2018年11月18日更新.3,346記事.5,747,633文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ウールアレルギーに使えない塗り薬

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ラノリン

塗り薬の成分で、ラノリンなるものがある。
これは、羊の毛の根元に付着している油分を精製したものです。

ラノリンは羊毛を刈り取ってウールに仕上げるときに、その副産物として得られるウールグリス(羊毛脂)を精製したものです。
化学的にはラノリンは多くの脂肪酸とアルコールから成るエステルです。

羊ってけっこうベタベタしてるらしい。
フワフワで気持ちよさそうな触り心地かと思いましたが、残念。

天然の成分で安心、というイメージで化粧品に入ってることも多いらしい。
ですが、けっこうアレルギーも多いらしい。

精製ラノリンは、不純物があり肌が強い欧米人でもアレルギーを引き起こす原料と知られていました。
防腐剤よりはるかに強いアレルギー性を持っています。

ラノリン類は本来アレルゲンとして感作能は弱いですが、皮膚潰瘍、びらん、アトピー性皮膚炎および乾癬などバリアー能が低下している場合にはとくに注意が必要です。

ラノリンは臭いや色調で商品価値が低いことから、現在では精製や抽出などの工程により多種多様な製品が調整され、医薬品や化粧品などに幅広く使用されています。
ラノリンはヒトの皮脂に近い成分であるため、皮膚になじみやすく親和性と浸透性に優れています。
また、吸水性が高いことも特徴の1つです。

ラノリンを含有する医薬品には以下の薬がある。
・アズノール軟膏
・エキザルベ軟膏
・プロクトセディル軟膏
・フルコート軟膏
・強力ポステリザン軟膏
など。

上記の薬をウールにアレルギーを持った患者に使うとアレルギーを起こす可能性がある。
しかし、ウールのセーターを着てチクチクするだけという人はウールアレルギーではありません。

ウール

羊毛には脂肪様分泌物が付着しています。
そのため、羊毛をウールに仕上げるときはこれらを取り除く必要があり、洗剤で洗い流します。

その廃液から回収されたものがウールグリスで、これを精製処理したものがラノリンです。
このようにラノリンは元来羊毛に付着している脂肪様分泌物であるため、昔から羊飼いに羊毛の感作による皮膚炎が報告されていました。

科学的にはラノリンはアルコールと脂肪酸から成るエステルです。
ラノリンは昔から薬として使用されており、1886年Liebreichにより軟膏基剤として「ラノリン」と命名されました。
ラノリンは臭いや色調で商品価値が低いことから、現在では精製や抽出などの工程により多種多様な製品が調整され、医薬品や化粧品などに幅広く使用されています。
以前、日本はウールグリスおよび精製ラノリンの輸出をしていましたが、現在は海外製品の品質も高まり、輸出はしていません。

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