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抗ヒスタミン薬が乗り物酔いに効く?吐き気止めは効かない?
公開. 更新. 投稿者:花粉症/アレルギー.この記事は約4分46秒で読めます.
6,044 ビュー. カテゴリ:乗り物酔いと抗ヒスタミン薬

車に乗って酔う人がいます。私も子供のころはよく吐いていました。
吐くので、吐き気止めが効くんじゃないかと思ってしまいます。ナウゼリン(ドンペリドン)やプリンペラン(メトクロプラミド)などの吐き気止めが効くんじゃないかと。
しかし、乗り物酔いにそれらの薬は効きません。
乗り物酔いの原因は、内耳にある平衡感覚をつかさどる三半規管や耳石の働きが乱されることで起こります。
三半規管や耳石の乱れが、脳に伝わり自律神経が乱されて、嘔吐中枢が刺激され吐きけをもよおします。
これは脳の嘔吐中枢をヒスタミンが刺激すると考えられています。
そのため抗ヒスタミン薬が、延髄にある嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射を抑える作用があるので、乗り物酔いに使われます。
ナウゼリンやプリンペランは主に胃腸の働きを調整することで働き、内耳には働かないので、吐き気止めにはなるけど、酔い止めにはなりません。
市販の酔い止めに含まれる抗ヒスタミン薬としてジフェニドール塩酸塩や塩酸メクリジンなどがあります。
トラベルミンRに含まれるジフェニドール塩酸塩は、内耳の前庭神経の調節作用に加えて、内耳の血流改善作用も示します。
トラベルミンファミリーに含まれる塩酸メクリジンは、ほかの抗ヒスタミン薬と比べて作用が現れるのが遅く、持続時間が長いという特徴を持ちます。
乗り物酔いとトラベルミン
医療用の酔い止めとして、トラベルミン配合錠があります。成分は抗ヒスタミン薬であるジフェンヒドラミンサリチル酸塩とキサンチン誘導体のジプロフィリンです。
効能効果は「動揺病」「メニエール症候群」となっています。
動揺病=乗り物酔いです。
めまいに伴う悪心・嘔吐に,抗ヒスタミン薬が処方されるのはなぜか?
めまいの際には前庭自律神経反射に基づき悪心・嘔吐が生じるが、前庭自律神経反射は前庭系刺激が脳幹の嘔吐中枢のヒスタミンH1受容体を介して伝達される。そのため抗ヒスタミン薬は制吐作用を示し、前庭性嘔吐の抑制に用いられる。
動揺病に適応のある医療用医薬品として、トラベルミン以外に、ドラマミン(ジメンヒドリナート)やヒベルナ・ピレチア(プロメタジン)がある。
ちなみにジメンヒドリナートの構造式は、見るとわかるが、

2つの成分が合わさっている。ジフェンヒドラミンと8-クロロテオフィリンの配合薬である。
つまり、抗ヒスタミン薬とキサンチン誘導体のハイブリッド薬である。
酔い止めにテオフィリン?
市販の酔い止め薬にテオフィリンなどのキサンチン系薬剤が配合されていることがあります。
医療用のテオフィリンの適応は、「気管支喘息,喘息性(様)気管支炎,慢性気管支炎,肺気腫」などで、
脳では、平衡感覚を司る内耳や眼からの視覚情報を基に姿勢を制御しています。
自動車などの揺れにより内耳のリンパ液等が振動した状態になると、視覚情報と内耳からの情報に矛盾が生じ、自律神経中枢が混乱します。
その結果、自律神経がコントロールしている胃腸などが刺激を受け、胃酸分泌、唾液分泌、平滑筋痙攣等が怒ります。
さらに自律神経中枢と接している嘔吐中枢も刺激を受け、吐き気を催します。
中枢神経に作用するキサンチン系薬剤を事前に服用した場合、中枢神経の興奮が高まる為、混乱のもとになる異常感覚入力が抑制され、乗物酔いが予防されるといいます。
車に乗る前にお茶とかコーヒーなどのカフェイン含有飲料を飲んでも良いのかも知れないが、吐くと困る。
自分の運転で乗り物酔いになることは、ほぼ無いが、抗ヒスタミン薬を飲んで運転するのは眠気を伴い危険なので、その場合はテオフィリン系の酔い止めがいいだろう。
喘息患児は酔い止めに注意
乗り物酔い止め薬(鎮暈薬)には、テオフィリンやカフェインが配合されているものがあるので、成分の重複などに注意します。
これらは、中枢神経刺激作用により乗り物酔いを予防したり、眠気などの副作用を軽減する目的で配合されています。
喘息で薬物治療中の子供が酔い止め薬を使う場合、注意する。
酔い止めにはテオフィリン以外にも様々な成分が含まれており、喘息患児が注意すべき成分が含まれている。
抗コリン作用をもつ成分(スコポラミン)により、気管支分泌量減少、粘着性増大が起こり、喀痰など分泌物の排出が困難となる恐れがある。服用する場合は十分な水分補給をするよう勧める。
また、年齢によって服用できない成分もあるので、年齢を確認し薬剤を選択する。
・プロメタジン:15歳未満の小児に投与禁忌
・アミノ安息香酸エチル:6歳未満の乳幼児に投与禁忌
車の酔い止めに含まれる成分
抗ヒスタミン成分:嘔吐中枢抑制作用により、乗物酔いによる吐き気、嘔吐、めまいなどの症状を予防、緩和します。
・塩酸ジフェニドール
・塩酸メクリジン
・サリチル酸ジフェンヒドラミン
・ジメンヒドリナート
・マレイン酸クロルフェニラミン
副交感神経抑制成分:間隔の混乱を軽減させることにより、乗物酔いによる不快な症状を予防します。
・臭化水素酸スコポラミン
・ロートエキス
中枢神経興奮成分:中枢興奮作用があり、感覚混乱のもとになる異常な感覚入力を抑えて乗物酔いを予防します。
・ジプロフィリン
・テオフィリン
・無水カフェイン