2018年9月22日更新.3,329記事.5,605,527文字.

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狭心症に禁忌のβ遮断薬?

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冠動脈攣縮性狭心症

狭心症に使われる薬として、硝酸薬、Ca拮抗薬、β遮断薬などがあります。

このうちのβ遮断薬の中で、インデラル(プロプラノロール)、カルビスケン(ピンドロール)、ナディック(ナドロール)の禁忌に、

異型狭心症の患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕

と書かれている。

狭心症に適応がありながら、狭心症に禁忌だという、なぜ?

異型狭心症(variant angina)とはvariant(異なる)という名前の通り、通常とは異なる狭心症のこと。

狭心症の種類

狭心症の分類はややこしい。
狭心症は、虚血の発生原因によって、「器質性狭心症」と「冠攣縮性狭心症」の二つに分けられる。

器質性狭心症とは、冠動脈が動脈硬化によって狭窄し、血管が閉塞することによって虚血を生じる病態である。
冠攣縮性狭心症とは、冠動脈が痙攣して異常に収縮「冠攣縮」を起こすことで、虚血を生じるものである。

器質性狭心症は、発作が労作時に起こることが多いのに対して、冠攣縮性狭心症は安静時、特に夜間から早朝にかけて発作が起こりやすいのが特徴である。

狭心症を発症の誘因で分類すると、「安静時狭心症」と「労作性狭心症」に分かれるが、器質性狭心症≒労作性狭心症、冠攣縮性狭心症≒安静時狭心症と似たような意で用いられることがある。
冠攣縮性狭心症のうち心電図でST波が上昇している場合を「異型狭心症」という。

器質性狭心症には、心筋酸素消費量を低下させる目的でβ遮断剤がよく用いられる。
しかし、冠攣縮性狭心症に対しては、β遮断剤単独での使用は避けるべきである。β遮断剤の服用下では、血管のα受容体が優位な状態となるため、血管収縮を助長して予後を悪化させてしまうからである。
ガイドラインでは、冠動脈の器質的狭窄と冠攣縮が並存した病態で、どうしてもβ遮断剤を使用する場合は、Ca拮抗剤や硝酸剤と併用することを推奨している。

冠動脈攣縮性狭心症にβ遮断薬は禁忌とされています。
交感神経β2刺激は冠動脈を拡張させる作用をもつので、β遮断薬は狭窄を悪化させ症状を増悪させるため。
実際に禁忌の項目に、「異型狭心症」と書かれているβ遮断薬は3つ。
インデラル、カルビスケン、ナディック。
この3つは、β1非選択性・ISA(-)のβ遮断薬であるため、β2遮断作用による冠動脈の狭窄のリスクが高くISAによる副作用軽減効果も無いため禁忌となっているのだろう。

参考書籍:日経DI2010.12

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