2018年10月23日更新.3,351記事.5,706,842文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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高尿酸血症の原因はキシリトール?

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高尿酸血症の原因となる薬剤

高尿酸血症の原因というと、食事、ビールや美味しいものの食べ過ぎというイメージですが、服用中の薬が原因となっている可能性もある。

高尿酸血症の病型原因薬剤
尿酸産生過剰型抗悪性腫瘍薬、免疫抑制薬(ミゾリビン)、テオフィリン、フルクトース、キシリトール
尿酸排泄低下型利尿薬(フロセミド、サイアザイド系利尿薬、D-マンニトール)、少量のサリチル酸、抗結核薬(ピラジナミド、エタンブトール塩酸塩)、免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムス水和物)
混合型ニコチン酸、ニコチン酸アミド

利尿薬と尿酸

利尿薬は、尿酸を尿に分泌するトランスポーターNPT4を阻害するため、尿酸値が上昇します。

腎臓の糸球体で濾過された尿酸は,上位の近位尿細管で90%が再吸収され,下部の近位尿細管で再分泌されます。
利尿薬の投与によって循環血漿量が減少すると,RAS系が賦活され,近位尿細管におけるナトリウムと水の吸収が亢進します。
有機溶質は近位尿細管でナトリウムと共輸送によって再吸収されるので,尿細管細胞内で増加します。この有機溶質が尿酸と交換で尿細管へと分泌され,尿酸の再吸収が増加し高尿酸血症になります。

抗癌剤と尿酸

抗癌剤によっても高尿酸血症になることが知られている。腫瘍崩壊症候群といいます。
フェブリクの適応には、「がん化学療法に伴う高尿酸血症」もあり、「がん化学療法に伴う高尿酸血症」のみに適応を有するラステリック(ラスブリカーゼ)という薬も存在する。
ラステリックは、尿酸を酸化し、アラントインと過酸化水素に分解することで、血中尿酸値を低下させる薬です。

腫瘍崩壊症候群とは、腫瘍細胞の急速かつ大量の崩壊により、細胞内の代謝産物である核酸、蛋白、リン、カリウムなどが血中へ大量に放出されることによって引き起こされる代謝異常の総称です。
尿中排泄能を超えた大量の代謝産物が急激に血中に放出されることから、高尿酸血症、高カリウム血症、高リン血症・低カルシウム血症、高サイトカイン血症をきたし、急性腎不全、痙攣、不整脈、多臓器不全などの病態が引き起こされます。

ニコチン酸と尿酸

ロサルタンが阻害して尿酸値を下げることで有名なトランスポーターにURAT1というものがあります。
このトランスポーターは腎の近位尿細管に分布し、乳酸やニコチン酸などの陰イオンを排出し尿酸を再吸収します。
大量のニコチン酸によって、代わりに尿酸が再吸収されるため高尿酸血症となる恐れがあります。

ちなみにナイクリン錠の副作用には「高尿酸血症(長期・大量投与)」とあるが、ユベラNの副作用には高尿酸血症の記載は見られない。

ロイコンと尿酸

白血球減少症の治療薬であるロイコンはプリン塩基そのもののアデニンであるので、高尿酸血症を引き起こす可能性があります。
痛風患者には禁忌であり、重大な副作用にも「高尿酸血症、痛風、尿路結石、急性腎不全」とあります。

フルクトース/キシリトールと尿酸

キシリトールが尿酸値を上げる?
キシリトールは吸収されにくいから大丈夫、みたいなイメージがあったのですがどうなのだろう?

フルクトースによる尿酸値上昇の機序
フルクトースは小腸で吸収され、肝臓で解糖系の中間代謝物に変わり、乳酸等に代謝されるが、フルクトース-1-リン酸(F-1-P)に代謝される際に、アデノシン三リン酸(ATP)と無機リンが消費される。
F-1-Pへの代謝は速やかで、フルクトースの過剰摂取や点滴で速く大量投与すると、無機リン(Pi)が大量に消費される。
無機リン濃度の減少によってアデニンヌクレオチド分解の律速酵素であるAMP deaminaseの抑制が解除され、アデノシン一リン酸(AMP)の分解が亢進してイノシン一リン酸(IMP)の合成が高まり、イノシン、ヒポキサンチン、キサンチン、尿酸へと順次分解されて、大量の尿酸が生成する。
また、フルクトースの代謝産物である乳酸による尿酸の排泄抑制も血清尿酸値の増加に関与する。

キシリトールも同様の代謝経路で、リン酸化される。
解糖系で結局乳酸ができるのはグルコースも同じですが、果糖やキシリトールのほうが尿酸上昇のリスクが高い。

キシリトールも虫歯予防には良いけれど、摂り過ぎには注意です。

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