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点耳薬の使い方は?
公開. 更新. 投稿者:めまい/難聴/嘔吐.この記事は約4分51秒で読めます.
9,703 ビュー. カテゴリ:点耳薬の使い方
点耳薬ってどうやって使うの?
点耳薬の使い方は医療機関では説明されていないことも多く、薬局で説明を求められることもある。
点耳薬の使い方
1. 手をよく洗います。
2. 薬を冷たいまま耳にさすと、めまいを起こすことがあります。手の平で点耳薬の容器を体温程度になるまで温めます。
3. 薬をさす耳が上になるように頭を傾げるか、横向きに寝ます。
4. 耳たぶを軽く後ろに引っ張るようにして、指示された滴数だけ薬を耳の中に滴下します。
5. 3~5分そのままの姿勢を保ちます。
6. 清潔なガーゼやティッシュペーパーを耳にあてて起き上がり、流れ出た薬液は拭き取ります。
指示された滴数だけ薬を耳の中に滴下しますが、その滴数が指示されていない処方箋も多い。
点耳薬の用法をみてみると、
タリビッド耳科用液
通常、成人に対して、1回6~10滴を1日2回点耳する。点耳後は約10分間の耳浴を行う。
なお、症状により適宜回数を増減する。小児に対しては、適宜滴数を減ずる。
ロメフロン耳科用液
通常、1回6~10滴点耳し、約10分間の耳浴を1日2回行う。なお、症状により適宜回数を増減する。
リンデロン点眼・点耳・点鼻液
通常,1日1~数回,適量を点耳,点鼻,耳浴,ネブライザー又はタンポンにて使用するか,又は患部に注入する。
なお,症状により適宜増減する。
6~10滴ということは、適当に浸る程度でよいだろう。
小児では使用量を減らして、1回2~3滴という指示もあるが、耳の大きさは大人も子供も大きく変わらないので、量を減らす必要性があるかどうかは不明。
点耳後の姿勢保持について添付文書には約10分間と書いてありますが、現実的にそこまで長時間保持するのは難しい。特に小児については難しい。
点耳薬は温める?
冷えた点耳薬を滴下すると、外耳道や中耳腔周辺の温度が急速に低下し、前庭が刺激されて回転性のめまいが起きることがある。
これを防ぐため、点耳薬は使用前に体温程度に温めて使用する。
5分間ほど手に握っているとよいだろう。
37℃くらいのぬるま湯につけておいてもよいが、ビニール袋に入れるなどして、容器のラベルをぬらさないように注意する。
2種類以上の点耳薬の点耳順序
中耳炎で痒みも訴える場合、抗菌薬とステロイドの2剤が処方されることも少なくない。
効果の優先順位を考慮して、重症の場合は抗菌薬を先に、感染が軽度で痒みが強い場合はステロイドを先に点耳するように指導する医師もいる。
点耳のコツ
点耳の際は、治療する側の耳が真上を向くように側臥位を取る。
低めの枕を当てて、頭と背骨がまっすぐになるように寝る。
そして、耳介を後頭部側に軽く引っ張って外耳道をまっすぐにした状態で、なおかつ耳介を上下に動かしながら点耳すると、中耳腔に薬液が入りやすい。
薬液への汚染を防ぐため、容器の先端が直接、耳に触れないようにして、医師の指示量を滴下する。
一気に滴下すると、めまいを起こしやすいので、2秒に1滴くらいが目安である。
小児のみでなく、成人でも、可能な限り家族などに点耳してもらったほうがよい。
耳の上で容器が耳に触れないように保持することや、目視せずに適量を滴下することは難しい。
独居などで、別の人に点耳してもらうことができない場合には、どれくらいの力で容器を押すと1滴出るのかを覚えてもらってから使用してもらうようにする。
点耳薬の多くは、少し多めに滴下しても副作用などの心配はほとんどないが、過量に使えば足りなくなるので、適量を使うように指導する。
点耳後は、十分に薬を作用させるため、約10分間そのままの姿勢を保ち、耳浴する。
耳浴後は、清潔なティッシュペーパーなどを耳に当てて起き上がり、耳の外へ流れ出た薬液を拭き取る。
薬液は無理に出す必要はないが、耳が塞がって聞こえが悪いという場合には、綿棒でそっと拭くか、プールで耳に水が入ったときに水を抜くように、どこかにつかまって片足立ちで軽く頭を振るようにすると、すっきりする。
鼓膜に穴が開いてないと点耳薬は無効?
急性中耳炎に対する外用抗菌薬は、鼓膜に穴が開いていないと中耳腔まで薬剤が届かず無効となる。
一般に、耳漏は鼓膜穿孔があると判断できるが、耳漏が穴を塞いでいたり、穿孔径が小さい場合は薬液が通過できない。
外用抗菌薬を使うに当たり、中耳腔に到達できる環境にしておかなければならない。
鼓膜穿孔の直径が1mm以下の場合は、鼓膜の表面張力により、薬液が中耳腔に入りにくい。そのような場合には、嚥下させながら滴下するとよいという。
また、外耳道の入り口を親指の腹で塞ぎ、ゆっくりと押しては戻す(陽圧、陰圧にする)ことを5~6回繰り返す方法も有効だ。
ガイドラインでは「鼓膜換気チューブ留置などで中耳内に点耳薬が十分投与・到達可能な症例に感受性を考慮して使用する」ことが推奨度Aとされている。
中耳ってどこ?
中耳
・耳の鼓膜から奥のことをいい、中耳腔、耳小骨、耳管からなる。
・鼓膜から内耳(三半規管、蝸牛、前庭)へ空気の振動(音など)を伝えるはたらきをしている。
中耳は鼓膜の中にあります。
なので、通常健康な人が耳に液体を入れても中耳まで届きません。
耳から牛乳を入れて鼻から出す、という離れ技をする人は鼓膜に穴が開いています。
点耳薬が処方されている患者さんは鼓膜穿孔がある患者さんです。
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