更新日:2017年1月5日.全記事数:3,136件.

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マクロライドはなぜ少量で効くのか?


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副鼻腔炎にマクロライドの長期使用

クラリスロマイシンなどの14員環マクロライドには、抗炎症作用や腺細胞からの粘液分泌抑制作用があり、慢性副鼻腔炎に対して常用量の半量を、原則として3か月間投与する「マクロライド少量長期投与療法」が、日本鼻科学会のガイドラインで推奨されている。

マクロライド少量長期療法とは?

エリスロマイシンなどのマクロライドが、びまん性汎細気管支炎や慢性副鼻腔炎の治療に、少量長期療法として使われます。
なぜ少量で効くのか、不明な点が多いですが様々な作用があるらしい。

・気道からの喀痰分泌抑制
エリスロマイシンは気道上皮細胞のクロライドチャネルを阻害して喀痰成分である水分の分泌を抑制させる、喀痰成分のムチン蛋白の分泌を低下させるなどの報告があります。

・好中球機能の抑制
エリスロマイシンは、好中球遊走活性を有するインターロイキン-8の産生を阻害し、好中球の炎症局所への集積を抑えます。
さらに、好中球自体の活性を低下させ、好中球数を減らすとの報告も。

・病原細菌のバイオフィルム形成阻害作用
バイオフィルムが形成されると、細菌は宿主の免疫から逃れ、抗菌剤の効果が減弱してしまいます。
エリスロマイシンは、バイオフィルムの構成成分となるアルギン酸の産生を減少させます。

マクロライド少量長期療法の少量ってどのくらい?

投与量はいずれの疾患でも通常量の1/2~1/3で、エリスロマイシン10~20mg/kg/日か、クラリスロマイシン5mg/kg/日を処方する。
効果は4~8週で現れ、投与期間は報告によってさまざまですが、最低3カ月は投与することを推奨している。
投与中新たな細菌感染を認めた場合には、適宜他の抗生物質を併用する。

ジスロマックの少量長期療法?

エリスロマイシンとかクラリスの少量長期療法はよく見かけます。

しかし、ジスロマックの少量長期療法というのは見たことがありません。

エリスロマイシンやクラリスのような14員環系マクロライドだけでなく、ジスロマックのような15員環系マクロライドでもエリスロマイシンと同様の効果が得られることは判明しています。

実際に行うとしたら、1回250mg週2回投与、というような処方らしい。

一般的に、マクロライド系の少量長期投与にはエリスロマイシンやクラリスロマイシンの14員環マクロライド系薬が用いられますが、アジスロマイシンでも喀痰量の減少や急性憎悪の減少が期待できるとの報告があります。
通常、肺炎や急性気管支炎等でアジスロマイシンを成人に用いる場合は1日1回500mgを3日間投与しますが、少量長期投与の場合は 1日1回250~500mg 週2~3回のケースが多いです(保険適応外)。
ただし、長期使用においては耐性菌発現の可能性もあり、抗生剤の使用は慎重に行わなければなりません。マクロライド系の長期投与が有効なのは14員環だけ? 日経DI掲載クイズ QUIZ 薬剤師さんなら簡単? ちょいむず?

しかし、確実にレセプトで切られる予感。

皮膚科からマクロライド少量長期?

皮膚科の処方でクラリス200mg1日1錠28日分みたいな、少量長期処方をみかけた。

皮膚科領域でもマクロライド少量長期処方するようです。
耳鼻科だけかと思ってた。

 これらの事実を踏まえ、皮膚科領域の疾患においても、マクロライドの有効性についての検討がなされています。
 これまでに、掌せき膿疱症、尋常性乾癬、色素性痒疹、ジベルばら色ひこう疹、酒皶、痒疹などに対しての有効性についての報告があります。
 これらの報告の大部分は個別の症例報告や少数のコホート研究で、ランダム化比較試験ではないので、エビデンスレベルとしては高いものではありません。また、本邦では保険適応がないので実際の臨床上使用しづらい面がありますが、他に有力な治療法のない疾患では試みるに値するものと考えられます。
 皮膚科領域での、マクロライドの有効性を裏付けるvitroのデータとしては、次のようなものがあります。

1.表皮細胞からのサイトカイン、ケモカイン産生の抑制、として、我々はHaCaTケラチノサイトからのTARC/CCL17産生抑制を報告しています。またKobayashiらが、Th2ケモカイン産生抑制と、その受容体の発現抑制を報告しています。
2.またOshimaらは、マクロライドが、表皮細胞や、表皮ランゲルハンス細胞の抗原提示能を抑制することを報告しています。
3.Takahashiらは、マクロライドが転写因子であるAP-1やNFκB活性抑制を介してインボルクリンの発現を抑制することにより、表皮細胞の異常角化を抑制する可能性を示しています。
4.さらにリンパ球や好中球、好酸球、マクロファージなどの浸潤細胞にたいする抗炎症作用は、他科領域からも多数の報告があります。アボット感染症アワー 〜感染症と化学療法〜 20080815

掌せき膿疱症、尋常性乾癬、色素性痒疹、ジベルばら色ひこう疹、酒皶、痒疹、にきびなどにも少量長期で使うようです。

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