思って、ネットを見ていたのですが、使わない方がよいのですか?(いまも肩が凝った感じがしてくると、必ず口中を噛むので)
コメントありがとうございます。
テラ・コートリル軟膏の成分は抗菌剤とステロイドですが、効果を感じるのはほぼステロイドの影響かと思います。最近は耐性菌の問題などもあり抗菌薬の使用はなるべく控えたほうがいいという話もあり、持論としては抗菌剤の使用で口腔内の善玉菌もやっつけて悪化するリスクもはらんでいると思いますので、ステロイド単味のほうがまだいいかと思います。
ただ基本的に口内炎はビタミン不足、ストレスからくるものだと思いますので、肩がこる=ストレスの原因から見直すということが根本的な解決につながってくる。というのは綺麗事で、逃れられないストレスもあるので、「効いたことがあるならテラ・コートリル軟膏使っちゃっても良いんじゃね」というのが本音ですが、薬剤師的には、口内炎に適応のない薬をおすすめすることはできません。トラフルとかいいと思います。