記事
耳垢にジオクチルソジウムスルホサクシネート?
公開. 更新. 投稿者:花粉症/アレルギー.この記事は約2分58秒で読めます.
3,790 ビュー. カテゴリ:耳垢除去剤ワックスネート
耳垢除去剤というカテゴリーの薬で、「ワックスネート」という薬が昔ありました。
ワックスネート(ジオクチルソジウムスルホサクシネート)は1970年に薬価収載され、2003年に発売が中止された。
自分自身は処方を見たことはないのですが、耳鼻科領域ではチョコチョコ処方されていた様子。
ワックスネート販売中止以降は、重曹と滅菌精製水とグリセリンを混ぜた耳垢水という薬局製剤で対応しているようでした。
そんな中、
「ジオクチルソジウムスルホサクシネート耳科用液5%「CEO」」というワックスネートのジェネリックが販売されることになったようです。
ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)って下剤じゃね?とピンときた方は鋭い。
腸内で界面活性作用により腸管内容物の表面張力を低下させ、水分の流入を容易にし内容物を膨潤させる、という湿潤性下剤です。
界面活性剤です。
その界面活性作用によって耳垢も出しやすくします。
でも、頻繁に耳掃除するのもよくないって言われるし、うちの奥さんみたいなネットリ系耳垢の人では使う必要は無いかな。
用法は、
通常綿棒等で外耳へ塗布して使用する。除去困難な場合は数滴点耳後5分~20分後に微温湯(37℃)にて洗浄を行う。
高度の耳垢栓塞の場合は1日3回、1~2日連続点耳後、微温湯(37℃)洗浄を行う。
高度の耳垢栓塞というのは、恐らく自分が想像しているレベルの耳垢とは異次元のものなのだろう。
こうして再販売されるということはそれなりの需要があるのだろうけど、お目にかかる日は来るのかな。
ジオクチルソジウムスルホサクシネート耳科用液5%「CEO」の使用方法
耳垢が少量の場合は、薬液を綿棒などに付けて、耳垢を拭きとる。
耳垢の除去が困難な場合は、薬液を直接外耳道に点耳する。
耳垢が外耳道に固く付着している場合は、この処置を1日3回、1~2日続ける。
薬液を直接外耳道に点耳する場合は、①治療する耳を上にして横になる、②容器の先端が直接耳に触れないように注意して薬液を5滴以上点耳する、③点耳後、5分以上そのままの姿勢を保つ、④清潔なガーゼなどを耳に当てて起き上がり、流れ出た液を拭きとる、⑤耳に残った薬や痒みが気になる場合は、ぬるま湯で外耳道を洗い流し、ガーゼでふき取る、の順で行う。
ジオクチルソジウムスルホサクシネートは界面活性剤であるため、肌が弱い患者では、ぬるま湯で洗い流さないと掻痒感や炎症を引き起こすことがある。
また、同薬は使用する際の薬液の温度が低いと、三半規管に影響を与え、めまいや耳鳴りを起こす可能性がある。
この薬は常温保管が可能なため、冷蔵庫で保管しないよう患者に伝える。薬液の洗浄に冷水ではなく、ぬるま湯を使うのも、同じ理由による。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。