記事
カルシウムが不足するとイライラする?
公開. 更新. 投稿者:健康食品/OTC.この記事は約2分16秒で読めます.
1,232 ビュー. カテゴリ:カルシウム不足で情緒不安定?
イライラするのはカルシウム不足のせい?
カルシウムが不足するとイライラする、という俗説がある。
イライラしている人に向かって「カルシウムが足りないんじゃない?」と言う人もいるだろう。
神経細胞の伝達にカルシウムイオンが重要な役割を果たしており、低カルシウム血症になれば、知覚異常、手指・口唇のしびれ、筋攣縮、テタニー、急な腹痛や下痢、過換気症候群、不安、イライラ感、パニック障害などがあらわれることもある。
しかし、基本的にはカルシウムが足りなくなると、人は骨などから成分を溶かして取り込むことができ、血中カルシウム濃度は一定に保たれているので、波のあるイライラの原因として低カルシウム血症は可能性が低いだろう。
逆に、高カルシウム血症でもイライラは生じることがあり、血中カルシウム値が低いことにより副甲状腺ホルモンが過剰産生され、高カルシウム血症になって情緒不安定が起こるという話もある。
ブドウ糖不足でもイライラは生じるし、女性の生理でもイライラは生じる。
カルシウムを摂るよりも、甘いものを食べた方が有効かもしれない。
漢方薬とカルシウム
漢方薬の成分で、竜骨や牡蛎などは「安神薬」と呼ばれる。「安心薬」ではなく、「安神薬」。心には神が宿るという考えらしい。
心を穏やかにする生薬が分類されている。
竜骨牡蛎といえば、「柴胡加竜骨牡蛎湯」「桂枝加竜骨牡蛎湯」がある。
いずれも精神神経系の疾患に使われる漢方薬である。
ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒の効能効果は、
比較的体力があり、心悸亢進、不眠、いらだち等の精神症状のあるものの次の諸症
高血圧症、動脈硬化症、慢性腎臓病、神経衰弱症、神経性心悸亢進症、てんかん、ヒステリー、小児夜啼症、陰萎
ツムラ桂枝加竜骨牡蛎湯エキス顆粒の効能効果は、
下腹直腹筋に緊張のある比較的体力の衰えているものの次の諸症:
小児夜尿症、神経衰弱、性的神経衰弱、遺精、陰萎
牡蛎(ボレイ)とは何ぞや?というと、その漢字のまま牡蠣(カキ)ですね。牡蠣の殻の部分。
竜骨(リュウコツ)とは何ぞや?というと、大型の哺乳類の骨の化石らしい。昔は恐竜の化石を使っていたから「竜骨」になったとも言われている。今は鹿、象、牛などの化石が使われている。
牡蠣の殻の成分は90%以上が炭酸カルシウムである。
化石の成分は地層にもよると思うが、竜骨の主成分としては、「炭酸カルシウム、リン酸カルシウム」となっている。
カルシウムがイライラに効くというのは、漢方的な考えも影響しているのだろう。
生理でイライラする?
生理中や更年期に情緒不安定になる女性は多い。
女性ホルモンは、脳の視床下部からGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)が放出され、GnRHは脳下垂体に働き卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)が分泌され、FSHの作用によって卵巣から女性ホルモンであるエストロゲンが産生されるという流れである。
脳の視床下部には自律神経をコントロールする働きもあるため、女性ホルモンの分泌は、自律神経の働きにも影響しているのである。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。