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ノンカロリーとカロリーオフの違い
公開. 更新. 投稿者:栄養/口腔ケア.この記事は約3分21秒で読めます.
2,176 ビュー. カテゴリ:ゼロカロリーの飲み物なら太らない?
ノンカロリーとカロリーオフってどう違うの?
缶コーヒーやペットボトル飲料を買うときに、カロリー表示や糖質表示を一応気にして見てしまいます。
しかし、カロリーや糖質に関する表示は色々あります。
ゼロカロリー、カロリーゼロ、ノンカロリー、カロリーオフ、糖質ゼロ、糖類ゼロ、ノンシュガー、シュガーレス、無糖、微糖などなど。
ゼロカロリー表示の飲料は本当はゼロカロリーではない。
食品100mlあたり5キロカロリー未満であればカロリーゼロ、ノンカロリーと表示できるそうです。
この程度のカロリーならそんなに太らないと思いますが。
しかし、人工甘味料の甘味に慣れてしまうと、味に鈍感になるというか、普段の料理でも濃い味を好むような傾向はあるようです。
ここが落とし穴です。
「ゼロ」は「0」ではない?
栄養表示基準では、100g(飲料で100ml)あたり糖類・糖質それぞれの含有量が0.5g未満であれば「無」「ゼロ」「ノン」「レス」のような表示が可能とされています。
ちなみに、カロリーにおいても100g(飲料で100ml)あたり5kcal未満であれば、同様の表現が可能となっています。
つまり、ゼロカロリー、カロリーゼロ、ノンカロリーは全て同じ意味。食品100g(ml)あたりの含有量が、5kcal未満であれば表示できます。
カロリーオフについては、食品100g(ml)あたりの含有量が、40kcal(飲料は20kcal)以下となっているので、緩い表示になります。
ゼロカロリーでも太る?
巷には「カロリーゼロ」「糖質オフ」「低カロリー」といった表示があふれかえる。
ゼロカロリーなら太らない。
ゼロカロリーなら血糖値を上げないし、糖尿病患者が飲んでも問題ない。という認識。
人工甘味料には主に3つの作用があります。①ホルモンに影響を及ぼして体内に脂肪を蓄える。②味覚を鈍化させる。③コカイン以上の依存性がある。
普通の砂糖(グラニュー糖や上白糖)を取ると、血液中の糖の濃度(血糖値)が上がってインスリンがすい臓から分泌され、血液から余分なぶどう糖を除こうとします。その結果、血糖値が下がる。それでも限界があり、次にインスリンは脂肪細胞に働きかけます。余ったぶどう糖は脂肪に変化して体脂肪として脂肪細胞にため込まれます。そのためインスリンは「肥満ホルモン」とも呼ばれます。
日本人は欧米人に比べて、インスリンの分泌能力が約半分しかないため、欧米人のような超肥満体は少ないのですが、その分、糖尿病になりやすいというリスクがあります。
そして、人工甘味料でもインスリンが分泌されることがわかっています。
2013年の報告で、人工甘味料を飲んだ後にぶどう糖液を飲んだときのほうが、水を飲んだ後にぶどう糖液を飲んだときより血糖値のピークが高くなり、インスリンの分泌が20%高くなりました。つまり、「カロリーゼロ」もインスリンや血糖に影響しているのです。
また、人工甘味料がグレリンの分泌を促し、食欲増進、肥満という経路をたどる。
甘味に対する依存性もある。
決してカロリーゼロだから糖尿病患者が飲んでも安心というわけではない。
人工甘味料はゼロカロリー?
人工甘味料にはいろいろありますが、どの人工甘味料が良いのか。
ゼロカロリーの人工甘味料とは何か。
カロリー | 砂糖と比較した甘みの強さ | |
---|---|---|
砂糖 | 384kcal | 1.0倍 |
アスパルテーム | 400kcal | 100~200倍 |
アセスルファムK | 0kcal | 200倍 |
エリスリトール | 0kcal | 0.7倍 |
キシリトール | 240kcal | 1.0倍 |
サッカリン | 0kcal | 500倍 |
スクラロース | 0kcal | 600倍 |
ステビア | 4kcal | 300倍 |
ソルビトール | 260kcal | 0.6倍 |
トレハロース | 400kcal | 0.45倍 |
マルチトール | 210kcal | 0.9倍 |
マンニトール | 160kcal | 0.5倍 |
甘草(グリチルリチン) | 砂糖と同程度 | 250倍 |
希少糖(D-プシコース) | 0kcal | 0.7倍 |
糖類ゼロと糖質ゼロの違い
糖類や糖質は、健康増進法に基づく栄養表示基準により定められています。
それによると「糖類」とは、単糖類と二糖類のことをいいます。
一方、「糖質」とは「糖類」以外に、多糖類、糖アルコール、その他人工甘味料などが含まれます。
つまり「糖類」は、「糖質を構成する一部」ということになります。
さらに、この「糖質」に食物繊維が加わると「炭水化物」を指します。
糖類ゼロとか、糖質ゼロとか、ゼロカロリーとか書いてあると、罪悪感なく摂取してしまう。
コーラなんかもがぶ飲みしてしまうし。
ゼロでもほどほどに。
無糖
ブラックコーヒーでよく見る無糖表示ですが、糖類や糖質が使われていないだけでなく、もともと含まれていないという意味です。
「ゼロ」でも甘みのある秘密
糖アルコールは、甘さは砂糖と同じくらいであっても、体内に吸収されにくくカロリー摂取が抑えられやすい特性から、
低カロリー甘味料として用いられています。
また、人工甘味料のスクラロースなどはカロリーがありません。
「糖類ゼロ」商品では、糖類に代わって糖アルコールや人工甘味料を活用し、低糖類・低カロリー(あるいは糖類やカロリーゼロ)と、味の両立を実現しているのです。
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