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ソマトスタチンとサンドスタチンの違いは?
公開. 更新. 投稿者:癌/抗癌剤.この記事は約2分29秒で読めます.
4,074 ビュー. カテゴリ:サンドスタチン
Q.サンドスタチンの名前の由来は?
A.「サンド社(現ノバルティスファーマ社)で開発されたソマトスタチンアナログ」から「サンドスタチン」と命名されました。
Q.アナログとはどういう意味か?
A.類似化合物という意味で、構造は似ていますが、成分として異なる化合物を示します。
サンドスタチンは、ソマトスタチンと類似した構造ですが、成分は異なるので「ソマトスタチンアナログ」と呼びます。
Q.ソマトスタチンとサンドスタチンの違いは?
A.ソマトスタチンは、血中半減期が2~3分と短いため臨床上での応用ができませんでした。
そこで、ソマトスタチンの生物学的活性を示すのに重要な部分である4つのアミノ酸(Phe-Trp-Lys-Thr)をそのままの配列で残し、disulfide(S-S)結合をはさんでD-PheとThr(ol)を配した8個のアミノ酸よりなる環状ペプチドとしたものがオクトレオチドです。これによって作用の持続性が得られ、ソマトスタチンに比べ成長ホルモン(GH)に対する選択性が高く、強力な作用を持つことが可能になりました。
Q.ソマトスタチンの働きは?
A.ソマトスタチンは、視床下部、膵臓、消化管等に広く分布しており、ソマトスタチンレセプターへの結合を介して作用を発現します。
下垂体における成長ホルモン(GH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)分泌抑制をはじめ、消化管でのガストリン、セクレチン、コレシストキニン(CCK)、VIP(Vasoactive Intestinal Polypeptide)、膵臓でのグルカゴン、インスリン等の種々のホルモン分泌を抑制します。また、消化管運動を抑制する作用もあります。
Q.サンドスタチンとサンドスタチンLARの違いは?
A.サンドスタチンLARは、長期にわたるオクトレオチド酢酸塩による治療を可能とするために開発された徐放性製剤です。従来の1日2~3回の皮下注射を、4週毎に1回の筋肉内注射とすることで、1ヵ月あたりの注射回数を約1/60~1/90と著しく減らすことができることから、投与の利便性・コンプライアンス及び治療受容の向上が期待できます。
Q.LARとは何の略か?
A.Long Acting Repeatableの略称。「長時間作用型で、反復投与可能」の意味です。
成長ホルモン分泌抑制因子製剤
持続性ソマトスタチン誘導体製剤。
持続性ソマトスタチン誘導体製剤で、徐放製剤も発売されている。
成長ホルモン産生腫瘍の手術不能例や手術不成功例、VIP産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、ガストリン産生腫瘍が適応である。
これら以外の神経内分泌腫瘍、下垂体腫瘍、膵頭腫瘍にも用いられることがある。
消化液分泌抑制作用と小腸からの腸液吸収促進作用があり、進行癌患者の消化管閉塞に伴う消化器症状の緩和にも適応がある。
4週間毎の徐放製剤は筋注方法が独特。
徐放製剤は4週間の投与で、外来での治療継続が可能である。
筋注製剤であるが、薬剤の調整方法と投与方法が独特であり、慣れが必要である。
重大な副作用としては、アナフィラキシーと徐脈があり、投与直後は要注意である。
ホルモンや消化液などの分泌を抑制して、内分泌・代謝や消化器系などに障害を来たすことがある。
長期投与により胆石形成。
たとえば、長期投与により胆石形成の可能性あり、胆嚢・胆管の検査を定期的に行う。
インスリン、あるいはグルカゴンなどのインスリン拮抗ホルモンの分泌に影響して、血糖変動が見られることがある。
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