記事
クローン病にペンタサの粉砕?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約2分29秒で読めます.
7,135 ビュー. カテゴリ:クローン病にペンタサを粉砕?
ペンタサは小腸・大腸で薬効成分が放出されるよう製剤設計されています。
したがって錠剤で服用すると、上部消化管の粘膜にはほとんど接触しないと考えられます。
そこで、錠剤を粉砕、という指示をする医師がいます。
ペンタサ最大用量の12錠のうち3錠を粉砕し、9錠は錠剤のままというような処方です。
小腸・大腸の病変に9錠分、十二指腸の病変に3錠分が接触しやすいよう、剤形を変えるというわけです。
粉砕する錠数を変えれば、別の部位の病変にも対応できます。
コップの水に錠剤を溶かし、口内をすすいでから飲み込むと、クローン病患者の口内炎の治療にも有効とのこと。
ちなみに、添付文書上では、
服用時:本剤は二分割して服用可能であるが、放出調節製剤であることより、かまずに服用すること。また、乳鉢による混合粉砕は避けること。
となっており、半割は割線がついているので可能ですが、粉砕は不可。
疑義照会します。
ペンタサ顆粒という製剤もあるので、上記のようなペンタサ錠の粉砕指示が来たら、「ペンタサ顆粒への変更は可能か?」と問い合わせますが、ペンタサ顆粒も「服用時:本剤は放出調節製剤であることより、かまずに服用すること。また、乳鉢による混合粉砕は避けること。」とのことなので、処方意図を考えるとペンタサ錠の粉砕になるんだろうな。
自家製剤加算は算定できないけど。
ペンタサ顆粒94%
ペンタサには顆粒剤がある。
錠剤が飲みにくい場合や、1回服薬錠数が多くなる場合に服用しやすくする狙いで開発された。
ペンタサ顆粒の分包品には、250mg、500mg、1,000mg、2,000mgという成分量の包装があります。
ペンタサ顆粒の規格は94%で、1,060mg中メサラジン1,000mgが含有されている。
そのため、それぞれの製剤量は、250mg(0.265g)、500mg(0.53g)、1,000mg(1.06g)、2,000mg(2.12g)となる。
ペンタサ錠は粉砕できないので、助かる。
ペンタサ錠は活性本体の5-アミノサリチル酸(5-ASA)をエチルセルロースの多孔性被膜でコーティングし、小腸から大腸の全域にわたって放出するよう製剤設計された放出調節製剤(Controlled-release formulation)ですので、粉砕すると、この放出調節機能が失われてしまうため、粉砕投与はお勧めできません。
キョーリン製薬HP
錠剤が大きくて飲み込めない場合は、割線で割って服用するか、錠剤を水または微温湯に漬けると、すぐに崩壊しますので、崩壊した溶液を懸濁状態にして服用する方法もあります。(用時調製)
簡易懸濁法なら可能です。
ペンタサ顆粒の処方
ペンタサ顆粒 4g
という処方せんを見たときに、どういう入力をすればよいか。
ペンタサ顆粒は、1.06g中に1gのメサラジンが含有されています。
そのため、成分量なのか製剤量なのか、曖昧だと調剤できない。
ペンタサ顆粒にバラ包装は無く、分包品しか無い。
250mg含有、500mg含有、1,000mg含有、2,000mg含有と4種類の分包品である。
そのため、恐らく「4g」という処方は成分量だと思われる。でも違うかも知れない。
入力時に4gとそのまま入力した場合、製剤量として入力されてしまう。
4gが成分量である場合は、4.24gと入力しなければならないわけだ。
ちょっと混乱。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
2 件のコメント
ペンタサ錠500mg 8錠飲んでいるのですが 薬価98.4円
ペンタサ顆粒94% に変更したときメサラジン500mg含有の分包 4分包(1g/1分包)で宜しいのでしょうか、
又 薬価1g=164.90円
という事でしょうか宜しくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
ちょっと考えることがあったので、本文に追記します。
質問ありがとうございます。