記事
うがい薬は保険適応外?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約4分37秒で読めます.
6,189 ビュー. カテゴリ:予防目的?治療目的?
結局いまだに歯科からイソジンガーグルのみの処方というのは見かけます。
疑義照会などせずに、「治療目的なのだろう」と判断して、投薬しますが。
そのうち疑義照会しないと、個別指導などで指摘されるのかな。
でも、自分が想定する感染予防目的ってのは、風邪の予防にうがい薬を連用するっていうケースで、歯科の処方ならOKな気がする。
他科から来たら疑義照会するかな。
うがい薬だけを処方する場合の取扱いは?
詳しい話が出てきましたが。
<留意事項通知にて>
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039619.pdf
うがい薬のみの投薬が治療を目的としないものである場合には算定しないことを明らかにしたものであり、治療を目的とする場合にあっては、この限りでない。なお、うがい薬とは、薬効分類上の含嗽剤をいう。
イソジンガーグルの効能効果は、
「咽頭炎、扁桃炎、口内炎、抜歯創を含む口腔創傷の感染予防、口腔内の消毒」
感染予防目的じゃダメなのかな?
イソジンガーグルのみの処方が来た場合、「治療目的ですか?」とかイチイチ疑義照会しなきゃいけないってこと?
なんか怒られそう。
うがい薬は無意味?
うがいは海外ではあまり推奨されてはいませんが、それ自体は悪ではなく効果も示されています。
しかし、日本で多用されるヨード薬の使用はあまり良くなく、むしろ水でのうがいの方が予防効果が高いとされます。
うがいは風邪の予防としてよく出てきます。
特に、うがい薬としてヨードの入ったものが現在も売られていますし、その刺激的な味から何となく効果がありそうに思えます。
しかし、口腔内はもともと常在菌といって菌がいるのが普通の環境です。
よってヨードで菌を全滅させてしまうことは通常の細菌叢を乱してしまいます。
また、その刺激性により気道粘膜を傷つける可能性も指摘されています。
参考書籍:調剤と情報2013.2
飲むうがい薬?
のどぬ~るガラゴック 製品情報 小林製薬株式会社
この「のどぬ~るガラゴック」、名前の通りガラガラゴックンと飲むそうな。
のどぬ~るを飲んでいいのかよ、と思いましたが、中身はヨードでは無い模様。
駆風解毒湯。
漢方薬です。
駆風解毒湯というのは、こういう飲ませ方をするらしい。
医療用には無い。
うがいをして、そのまま飲み込む、のはちょっと抵抗がある。
うがいの感染症予防効果
幼稚園なんかで、冬場になると、お茶うがいをやらせている所があるようです。
水筒にお茶を入れて毎日持たせなきゃならないらしい。
うがいには一定の効果はあると思いますが、お茶である必要性は無いかと。
ヒトの口の中には、100億個以上の菌が棲んでいます。
種類でいうと、400~700種類。
そのなかに、「日和見菌」と呼ばれるものがいます。日和見菌は、健康なときは、何も悪さはしませんが、病気になると暴れ出し、炎症などを起こします。
口の中のそういった菌がウイルスと一緒になって、炎症を拡大させることが考えられます。
日和見菌のなかには、ウイルスそのものを活性化させたり、インフルエンザによる細菌性肺炎に関与したりするものもあります。そのため、こういった菌を除去する口腔ケアが、インフルエンザなどの感染症対策として、有効と考えられている。
バイオフィルムと舌苔
口腔には、腸管と同じように免疫機能があります。
そのため、口腔を清潔にすれば、免疫力が向上し、ウイルスに対する防御力アップにつながります。
しかし、ここでネックになるのが、バイオフィルムの存在。バイオフィルムとは、細菌が凝集してできる生体膜を指す。
歯や舌に、フジツボや苔のようなものがびっしりとこびりついているようなイメージです。
バイオフィルムがあると、唾液だけしかないときに比べて、口腔内の細菌数が1000倍にも増えてしまいますインフルエンザなどのウイルスが侵入した場合、バイオフィルム由来の細菌と共同で生体に襲いかかってくることになります。そのため、バイオフィルムを除去することが、口腔ケアの鉄則です。
歯のバイオフィルム、いわゆる歯垢は、普段の歯磨きで除去することができる。一方で、舌にできたバイオフィルムはなかなか厄介だ。
口腔粘膜は、通常、1週間で自然にはがれ落ち、新しい細胞に生まれ変わります。しかし、舌には味蕾という、味を感じる組織があり、その細胞の生まれ変わりは、1か月と非常に遅いのです。さらに舌には味蕾があるため、表面がデコボコしていて、汚れがたまりやすい。
口やのどに存在する細菌はプロテアーゼやノイラミニダーゼなどの酵素を生産する。プロテアーゼは口やのどの粘膜を守る層を破壊し、ウイルス感染しやすくする。ノイラミニダーゼはウイルスの細胞から細胞への感染を助長する。口内ケアで、これらの酵素を生産する細菌を減らすことができるという。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。