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セレジストは甲状腺ホルモン刺激ホルモン?
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約2分41秒で読めます.
2,596 ビュー. カテゴリ:脊髄小脳変性症と甲状腺の関係
セレジスト(タルチレリン水和物)という脊髄小脳変性症の薬がある。
日本全国に3万人程度の患者数らしいが、私の薬局にはしばしばセレジストが処方される患者がくる。
脊髄小脳変性症の予後は、発症後平均約5年で車いす使用となり、約8年で寝たきりの状態、罹病機関は9年程度と報告されています。
若い患者さんが来られると、悲しくなりますね。
それで、セレジストを飲むと脊髄小脳変性症が治るのか?というと、治りません。
セレジストの効能効果は、「脊髄小脳変性症における運動失調の改善」となっています。
タルチレリンのGEの薬効薬理には、以下のように記載されている。
タルチレリンは、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)の誘導体である。中枢神経系に広く分布するTRH受容体に結合後、アセチルコリン、ドパミン、ノルアドレナリン及びセロトニン神経系を活性化させることにより、脊髄小脳変性症における運動失調を改善すると考えられている。また、脊髄反射増強作用、神経栄養因子様作用及び局所グルコース代謝促進作用も薬効に関与すると考えられている。
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンが、甲状腺刺激ホルモンの分泌を促進し、甲状腺刺激ホルモンが甲状腺ホルモンの分泌を促進する。
といった働きしかよくわかりませんが、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンが受容体に結合した後、アセチルコリン、ドパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどが活性化されるという。
甲状腺は元気の素みたいなイメージがあるので、そこに働くセレジストが運動失調症状に効果があるというのは、イメージはしやすい。
甲状腺がらみの疾患で、橋本脳症という病気がありますが、小脳失調の症状もみられるようなので、甲状腺と小脳というのは、強い結びつきがあるのかも知れない。
脊髄小脳変性症では様々な症状が現れるが、
運動失調症状(歩行障害、四肢失調、構音障害など)には、セレジスト
錐体外路症状(パーキンソニズム、筋強縮、動作緩慢、姿勢反射の障害)には、抗パーキンソン病薬
錐体路症状(痙縮)には、筋弛緩薬
自律神経症状(起立性低血圧、排尿障害、発汗障害など)には、自律神経調整薬
といった、薬が治療に使われる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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