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喘息にもCOPDにも使える吸入剤
公開. 更新. 投稿者:喘息/COPD/喫煙.この記事は約1分17秒で読めます.
2,873 ビュー. カテゴリ:吸入剤の適応症
最近、吸入剤の種類が多くて、成分がよくわからなくなっているので、まとめる。
分類 | 医薬品名 | 成分 | デバイス | 適応症 | 息止め |
---|---|---|---|---|---|
β2刺激薬(SABA) | サルタノール | サルブタモール硫酸塩 | インヘラー | 喘息、COPD | 少なくとも3~4秒以上 |
メプチン | プロカテロール塩酸塩水和物 | エアー、キッドエアー、クリックヘラー、スイングヘラー、吸入液 | 喘息、COPD | 数秒間 | |
β2刺激薬(LABA) | オンブレス | インダカテロールマレイン酸塩 | ブリーズヘラー | COPD | 苦しくならない程度 |
オーキシス | ホルモテロールフマル酸塩水和物 | タービュヘイラー | COPD | 不要 | |
セレベント | サルメテロールキシナホ酸塩 | ロタディスク、ディスカス | 喘息、COPD | 少なくとも3~4秒以上 | |
抗コリン薬(LAMA) | シーブリ | グリコピロニウム臭化物 | ブリーズヘラー | COPD | 苦しくならない程度 |
エクリラ | アクリジニウム臭化物 | ジェヌエア | COPD | 3~5秒程度(苦しくならない程度) | |
エンクラッセ | ウメクリジニウム | エリプタ | COPD | 少なくとも3~4秒以上 | |
スピリーバ | チオトロピウム臭化物水和物 | レスピマット、ハンディヘラー | 喘息、COPD(2.5μg) | 苦しくならない程度の間 | |
抗コリン薬(SAMA) | アトロベント | イプラトロピウム臭化物水和物 | エアゾール | COPD | 数秒間 |
抗コリン薬(LAMA)+β2刺激薬(LABA) | アノーロ | ウメクリジニウム/ビランテロール | エリプタ | COPD | 少なくとも3~4秒以上 |
ウルティブロ | グリコピロニウム臭化物/インダカテロールマレイン酸塩 | ブリーズヘラー | COPD | 苦しくならない程度 | |
ビベスピ | グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物 | エアロスフィア | COPD | 3秒以上 | |
スピオルト | チオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩 | レスピマット | COPD | 苦しくならない程度 | |
ステロイド | オルベスコ | シクレソニド | インヘラー | 喘息 | 5~10秒間 |
キュバール | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル | エアゾール | 喘息 | ゆっくち5つ数える間 | |
パルミコート | ブデソニド | タービュヘイラー、吸入液 | 喘息 | 不要 | |
アズマネックス | モメタゾンフランカルボン酸エステル | ツイストヘラー | 喘息 | 軽く息を止める | |
フルタイド | フルチカゾンプロピオン酸エステル | ロタディスク、ディスカス、エアゾール | 喘息 | 少なくとも3~4秒以上 | |
アニュイティ | フルチカゾンフランカルボン酸エステル | エリプタ | 喘息 | 少なくとも3~4秒以上 | |
ステロイド+β2刺激薬(LABA) | フルティフォーム | フルチカゾンプロピオン酸エステル/ホルモテロールフマル酸塩水和物 | エアゾール | 喘息 | 3秒以上 |
レルベア | ビランテロールトリフェニル酢酸塩/フルチカゾンフランカルボン酸エステル | エリプタ | 喘息 | 少なくとも3~4秒以上 | |
シムビコート | ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物 | タービュヘイラー | 喘息、COPD | 不要 | |
アドエア | サルメテロールキシナホ酸塩/フルチカゾンプロピオン酸エステル | ディスカス、エアゾール | 喘息、COPD | 3~4秒程度 | |
アテキュラ | インダカテロール酢酸塩/モメタゾンフランカルボン酸エステル | ブリーズヘラー | 喘息 | 苦しくならない程度 | |
ステロイド+β2刺激薬(LABA)+抗コリン薬(LAMA) | テリルジー | フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物/ ビランテロールトリフェニル酢酸塩 | エリプタ | COPD | 少なくとも3~4秒以上 |
ビレーズトリ | ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物 | エアロスフィア | COPD | 3秒以上 | |
エナジア | インダカテロール酢酸塩/グリコピロニウム臭化物/モメタゾンフランカルボン酸エステル | ブリーズヘラー | 喘息 | 苦しくならない程度 |
吸入ステロイドの有効性
気管支喘息もCOPDも、どちらも炎症性であることは共通しているが、喘息の炎症は好酸球が主体であるため、吸入ステロイド薬が長期管理の中心となるのに対し、COPDの炎症はステロイドが効かない好中球が主体であるため、管理には気管支拡張薬が使われる。
LABAとLAMAの合剤
LABAとLAMAの合剤には以下の薬がある。
スピオルトレスピマット=チオトロピウム臭化物水和物(LAMA:スピリーバ)/オロダテロール塩酸塩(LABA)
ウルティブロ=グリコピロニウム臭化物(LAMA:シーブリ)/インダカテロールマレイン酸塩(LABA:オンブレス)
アノーロ=ウメクリジニウム臭化物(LAMA:エンクラッセ)/ビランテロールトリフェニル酢酸塩(LABA)
COPD治療においては、作用機序の異なる薬剤が併用されることが多く、またそのほとんどの場合で、それぞれ薬剤により吸入器が異なるため、2剤以上の吸入薬使用に、2つ以上の種類の吸入器を用いる必要があり、高齢者率の高いCOPD患者にとって負担が大きく、治療アドヒアランスの低下の原因となる。
そのため、配合剤として1回の吸入で十分な気管支拡張効果を得られ、速やかな症状改善が得られる配合剤のニーズは高い。
中等度以上では、LAMAまたはLABA吸入のレギュラーユース(定期的な使用)が推奨され、単剤で治療効果が不十分な場合またはより重症な場合は2剤以上の気管支拡張薬の併用が推奨されている。
特にLAMAとLABAの併用が推奨されており、これらの併用の有用性は臨床試験でもエビデンスが示されている。
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