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エビスタとエストロゲンを併用しちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:骨粗鬆症.この記事は約2分16秒で読めます.
3,988 ビュー. カテゴリ:エビスタとエストロゲン製剤の併用
併用注意の項目には書かれていませんが、その他の注意に、「外国において、本剤と経口エストロゲン製剤を併用した閉経後女性で子宮内膜厚が増加したとの報告がある。」と書かれています。
うーん、どうだろ。
出血しやすくなるのかな。
まあ、問題なさそうですが。
女性ホルモンと骨粗鬆症
・結合型エストロゲンは、骨量増加、椎体・非椎体骨折ともに抑制する(グレードA)(ただし、わが国では骨粗鬆症の適応はない)。
・冠動脈疾患、脳卒中、静脈血栓症、浸潤性乳癌の危険率を上昇させる報告があり、骨粗鬆症に対する使用は困難。
・骨粗鬆症に保険適応のあるエストリオール、17βエストラジオール貼付剤に関してのエビデンスは乏しい。
卵胞ホルモン製剤は、閉経後女性を対象とした大規模臨床試験(WHI)で、乳癌・心血管系イベント・血栓症の発生増加が示され、またSERMが臨床応用されたこともあり、骨粗鬆症治療の一線からは退いた。
しかし、骨への効果はSERMよりも強いと考えられており、性腺機能低下症を伴う若年女性患者や閉経後早期で乳がんや血栓症のリスクが低く、更年期障害が強い症例では現在も有用である。
子宮のある女性では、子宮内膜癌防止のためプロゲステロン製剤を併用するが、SERMでの代用も検討されている。
血栓症リスクは、高血圧・糖尿病・脂質代謝異常症や長期臥床患者などで高く、また経口製剤の方が経皮製剤よりも高い。
SERMの特徴は?
閉経後数年の骨粗鬆症患者では、骨粗鬆症以外に閉経後の代謝異常全般を是正できる選択的エストロゲン受容体モジュレーターが第一選択薬となる。
ただし更年期症状のないことが前提となる。
SERMはエストロゲン受容体に結合し、組織特異的にエストロゲンのアゴニストやアンタゴニストとして作用する化学物質の総称である。
ラロキシフェンは骨・脂質代謝にはアゴニストとして、子宮内膜・乳房組織にはアンタゴニストとして作用し、ビスホスホネートと異なり石灰化を介さずに骨強度を増加する。
ラロキシフェンには日本人では報告が少ないが血栓塞栓症の副作用があるために、寝たきりとなる可能性のある高齢者には使いにくいが、閉経後比較的早期の女性では抗乳癌作用、脂質代謝改善作用も期待できるので第一選択薬といえる。
内因性の女性ホルモンが分泌されている未閉経の女性に対してはアンタゴニストとして作動し、本来の骨代謝作用が期待できないので禁忌である。
ラロキシフェン塩酸塩
・骨密度増加効果、椎体骨折を防止する(グレードA)。
・非椎体骨折防止効果については、投与対象が若年の閉経後骨粗鬆症で骨折率が低く未確定。有するとの報告も存在する(グレードB)。
・骨代謝を閉経後より閉経前に戻すのみで、ビスホスホネートのおうに骨代謝の過剰抑制の心配はない。
・ラロキシフェン(SERM)は、1日のうち飲みやすい好きな時間を選んで、毎日ほぼ同一の時間に服用してください。海外旅行や、長時間のバス旅行など、長時間、特に足を下垂した状態や体を全く動かせない状態になる場合、静脈血栓予防のためにその3日前までに服用を休止してください。
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