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FAX処方せんで調剤してもいい?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約4分7秒で読めます.
7,994 ビュー. カテゴリ:FAX処方せんによる調剤
FAX処方せんで調剤してもいいのか?
と問われれば、それはNOなのだろう。
調剤は処方せんに基づいて行われるものだから。
FAX処方せん=処方せんとみなしていいのであれば、処方せん原本が不要になるわけで、そんなことはない。
しかし、FAX処方せんを受けたのに、何の準備もしていなければ、
「FAX送ったんですけど、まだ出来てないんですか?」
とか言われるに決まっている。
で、役所が考えた苦肉の策が、「さかのぼって調剤とみなす」ということなのだろう。
さかのぼって調剤とみなす
Q.ファクシミリにより処方せんを保険医療機関から保険薬局へ電送して調剤を行うことは認められるか。
A.当該病院等の関係者が直接または患者あるいはその看護にあたる者を誘導して、処方内容を特定の薬局に電送することは、特定の保険薬局への患者誘導を禁止した療担規則及び保険薬局の医療機関からの構造的、経営的独立を規定した薬担規則に抵触するので認められない。
ただし、患者自身が選択した保険薬局に処方せんを電送し、薬局においてその電送された処方内容に基づき薬剤の調製等を行う場合は、患者等が当該保険薬局に処方せんを持参し、その処方せんを受領、内容を確認することにより、さかのぼって調剤とみなされる。
ファクシミリにより処方内容をあらかじめ電送することは、患者に交付される処方せんを地域の保険薬局で円滑かつ的確に調剤し、患者サービスの向上に資することが目的であり、おおむね次の点に留意する必要がある。
①ファクシミリで電送された処方せんは、あくまで処方せんの写しであり、正規の処方せんではないこと。
②患者がファクシミリを利用して処方せんを電送する場合、自由に利用できる場所にファクシミリが設置され、できるかぎり当該地域の全ての保険薬局の一覧表が掲示されているなど、患者が薬局を自由に選択できる体制が客観的に認められていること。
③医療機関と薬局は、ファクシミリの利用にあたり運用に遺憾のないよう十分協議を行うこと。
FAX処方せんの有効期限
処方箋の期限は、4日間と定められています。
保険医療機関及び保険医療養担当規則(療担規則)第20条の3(歯科の場合は第21条の3)には、「処方せんの使用期間は、交付の日を含めて四日以内とする」とあります。
この4日間という期限は厳密に定められており、患者の側に特殊な事情があると認められない限り、変えられるものではありません。
「忙しくて薬局に処方箋を持って行く暇がなかった」といった理由では、もちろん認められない。
また、24時間開局している薬局に処方箋を持参する場合などは、処方箋の有効期限として記載された日が明けてしまえば、たとえ来局が30分遅れただけでも、その処方箋は無効となってしまいます。
患者が処方箋をファクスで送信した場合、処方箋をファクスで前もって受け取ったとしても、これは処方箋の原本ではないので、法的な効力はありません。
ファクス処方箋は、「これから薬局に行きますよ」と患者が事前に処方内容を通知することで、薬局が在庫がなければ前もって手配をするなど、調剤から投薬までを効率良く進めるための1つの手段にすぎず、正式な応需とはみなされません。
また、患者からファクスで処方箋が送信されてきて薬局が準備をしていても、実際に患者が来局しなかった場合、薬局側が準備するのに掛かったコストを請求することもできません。そのため、ファクス処方箋を受け取る際には、行き違いのないよう、あらかじめきちんと患者に伝えておく必要があるでしょう。
患者側の過失で処方箋の期限が切れてしまった場合などで、患者から「薬局の裁量で何とかしてほしい」などと頼まれたとしても、対応してはいけません。
処方箋の期限を変えることは有印私文書偽造罪に当たるため、本人が処方医に再発行を依頼するしかありません。
「薬局では対応できない」と断ることは全く問題ありません。
処方箋は受診時の診断に基づいて発行されており、急性疾患で4日以上も経過しているので病状が悪化している状況も考えられること、それによって医師の診断や処方内容も変わる可能性が高いことを伝え、改めて受診するよう促すのが適切である。
FAX処方せんの受付時間は?
FAXで薬局に処方箋が送られてくる場合があります。
ほとんどの薬局では、FAXが送られてきた時点で入力を済ましていると思います。
そのため、FAXを受信した時が、受付時間となります。
しかし、通達では
「調剤は患者等が持参する処方箋を受け取って内容を確認することにより完結するものであり、ファクシミリで電送された処方内容に基づいて行う薬剤の調整等は、患者等が持参する処方箋の受領、確認により、遡って調剤とみなされる」
とあります。
つまり、処方箋を実際に持ってきた時点が受付時間です。
金曜日にFAXを送って、土曜日の午後に来局した患者さんからは、夜間・休日等加算を算定するため、入力を直す必要があります。
患者さんによっては、FAXを送ったからということで処方箋原本を忘れてくる人もいます。
麻薬のFAX調剤
Q:ファクシミリにより麻薬処方せんを受信して調剤をしたが,患者が処方せんを持参して取りに来なかった場合はどうしたら良いか?
A:再利用が可能な医薬品については調剤前の麻薬として再利用が可能で,再利用が不可能な医薬品(液剤等)については「麻薬廃棄届」により事前に都道府県知事に届け出て,麻薬取締員等の立会いの下に廃棄する。
FAXの誤送信で調剤しちゃってダメにした薬、ありますね。
麻薬だとかなり面倒くさそう。
高い薬だと、患者に請求したくなりますね。
参考書籍:保険薬局業務指針2010年版
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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