2018年12月18日更新.3,342記事.5,770,694文字.

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六君子湯で食欲増進する作用機序

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六君子湯とグレリン

空腹になると胃や腸からグレリンというホルモンが分泌される。
グレリンには成長ホルモンの分泌作用のほか、摂食亢進、胃酸分泌亢進作用がある。

グレリンは脂肪細胞から分泌され摂食抑制作用を有するレプチンに拮抗する。
過剰な食事制限によるダイエットを試みても、グレリンに負けるのだ。

六君子湯の作用機序として、消化管ホルモンの一種であるグレリンとの関連が近年示唆されている。
消化管ホルモンは、脳腸相関を介して消化管機能や食行動、エネルギー代謝などの生体機能の調節に重要な役割を持つ。

コレシストキン(CCK)、ペプチドYY(PYY)、グルカゴン様ペプチドー1(GLP-1)、オキシントモジュリン(OXM)、インスリンなど、多くの消化管ホルモンは、食欲抑制作用を有する。
これに対して唯一、食欲亢進に働くホルモンが、グレリンである。

グレリンは主に胃より分泌され、迷走神経末端および視床下部弓状核のニューロペプチドY(NPY)/アグーチ関連蛋白(AgRP)ニューロン上に発現するグレリン受容体(GHS-R)に作用して、成長ホルモン分泌を促進するほか、上部消化管運動および食欲を強力に亢進させる。
六君子湯が、こうしたグレリンの分泌を促進、あるいはその作用を増強させるという。
六君子湯に含まれるフラボノイド類(陳皮成分ヘプタメトキシフラボンやヘスペリジン、甘草成分イソリクイリチゲニン)のセロトニン2b/2c受容体(5-HT2b/2cR)阻害作用が、グレリン分泌を増加させることも明らかになっている。
加えて六君子湯は、GHS-Rシグナルの増強やグレリン代謝阻害といった作用を有するとの報告もあり、これらの複合作用によってグレリン作用を増強し、食欲亢進・消化管運動を亢進するものと考えられている。

食欲を出す薬といえば、ドグマチールのような精神系の薬やペリアクチンのような抗ヒスタミン薬。
食欲増進による肥満は副作用と受け取られることも多いが、食欲が無い患者にとってはこれらの薬がプラスに働く。

参考書籍:日経DI2016.6

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