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ジュースに混ぜちゃいけない薬は?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約6分14秒で読めます.
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小児に飲ませるときの注意
「味」の問題でジュースやミルクに混ぜないほうが良い、と言われる薬はありますが、そこはひとまず置いておいて、薬効に影響する組み合わせ、添付文書上にジュース等との混合に注意書きのある薬について取り上げる。
医薬品名 | 添付文書上の記載 |
---|---|
クラリスドライシロップ10%小児用 | 酸性飲料(オレンジジュース、スポーツ飲料等)で服用することは避けることが望ましい。有効成分の苦味を防ぐための製剤設計が施してあるが、酸性飲料で服用した場合には、苦味が発現することがある。 |
ジスロマック細粒小児用 | 本剤は小児が確実に服用できるように主薬の苦味を防ぐためのコーティングが施してあるので、水又は牛乳等の中性飲料で速やかに服用すること。 なお、酸性飲料(オレンジジュース、乳酸菌飲料及びスポーツ飲料等)で服用したり、噛んで服用した場合、また、調剤時につぶした場合には、苦味が発現することがあるので、避けることが望ましい。 |
フロモックス細粒小児用 | 1. 本剤は主薬の苦みを防ぐ製剤になっているので,細粒をつぶしたり,溶かしたりすることなく,水等で速やかに服用すること。2. 服用にあたって,やむを得ず本剤を牛乳,ジュース,水等に懸濁する必要がある場合には速やかに服用すること。(時間の経過とともに力価が低下する。) |
ユナシン細粒小児用 | 本剤は主薬の苦味を防ぐためコーティングをほどこしてあるので、細粒をつぶしたり溶かしたりすることなく、酸性飲料を避け、水又は牛乳で速やかに服用すること。 |
薬をジュースに混ぜて飲んじゃダメ?
薬は1回分の量を水または白湯で服用するのが原則です。
ただし、小児では苦味を嫌って水で飲まない場合もあるため、いろいろと工夫がなされています。
例えば、ジュースや牛乳、ヨーグルト、アイスクリームなどに混ぜて飲ませたり、服薬補助ゼリーで服用する場合もあります。
この場合、確実に飲むことができ、薬が溶ける最小量の飲食物に溶かしてすぐ服用すれば問題はないと考えられています。
しかし、胃の酸性で成分が溶け出すように工夫されている薬剤は、オレンジジュースや乳酸菌飲料、スポーツドリンクなど酸性の飲料や食品に溶かすと、かえって苦くなるため、子どもがいやがって薬を飲まなくなったり、吸収に影響が出たりする場合があります。
また、服薬補助ゼリーは、①医薬品との物理的相互作用がないこと、②口中や食道に付着残存せず、胃まで医薬品を到達させることができる物性であること、③医薬品の崩壊性、溶出性に影響を及ぼさないこと、④糖尿病患者も利用できるようインスリン代謝に影響を及ぼさないこと、⑤誤飲しても問題ない組成であること、などが考慮された製品ですが、なかには酸性のものもあるため、同様の注意が必要です。
そのほか、牛乳、ヨーグルト、粉ミルク、乳酸飲料に含まれるカルシウムイオンと結合し、吸収が低下する薬や相互作用のある薬にも注意が必要です。
そのような薬を粉ミルク、牛乳、コーヒー牛乳、乳製品と混合する場合には気をつけます。
なお、授乳期・乳児の場合には、薬をミルクに混ぜると、味の変化が原因でミルク嫌いになる可能性があるので、なるべく避けるほうがよいでしょう。
ジュースなどと混合する場合には、用時溶解とし、できるだけ速やかに服用するよう注意が必要です。
フロモックス小児用細粒の添付文書には、「服用にあたって、やむを得ず牛乳、ジュース、水などに懸濁する必要がある場合には速やかに服用すること(時間の経過とともに力価が低下する)」と記載されています。
他の薬剤についても同様な注意が必要です。
また、クラリスロマイシン、セフカペンピボキシル塩酸塩(フロモックス)、スルタミシリントシル酸塩水和物(ユナシン)など、懸濁性が問題となる薬剤では、お茶を用いると一層懸濁性が悪くなり、かえって飲ませにくくなります。
おくすり飲めたね
「おくすり飲めたね」(龍角散) は、小児向けに開発されたゼリー状の服薬補助食品。
果物味( いちご味・ビーチ味・ぶどう味) とチョコレート味があるが、果物味はpH3.7 の酸性でありマクロライド系の抗菌薬などと混ぜると苦味が増す場合がある。
一方、チョコレート味の服薬補助ゼリーは、pH7.0 の中性で、口の中で薬物が溶けにくい液性になっている。
舌部の味蕾にある苦味受容体からのシグナルを一時的にカットし、苦味を軽減させる。
開封後の賞味期限は、果物味は7日間だが、チョコレート味は3日間と期間が短いため、注意が必要である。
その理由として、酸性下の方が菌の繁殖が抑えられることが考えられる。
ジュースなどとの混合に注意が必要な薬
ジスロマック細粒小児用
・主薬の苦味を防ぐためのコーティングが施してあるので、酸性飲料で服用したり、噛んで服用した場合、また、調剤時につぶした場合には、苦味が増強する。
・水または牛乳、アイスクリーム、お茶などの中性飲料がおすすめ。これらに混ぜた場合は速やかに服用すること。
クラリスドライシロップ
・酸性飲料で服用すると苦味が増強する。
・アイスクリーム(バニラ、チョコレートなど)、プリン、コンデンスミルク、砂糖、ココアパウダー、ピーナッツクリーム、クリームパウダー・ミルク(コーヒー用)、水ようかんなどがおすすめ。
ミオカマイシンドライシロップ
・酸性飲料で服用すると苦味が増強する。
・牛乳、お茶類などで速やかに服用すること。
エリスロシンドライシロップ
・酸性飲料で服用すると苦味が増量、力価が低下。
・アイスクリーム、牛乳がおすすめ。
リカマイシンドライシロップ
・主薬の苦味を防ぐためのコーティングが施してあるので、酸性飲料で服用すると苦味が増強する。
・牛乳、粉ミルク、ウーロン茶、麦茶などで服用しにくくなる。
・アイスクリーム、ココアなどがおすすめ。これらに混ぜた場合は速やかに服用すること。
フロモックス小児用細粒
・主薬の苦味を防ぐ製剤になっているので、細粒をつぶしたり、溶かしたりすることなく、水などで速やかに服用すること。
・牛乳、ジュース、水などに懸濁する必要がある場合は、時間の経過とともに力価が低下するので、速やかに服用すること。
・バニラアイスクリーム、ヨーグルト、牛乳、オレンジジュース、ミックスジュース、ピーチジュース、お茶類などがおすすめ。
メイアクトMS小児用細粒
・アイスクリーム(バニラ味)、牛乳、お茶類などがおすすめ。これらに混ぜた場合は速やかに服用すること。
バナンドライシロップ
・オレンジジュース、スポーツ飲料、牛乳、アイスクリーム、ヨーグルトなどがおすすめ。水に混ぜると苦味が増強。
ユナシン細粒小児用
・酸性飲料などと混ぜると、苦味が増強する。
・細粒をつぶしたり溶かしたりすることなく、酸性飲料をさけ、コップ1杯程度の水または牛乳で速やかに服用すること。
ビクシリンドライシロップ
・酸性飲料で服用すると苦味が増強、力価が低下。
クラバモックス小児用ドライシロップ
・アップルジュース(味が変化する)、ヤクルト・乳酸菌飲料(沈殿が生じる)とは混ぜないこと。
・オレンジジュース、ヨーグルト、アイスクリーム(特にチョコ味)などがおすすめ。
・食直前に服用すること。
ファロムドライシロップ小児用
・市販飲料により調整する場合は、用時調整し、速やかに服用すること。
アイピーディドライシロップ
・白濁や沈殿、特異な芳香がするものとして、カルピスウォーター、クー(オレンジ)、なっちゃん(オレンジ)、ブルガリア飲むヨーグルト、ポカリスエット、南アルプスの天然水、ヤクルト、牛乳が挙げられている。
マクロライド系薬物を酸性飲料に混ぜてはダメ?
ジスロマックやクラリスなどのマクロライド系薬物は酸性飲料に混ぜてはいけない。
これらの薬は、苦味をコーティングしてありますが、コーティングが酸で溶けてしまい苦味が出てきて飲みづらくなるため。
「おくすり飲めたね」というゼリー状オブラートもありますが、ピーチ味、いちご味、ブドウ味などには酸味料が入っているため、混ぜられない。
唯一チョコレート味のみ、混合可能というわけです。
ジュースといえば、ほとんどが酸性の飲料ですので、マクロライド系はジュースと混ぜてはいけない、と指導したほうがいい。
ジュースはダメ、ポカリなどのスポーツドリンクもクエン酸が入っておりダメ、ヨーグルトや乳酸菌飲料もダメ。
牛乳とかココアなら大丈夫。
と、飲料に限るとかなり制限される。
アイスとか、プリン、コンデンスミルク、みたいなものも大丈夫。
ゼリーは酸性のものが多いかな。
オラペネムをジュースに混ぜちゃダメ?
オラペネムは、オレンジジュース、スポーツ飲料、ヨーグルトおよびプリンなど酸性物質と配合すると苦味が現れて力価残存率も低下(約70%まで)することが確認されているため、混合して服用するのは避けて下さい。
タミフルのおいしい飲み方は?
タミフルは苦味に加え、香辛料の八角に似たにおいがするので、嫌がる子供がいます。
甘くて風味の強いものと一緒に食べさせるといいです。
チョコアイスは、甘味や風味に加え、冷たさが味覚を鈍らせて効果的です。
イチゴ味などの甘いヨーグルトやココアなどに混ぜるのもいいです。
アスピリンの粉
アスピリンは加水分解される代表的な物質であり、水に溶解するとサリチル酸と酢酸に分解するため、酸味を感じる。
酸味のあるジュースなどに混ぜると、ごまかしやすいが、ジュースに溶解した場合、分解が進行し、どの程度効果が減弱するのかが分からないため、アイスクリームやプリンといった固形物に挟むなど、なるべく飲料に溶かさずに服用させたい。
加水分解に関しては、アスピリンの添付文書の「取り扱い上の注意」の項に「吸湿によって脱アセチル化が起こり、この際生じる酢酸がさらに変化を促進するので、乾燥をよほど厳密にしないと、びん等気密容器に蓄えることはかえってよくない」とされており、保管に注意すべき医薬品である。
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