更新日:2016年12月23日.全記事数:3,137件.

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PPIの屯服?


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PPIのオンデマンド療法

PPIは原則として連日投与しますが、欧米ではPPIまたはH2ブロッカーを症状が出たときに屯用する「オンデマンド療法」なるものが行われているようです。
オンデマンドとは「要求に応じて」という意味です。

胃食道逆流症で、いったん症状が消失したのち、胸やけなどの症状が再発した場合に、PPIやH2ブロッカーの服薬を再開し、症状が消失すれば服薬を終了するもので、必要に応じて服薬できる治療法です。

添付文書上の用法は連日投与だが、軽症の場合は症状の発現時にPPIを頓用するオンデマンド療法を実施する例が増えている。

PPIの作用機序

胃酸の主成分である塩酸は、胃底腺の壁細胞から分泌されます。
壁細胞の細胞内では、炭酸脱水素酵素により、水と二酸化炭素から水素イオン(プロトン)が生じます。
この水素イオンが壁細胞の細胞膜に存在する酵素H+,K+-ATPase(プロトンポンプ)により、細胞内から細胞外へ汲み出されます。

壁細胞の細胞膜には、CFTRという塩素イオンの通過孔(c-AMP依存性Cl-チャネル)もあり、ここから塩素イオンが細胞外に出てきます。
プロトンポンプによって汲み出された水素イオンとCFTRを通過した塩素イオンが出会い塩酸が生成します。

PPIは、その名のとおり、水素イオンを汲み出すプロトンポンプの駆動を止め、塩酸の生成を阻害する薬です。
PPIは、酸性下で活性体に変換されるプロドラックです。
PPIは壁細胞の分泌細管に分布した後、酸により活性体であるスルフェンアミド体に変換されます。

スルフェンアミド体は、分泌細管の膜に存在するプロトンポンプのシステインのSH基とジスルフィド結合し、プロトンポンプの働きを止めます。
PPIは、プロトンポンプと共有結合しているために、血中半減期(約1時間)が過ぎても塩酸の分泌阻害効果が持続します。

プロトンポンプは、毎日約4分の1が新しく細胞内で合成されています。
そのため、PPIの塩酸の分泌抑制作用が十分に発揮されるまでには、数日かかります。

参考書籍:薬効力 ―72の分子標的と薬の作用―

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