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褥瘡の誤った対処法いろいろ
公開. 更新. 投稿者:褥瘡.この記事は約4分14秒で読めます.
2,715 ビュー. カテゴリ:褥瘡にドライヤー?
誤りその② 「傷は乾燥させて治す」
古くから傷は早く治すためには乾燥させることだと信じられていました。そのためドライヤーを使って褥瘡を乾燥させている方までいらっしゃいました。しかし、皮膚の細胞増殖を助けるには、乾燥より適度な湿度が必要のことが分かってきました。最近の創傷被覆剤(傷を覆って治るのを助けるドレッシング剤)はそのような理論に基づいて開発されています。
モイストヒーリングってヤツですね。
傷口がジュクジュクしてると早く乾かしてカサブタにしてしまったほうが良いんじゃないかと、思ってしまいがちかな。
傷口に息でフーフーしてる子どもとかいるよね。
褥瘡に円座はダメ?
Q.円座(ドーナツ型クッション)を使用してもいいか?
A.円座(ドーナツ型クッション)の使用は避けてください。
円座を使用すると、皮膚にあたる部分に圧力が加わることにより血流が悪くなり、褥瘡(床ずれ)ができることがあります。また、座るときに円座を使用すると姿勢が不安定になります。
車イスで褥瘡?
褥瘡は寝たきりで発生しやすいが、座りきりによる坐骨部の褥瘡発生の頻度も高い。
家庭やデイサービスで車椅子に1日中座っていることは褥瘡発生のハイリスクのひとつである。
車椅子は介護保険で手軽に借りられるようになった便利なものであるが、ほとんどの車椅子は、使用する個人の体型や、座ったときの座面にかかる圧迫までは考慮されておらず、体に合わないことが多い。
ずり落ちた姿勢では、普通に座ったときの数倍もの圧が加わっている。
除圧のクッションの選択だけでなく、腕や脚の重さをどう分散させるかまで考えて、使用者それぞれへの調節が可能な車椅子を選ぶことも大切である。
褥瘡のできやすい部位は?
Q.お尻以外にも褥瘡はできるか?
A.褥瘡(床ずれ)はおしり以外にもできます。おしり以外でも、骨が突出していて、ベッドのマットや布団、車いすなどで圧迫されているところが褥瘡(床ずれ)ができやすい部位です。鼻、胃瘻(いろう)用などのカテーテルによる圧迫にも注意が必要です。
褥瘡の生じやすい部位は?
褥瘡(床ずれ)とは、日本褥瘡学会の2005年の定義に準じて言えば、身体に加わった外力が骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下、あるいは停止させる状況が一定時間持続され、組織が不可逆的な阻血性障害に陥ったものをさす。
不適切な硬い寝具の上で寝たきりのまま体位交換を十分に行わない場合などに仙骨部、大転子部、尾骨部、踵骨部などの骨突出部位に、また車椅子上で適切なクッションを使用せず除圧動作が不十分な場合などに坐骨部などに生じやすい。
褥瘡をマッサージしちゃダメ?
除圧法で一番間違いやすいのは、骨が出ているところをベッドに触れさせないようにするために、円座を使って浮かせるということです。
これはかえって血流・組織障害を強くするということで禁忌とされています。
また、褥瘡のできかけのときには、皮膚が発赤をするのですけれども、よくマッサージしてしまうことがあります。
血行を改善するためにマッサージするのがよいと思われがちですが、今までわかっているところでは、かえってぜい弱になった皮膚を破壊してしまうということで、これも禁忌であるとされています。
褥瘡の体位変換
褥瘡(床ずれ)は、ベッドのマットや布団、車いすなどと接触する部分の皮膚が、長い時間続けて圧迫されることによりできます。
褥瘡ができたり、悪化することを予防するためには、体の同じ部位の皮膚に加わる力を小さくし、負荷がかかる時間を短くしなければなりません。
そのためには、適度に体の向きや姿勢を変える体位変換が大切です。
横になっている場合は、2時間ごとを目安に体の向きや姿勢を変える体位変換が推奨されています。
患者さんと介護者の生活リズムに合わせて体位変換をするようにします。
特に夜間の体位変換は、介護者の就寝前、起床などに合わせて行うと負担を軽減できます。
座っている場合は、自分で体を動かすことができる患者さんでは15分ごと、自分で体を動かすことができない患者さんでは30分から1時間ごとに座りなおしを行うことが推奨されています。
ただし、患者さんのやせている程度、むくみの有無、体圧分散用具の使用の有無およびその機能の程度など、複数の要因が関係するため、何時間ごとの体位変換がよいかは患者さんによって違います。
褥瘡ケアの基本は、ベッドや椅子、車椅子の座面など支持面の調整や体位変換を行って局所にかかる圧力やズレを改善する除圧・減圧、皮膚の保湿と清潔、栄養管理が主体となる。
支持面を調整するためには、メディカルムートン(羊毛皮)、ウレタンフォームマット、エアマット(圧切換型・静止型)、ウォーターマット、自動体位変換を行う高機能寝台などの体圧分散寝具が市販されている。
圧迫、摩擦、ずれの回避
圧迫の回避では、体位変換により持続的圧迫時間の短縮、エアーマットレスなどによる除圧を図る。
体位変換は通常2~3時間ごとを原則とするが、在宅では困難なことも少なくない。
寝たきりの例、拘縮の強い例などでは、介護者の負担軽減のためにも、エアーマットレスなどを早期に導入する。
寝返りが可能な場合には、ある程度の体圧分散能力があるウレタンフォームなどを、拘縮が強い例などでは、厚みがあり低圧保持可能なエアーマットレスなどを用いる。
摩擦の予防には、仙骨部、大転子部などに白色ワセリンなどの塗布やフィルム性ドレッシング剤の貼付を行い、ずれの防止にはギャッチアップの時に1度背中を起こすなどの工夫をする。
毛細血管の血圧が32mmHgくらいで、それ以上の圧力がかかると血行が障害されます。
寝ているときには60mmHgくらいの体圧がかかるため、2時間おきに体位変換させます。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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