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ロンサーフとティーエスワンの違いは?
公開. 更新. 投稿者:癌/抗癌剤.この記事は約2分1秒で読めます.
5,005 ビュー. カテゴリ:ロンサーフ
不勉強な抗癌剤の勉強。
ロンサーフという新しい薬。
ティーエスワンみたいな配合剤らしい。
トリフルリジンとチピラシル塩酸塩の合剤。
本剤は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤です。FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりに直接DNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮すると推測されています。TPI はFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害し、FTDの血中濃度を維持します。
2014年(平成26年)|ニュースリリース|大鵬薬品工業株式会社
チピラシル塩酸塩のほうはおまけみたいなものか。
主役はトリフルリジン。
代謝拮抗薬
代謝拮抗薬の基本から学びなおすと。
DNAとかRNAを構成する核酸塩基には、プリン塩基のアデニンとグアニン、ピリミジン塩基のウラシル、シトシン、チミンがある。
よく使われているのは、フッ化ピリミジン系といわれるフルツロン、5-FU、UFT、TS-1、ゼローダなど。
ロンサーフのトリフルリジンはピリミジン塩基のチミンと構造が似ているため、間違ってDNAに取り込まれて細胞分裂が阻害されるらしい。
TS-1のテガフールは5-フルオロウラシルのプロドラッグである。フルオロウラシルはウラシルと構造が似ているので、間違ってDNAに取り込まれて細胞分裂を阻害。
と思ったら、ウラシルはRNAの核酸塩基だから、ちょっと違う感じ。
DNA合成阻害
5-FUは体内でリン酸化され、活性本体である「5-フルオロデオキシウリジン-5′-一リン酸(fluorodeoxyuridine-5′-monophosphate :FdUMP)」となり、補酵素で還元型葉酸として存在する「5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸]](N 5,10-methylenetetrahydrofolate)」の存在下に、チミジル酸合成酵素(TS)と三元共有結合複合体(ternary complex)を形成することで、TS活性を阻害する。TS活性が阻害されるとチミンの合成が阻害され、DNAが作れなくなる。
また、5-FUは体内で「5-フルオロデオキシウリジン-5′-一リン酸(fluorodeoxyuridine-5′-monophosphate :FdUMP)」となり、これがDNAに組み込まれることでも、DNA合成が阻害される。
RNA合成阻害
5-FUは体内で「5-フルオロウリジン三リン酸(FUTP)に代謝され、UTPの代わりにRNAに組み込まれることで、F-RNAを生成し、RNAプロセシング及び、mRNA翻訳を妨げる。
フルオロウラシル – Wikipedia
DNA合成阻害の作用機序としては、直接DNA鎖に取り込まれるロンサーフのほうがわかりやすい。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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